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異次元の性能を持つAIボイスチェンジャーを前に、ディープフェイク時代に備える

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 そのため、法律による規制を考える場合、ディープフェイク技術そのものを規制するのではなく、その悪用を規制する形になるだろう。具体的には、「他人の顔を無断で合成する行為」や「偽の情報を流布する目的で映像を作成・公開する行為」などを禁止する形だ。

 テクノロジーの悪用を規制した過去の事例としては、2010年代にはいわゆる「リベンジポルノ」が世界中で議論の対象になった。問題が広く認識されたことで多くの国や地域で法律が制定され、これらの行為を犯罪として取り締まるようになっている。日本でも2014年に「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(リベンジポルノ規制法)」が制定され、このような行為を禁止した。

 また、EUでは「GDPR(General Data Protection Regulation:EU一般データ保護規則)」が2018年に施行され、個人データの保護に対する新たな規制が設けられた。これはデジタルテクノロジーの進化とともに個人データが広範に収集・利用されるようになったことへの対応で、データの収集・利用・保管に関する法律を強化したものだ。

 新たな技術を法律で制限することは業界を萎縮させることにもつながるため、慎重な議論が行われることを望みたい。しかし、こうした技術の悪用に迅速な対応が必要なのも事実だろう。日本国内での法整備はまだ先だろうが、ひとまずはこうした技術に誰もがアクセスできる状況なのだという事実をしっかりと知っておくことが大事だろう。

〈参考文献〉
「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=426AC1000000126_20221001_503AC0000000027
「アメリカ選挙法におけるディープフェイク規制の動向」
https://www.spf.org/iina/articles/harumichi_yuasa_01.html
「欧州AI政策について」
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/ai_shakai_jisso/pdf/005_02_01.pdf
「多額詐欺、実在の“友人”はAI 北國新聞」
https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/1078482

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(文=白石倖介)

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