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「あの時の自分に怒られると思う」俳優・桐谷健太がいまを楽しむ理由

東京カレンダー

2023年4月からスタートした新ドラマで主演を務める、俳優・桐谷健太さん。

祐天寺の老舗ビストロ『クレモンティーヌ・ビス』でワインとフレンチのペアリングを楽しみながら、“人たらし”全開のトークが炸裂!桐谷さんが語る、人生論とは?

桐谷さんのインタビューを、今日と8日(木)の2回に渡ってお届けします!

【前編】
■桐谷さんが明かしてくれた、仕事の楽しみ方・オフの過ごし方


「上京した20年前、初めて東京で住んだ場所が奥目黒でした」


「8年くらい住んだかなぁ。住所は下馬だったけど、住んでいたアパート名の末尾に“学芸大学”ってついていて。あの頃、若かったなぁ」

そう言って豪快に笑った桐谷健太さん。

だが次の瞬間、そっとステムに手を伸ばし、美しい所作でワインを嗜む。伝わってくる“手練れの飲み手感”は、やはりワインエキスパートの資格保持者ゆえだろう。

コロナ禍、友人の一言をきっかけに、独学で1ヶ月半猛勉強。見事合格し、周囲を驚かせた。

テレビなどではビールのイメージも強いが、実はワインの人でもあるのだ。



「ビールでもワインでもシャンパンでも、お酒って誰かと共有する時間に価値があると思うんです。

たとえば車って、何百万円も出して買うけど、何年間も乗るじゃないですか。でもワインは栓を開けてから、なくなるまでの時間は知れている。

だからこそ、その時間を友達と味わうって、すごく贅沢なものだと思う。特別な時にはペトリュスやル・パンのような高価なワインも開けますよ。

味なんて分からんヤツも多くて、飲ませ甲斐がないこともありますが(笑)。でも、みんなが幸せならそれでいい」


「自分が立っている現場をいかに全力で楽しむか。常にそれを考えています」


形に残すよりも、記憶に残したい。それは役者としての想いも同じだ。

「全力で数字を上げます!なんて言ったところで、そんな方法知らないですもん。

もちろん、たくさんの人に見てほしいし、面白いものを作りたいという気持ちはあります。でも自分のことは自分で何とかできても、人の気持ちは分からないし、動かそうと思って動かせるものじゃない。

この動かせないものを動かせないって悩んで苦しんでいる人、多いんじゃないかな。

でも、僕にはその悩む時間がもったいなく思えた。今、自分が立っている現場をどれだけ充実させて、楽しむか。その方が有意義だなと」

目下の現場はゴールデン初主演を務めるドラマ『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』だが、プロデューサーをして「桐谷健太が主役じゃなかったら、やっていない」と言わしめてなお、気負いは感じない。

「ありがたいことです。でも変わらないです。楽しくやって当たるのが一番いいですけど、当たるかどうかはもうお任せ(笑)。ひとりでも記憶に残してくれる人がいたら、もう十分」


子どものように結果とか考えず、ひたすら今日を楽しく生きていたい


5歳の時、“絶対に、このワクワクする芸能界に入る!”と決め、実際に夢を叶えた桐谷さん。

常に彼が問いかけるのは、当時の自分だ。

「もし今、楽しめていなかったら、あの時の自分に怒られると思う。何、結果を気にしてんだよ、って。

子どもって、頭を悩ませながら遊ばないじゃないですか。全力で遊びますよね。彼らにとって、遊びほど真剣なことはない。別に褒められようとか、結果なんて何も考えてない。やりたいからやりますよね。

僕も同じで、その感覚で仕事と向き合いたい。だから先のことも、一切考えてないんです。来年のことすら考えてない。

だって、今日考える来年と明日考える来年は、また違うかもしれないですから。今日を楽しく生きることができれば、来年はもっと面白くなるやろうな、それだけです」

今を全力で楽しみ、あるがままを受け入れ、抗わない。簡単なようで難しいことを、こともなげに言う。

最後に、今回のテーマである“休日”について聞いた。

「オフの日はひとりで散歩するのが好きです。行き当たりばったりで、何となくこっち、って歩いた先に素敵なレストランや喫茶店を見つけたり。

なんかこうあったかい光みたいなイメージが湧く方に進むといいこと、あるんですよ」

そう言ってニヤリと笑った。

目的地は決めずに進む。それが桐谷流の成功のセオリーなのかもしれない。


【後編】 6/8に公開!
■桐谷健太さんがペアリングを愉しんだ、祐天寺の住宅街に潜む老舗ビストロ

■プロフィール
桐谷健太 1980年生まれ、大阪府出身。大学進学を機に上京し、2002年、俳優デビュー。2008年、ドラマ『ROOKIES』の平塚 平役で一躍有名に。2016年にはCMソング『海の声』で『第58回日本レコード大賞』優秀作品賞を受賞。現在は『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』で3年ぶりに仲井戸豪太役を演じる。

■衣装
ジャケット 140,800円〈タリアトーレ/トレメッツォ TEL:03-5464-1158〉、パンツ 28,600円〈バグッタ/バインド ピーアール TEL:03-6416-0441〉、時計 3,883,000円(ヴィンテージ)〈A. ランゲ&ゾーネ/コミット 銀座 TEL:03-6264-5310〉、その他スタイリスト私物


▶このほか:【未公開カットあり】話題の俳優・鈴鹿央士が語った「東京に染まったな」と思う瞬間とは




東京カレンダー最新号では、桐谷健太さんのインタビュー全文をお読みいただけます。
東カレに語ってくれた、とある“ワイン会”の思い出とは?

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