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冷涼な気候からエレガントなワインを生み出す新しいAVA「ウエスト・ソノマ・コースト」の生産者が来日

ワイン王国

3月、「ウエスト・ソノマ・コースト」のワイナリーとブドウ栽培家による生産者団体「ウエスト・ソノマ・コースト・ヴィントナーズ」が来日し、プレゼンテーション・ランチを開催した。冷涼産地から生まれるエレガントなワインと「資生堂パーラー ザ・ハラジュク」の料理をペアリング。この度のプレゼンテーション・ランチでは、九つのワイナリーが来日し、ウエスト・ソノマ・コーストの特性と魅力について解説した。

新たなAVA「ウエスト・ソノマ・コースト」

広大なソノマ・コーストの最も西に位置する「ウエスト・ソノマ・コースト」は、2022年5月に19番目のAVA(アメリカ政府公認ブドウ栽培地域)として承認された地域だ。1990年代より、広大なソノマ・コーストの中でも冷涼な気候を探し求めこの地域に辿り着いた生産者たちは、この地を「トゥルー・ソノマ・コースト」と呼び、特異性を示し続けてきたという。2015年にAVAの申請を行い、昨年、満を持してAVAウエスト・ソノマ・コーストが誕生した。

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ウエスト・ソノマ・コースト・ヴィントナーズのメンバー

32 Winds Wine、Alma Fria、Balletto、Banshee、Boars’ View、Ceritas、Cobb、DuMOL、Ernest Vineyards、Failla Wines、Flowers Vineyards & Winery、Freeman Vineyard & Winery、Gros Ventre Cellars、Hirsch Vineyards、Littorai Wines、Marine Layer、Matt Taylor Wines、Occidental、Paul Hobbs、Peay Vineyards、R A E N Winery、Red Car Wine、Small Vines Wines、Senses Wines、Stressed Vines、Three Sticks、Wayfarer、Whistler Vineyard

来日した9ワイナリーとその代表者たち。左から、ジョセフ・ライアン氏(アーネスト・ヴィンヤーズ)、トッド・コーン氏(ウェイフェアラー)、ロス・コブ氏(コブ・ワインズ)、クリストファー・ストリーター氏(センシーズ・ワインズ)、アキコ・フリーマンさん(フリーマン・ヴィンヤード&ワイナリー)、キャロル・ケンプ氏(アルマ・フリア)、ジャスミン・ハーシュさん(ハーシュ・ヴィンヤーズ)、アンディ・ペイ氏(ペイ・ヴィンヤーズ)、テッド・レモン氏(リトライ)

冷涼な海洋性気候から生まれるエレガントなワイン

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ウエスト・ソノマ・コーストの特徴は、冷涼な海洋性気候だ。産地の西側に接する太平洋の海水温は年中11℃と非常に冷たい。海からの霧と午後に吹く風は、海岸沿いの丘陵地に冷たく湿った空気をもたらし、昼夜を問わず冷涼な気候となる。気温が低いため、糖の蓄積と呼吸代謝が遅くなり、生育期間が長くなる。それによりブドウの風味と色調は濃くなり、タンニンの質はきめ細やかに。
こうして、ウエスト・ソノマ・コーストのワインの特徴である明るい酸、適度なアルコールとピュアな風味が生み出される。

水と栄養を与えるレッドウッド

ウエスト・ソノマ・コーストを語る上で欠かせないのが「レッドウッド」の存在だ。レッドウッドとは、100メートルの高さに成長することもある常緑針葉樹。7月~8月には、アラスカからの海霧がウエスト・ソノマ・コーストへやってくる。レッドウッドをフィルターに、霧は雫となり、毎月10センチ程度の降雨の役割を果たす。また、レッドウッドが枯れた時にはその枯れ葉が有機肥料として機能するという。

9生産者のワインを試飲

左から
『キャンベル・ランチ・シャルドネ 2021年』(アルマ・フリア)
熟したトロピカルフルーツの印象と樽のニュアンスが調和。程よい甘味と丸みのある酸を感じる。ワインメーカーのキャロル・ケンプ氏と醸造家のヤン・ホルターマン氏が、2012年に設立。ウエスト・ソノマ・コーストの北に位置し、有機栽培やビオディナミ(*)を実践する。

* オーストリアの人智学者、ルドルフ・シュタイナー(1861~1925年)が提唱した有機栽培農法の一種。農薬の代わりに薬草などを用い、天体の運行に合わせて作業を行う。樹木を病虫害から守るほか、果実の成熟を促す効果があるともいわれる

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