top_line

気持ちいい!サクサク進む爽快パズルゲーム
「ガーデンテイルズ」はここからプレイ!

「イタリアで絶対的な存在感を確立した」元伊代表主将が石川祐希を絶賛!「勝敗の行方を握る」と熱いエールも【男子バレーVNL】

THE DIGEST

 パリ五輪出場へ向けて、いよいよ始動するバレーボール男子日本代表。大舞台への切符獲得でカギを握るのは、なんと言っても主将・石川祐希だ。主戦場とするイタリアで今シーズンの戦いぶりを見続けてきた現地の人気ナンバー1解説者であり、元同国代表のアンドレア・ルッケッタ氏が、型破りな進化を遂げた背番号14について語ってくれた。

 対面でのインタビューは、ルッケッタ氏がイタリアバレーボール協会とともに30年近く力を注ぐ、子どもたちへの競技普及活動の最終日。日本では、愛知県名古屋市で開幕する国際バレーボール連盟主催の『ネーションズリーグ(VNL)』開幕へ向けて、男子代表の記者会見が行なわれた日だった。

 ペルージャのメイン広場で1500人の子どもたちに囲まれて午前の部を終えたばかりの同氏は、「やぁ、久しぶり!元気にしてたかい? ユウキのこと、何から話そうか?」と語りたいことがたくさんある様子。そして、まずは5月中旬に閉幕した2022-23シーズン・セリエAでの石川について、こう口火を切った。

「今シーズンのユウキは、とにかくセンセーショナルだった」

 所属するパワーバレー・ミラノの主軸として、コッパイタリア準決勝へ進出。決勝へあと一歩のところで、絶好調の日本人アウトサイドヒッターが負傷離脱すると、求心力を失ったチームは力なく敗れた。しかし、プレーオフで再び輝きを放つことになる。
  リーグ戦で無敗の首位ペルージャを準々決勝で退けて4強入りを果たし、準決勝では前年王者チヴィタノーヴァを相手に決勝進出へ王手。ミラノ旋風の中心にいたのは、またしても石川だった。リーグ史を塗り替えるレギュラーシーズン8位のファイナリスト誕生は、激闘の末、惜しくも叶わなかったが、『Ishikawa』の名前を載せた見出しとともに、全国紙を含む現地メディアから連日にわたり最大級の称賛を受けた。

「イタリアリーグを選んだユウキは正解だった。練習の質が高く、特に熾烈な戦いが繰り返されるリーグで研鑽を積むことが、選手として成熟していくために絶大な可能性を与えていると思う。今シーズン、ユウキはこれまで以上に重要な選手へとジャンプアップした。コッパイタリアの準決勝では、ユウキの負傷離脱でミラノがクオリティ低下に陥り、大きな困難に直面したことは周知の事実だ」

「それは、試合の流れに顕著に現れていた。イタリア初挑戦だったアウトサイドヒッターの2人、キューバ代表オスニエル・メルガレホとイラン代表ミラド・エバディプールだけでは、ユウキを欠いた穴を埋めるに十分ではなかった。頼りのオポジット、フランス代表ジャン・パトリーも停滞してしまい、残念な結果になってしまった」

「レセプションで、まれに安定を欠くなど守備にアップダウンが見られることがあったユウキだが、時速100キロを優に越えるサーブが当たり前になった現代バレーボールでは避けられないこと。シーズン全体を評価するにあたって取るに足らないことだ」

「ユウキにとって間違いなく最高に有意義なシーズンだったと思っている。なかでも、スクデット(リーグ優勝)を争うプレーオフでは、ミラノを率いて決勝進出まで数ポイントに迫り、歴史的な快進撃の立役者となって大きな爪痕を残したのだから」 1990年世界選手権で優勝と大会MVPを同時に手にした経験を持つルッケッタ氏は、「ユウキは今や、世界屈指のリーグであるセリエAでチームの勝敗の行方を握る選手に成長した」と絶賛した。

「シーズンを過ごす中で、ユウキは一選手として爆発的に完成度を高めた。相手を苦しめるサーブ力はこれ以上ない武器になっていた。特に攻撃面で判断力と認識力を向上させたと思う。それが感じられたのは、迷いのないアタック。驚くほどクオリティが上がった。見ていて爽快だったよ。司令塔のイタリア代表パオロ・ポッロとの連携も格段に向上させていた。イタリアで絶対的な存在感を確立したと感じているよ」

 石川の技術面について、「迷いのない」という言葉を聞いてふと思い出したのは、イタリア語の形容詞『Timido(ティミド)』。「控えめな、内向的な、おとなしい」など、性格や行動を表す一方、スポーツでは曖昧さやためらいが感じられたり、慎重すぎるプレーに対して使われることが多い。

 それは、これまで時折、試合中に解説陣から石川へ発せられる言葉でもあった。今シーズンを思い返してみると、記憶する限りルッケッタ氏を始めとする有識者たちが、『Timido』を口にしたことは、ただの一度もなかった。それを消し去ったのは、納得のパフォーマンスを継続した石川本人だった。

 準決勝でミラノを退けたチヴィタノーヴァを下して王座を手にしたのは、トレンティーノ。主将としてリーグ優勝へチームを導いたブルガリア代表マテイ・カジースキーが、来シーズンからミラノに加入することが発表された。38歳のベテランながら決勝・最終戦でMVPに輝いた世界トッププレーヤーが、石川と対角を組むことになる。

「今以上に高みを目指すはずのユウキにとって、来シーズンは絶好のチャンス。カジースキーとともにプレーすることで、技術に磨きをかけ、コート上でのクオリティをより一層高めることができるはずだからね」
  そして、開幕を控えるVNLへ向けて、ルッケッタ氏はこう話した。

「現在を含めこれまでに、イタリアでプレーするたくさんの日本人選手を見てきた。今、ユウキはその頂点に立っている。だからこそ、私から見て、日本代表を率いるうえで大切なことは、自分が培ったスピリットをすべての戦いで持ち続けることだと思う」

「フィリップ・ブラン監督の手腕の下、東京五輪、そして昨年のVNLと世界選手権で証明した通り、結果を出せるチーム作りが順調に進んでいる。今年のVNLは、成長を遂げてきた日本代表が上の段階へ歩みを進める絶好の機会になると思っている。ユウキの活躍を心から期待しているよ」

 怪物軍団と呼ばれた90年代の黄金期を謳歌したイタリア代表を率いた主将から、龍神NIPPONの主将へ贈られた最大級の熱いエール。石川がVNLでチームを上昇気流へ乗せ、9月にパリ五輪への切符を必ず掴み取ってくれるはずだ。

文●佳子S.バディアーリ

【関連記事】頼れる主将・古賀紗理那が最多23得点! 平均188cmドミニカ相手のブロック数値に海外解説者も驚愕「これはすごい!」【女子バレーVNL】

【関連記事】日本連勝、鮮やかコンビバレーを海外識者も激賞!「最高、これを待っていた!」【女子バレーVNL】

【関連記事】【女子バレー】古賀紗理那、紆余曲折を経て真のエースに! 頼れるパートナー西田有志とパリ五輪を目指す
 
   

ランキング(スポーツ)

ジャンル