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ENHYPEN、4thミニアルバム『DARK BLOOD』がチャート首位 クリエイティブ面での充実とグループの勢いが噛み合った一枚

Real Sound

ENHYPEN『DARK BLOOD』

参照:https://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/2023-06-05/

 2023年06月05日付のオリコン週間アルバムランキングで首位を獲得したのはENHYPENの4作目となるミニアルバム『DARK BLOOD』で、推定売上枚数は163,134枚だった。上位はENHYPENをのぞくとSnow Man『i DO ME』(2位)、aespa『MY WORLD』(3位)、King & Prince『Mr.5』(4位)と2~3週目以降の作品が目立つ。トップ10圏内での初登場作品は5位 Girls²『Countdown』(23,532枚)、6位『うたの☆プリンスさまっ♪SHINING BIRTHDAY SONG CD』(23,439枚)、7位 Superfly『Heat Wave』(14,322枚)、9位 SUPER JUNIOR-YESUNG『君という桜の花びらが僕の心に舞い降りた。』(11,441枚)、10位 Da-iCE『SCENE』(10,275枚)だった。

(関連:ENHYPEN、アルバム『DARK BLOOD』で新たな記録 ダークファンタジーの物語に乗せたファンへの想い

 本題に入る前にちょっと寄り道すると、5位 Girls²『Countdown』の表題曲は韓国のバーチャルK-POPアーティストであるAPOKIとのコラボ楽曲。楽曲としてのサウンド・アレンジ双方のたしかなクオリティはもちろんながら、いまっぽい日本のスラングを散りばめた口語的な歌詞がソリッドなフロウで繰り出されるちょっとしたミスマッチも面白い。一度チェックしてみてほしい。

 さて、今回とりあげたいのは首位のENHYPEN『DARK BLOOD』。ENHYPENにとって自己最高記録となる初動を達成した今作は、これまでの彼らのイメージを転換するようなクールさが印象的なミニアルバムだ。以前は勇壮さのある華やかなサウンドとパフォーマンスで世界観を構築してきた彼らだが、『DARK BLOOD』は持ち前のポップな雰囲気のなかにも柔らかさと繊細なニュアンスが刻み込まれている。語りを通じて物語の世界に引き込まれたかと思うと、どうやらその世界はいままでのENHYPENとは違う様子。そんなことが、サウンドを通じて肌身でわかってくるのだ。

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 リード曲の「Bite Me」からして、ちょっと意外な響きを持っている。やわらかいボーカルのハーモニーからはじまり、ビートはとてもミニマルで、派手な展開はない。メロディも歌い上げるような見せ場をつくるかわりに、話すような抑制のきいたメロディラインをからみあわせるように構築していく。高揚感に訴えて一気に没入させるよりも、中毒性の高いサウンドでじわじわと没入感を高めるような1曲だ。2分半あまりという短いランニングタイム(これまでのリード曲のなかでは頭一つ抜けた短さではないだろうか)もあいまって、無駄のないタイトな完成度に惹かれてしまう。

 「Bite Me」に加えて音楽番組でも披露されている「Bills」はリバーブのきいたギターのストロークが涼やかな浮遊感を感じさせるバラードナンバー。こちらもバラードながら、ドラマチックというよりは包み込むような親密な空気感を持ったサウンドとパフォーマンスが印象的だ。ドリーミーで甘やかだけれども、ミニマルな構成と抑制感という点で「Bite Me」から一貫した本作の方向性がはっきりと出ている。表現したいコンセプトとの一致はもちろん、グループとしての「成長」や「成熟」をプレゼンするフェーズに入ってきたことを感じる。

 ダークだがどこか甘く、ドリーミーという意味では耽美的なトラップビートが光る「Chaconne」もとても良い。一方で、ダイナミックなディストーションギター(それはもう、ところどころでぎゅんぎゅん言ってます)とドラムでスタジアム級の派手なロックサウンドを響かせるラストの「Karma」は、これまでのENHYPENのエネルギーを継承しつつネクストフェーズに引き上げるような仕上がり。クリエイティブ面での充実とグループとしての勢いが噛み合った一枚として、『DARK BLOOD』は今後のENHYPENへの期待を高める作品だ。
(文=imdkm)

 
   

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