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MOROHAアフロ『逢いたい、相対。』ゲストはハナレグミ 永積崇ーーふたりが初めて邂逅した「伝説の夜」、新たに必要なフェーズ「発酵」を語る

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MOROHAアフロの『逢いたい、相対。』ハナレグミ 永積 崇 撮影=suuu


MOROHAアフロの『逢いたい、相対。』第三十七回目のゲストは、ハナレグミの永積崇。この連載の中で、何度かアフロは永積と初めて会った夜のことを口にしていた。それは彼にとって忘れられない一夜。そして……6月6日(火)に大阪・心斎橋BIGCATにて、MOROHAの自主企画『破竹』第三十一回でツーマンを行なうということで、満を持して連載に永積が登場。遂に、初めて邂逅した夜のことが語られる。1時間を予定していた対談だったが、蓋を開けたら2時間ずっと席を立たずに話し続ける2人。とにかく笑いが絶えない。それは、ただ楽しいというよりも「自分の気持ちを分かってくれる人がいる」という表情にも見えた。最後にアフロはボソッと呟いた。「あー……楽しかったなぁ」。

MOROHAアフロの『逢いたい、相対。』


「サヨナラ COLOR」とか「光と影」が歌えなくなった。

<対談が始まり、永積とアフロが初めて交流を深めた、とあるBarの話題になった。一時期、永積はそのお店へ毎日顔を出し、朝までお酒を飲んでいたという>

アフロ:クラムボンの武道館(2015年に開催された、クラムボンの結成20周年記念を締めくくる『tour triology』のツアーファイナル。永積やMOROHAを始め、クラムボンと親交のあるアーティストが出演した)の打ち上げで、そのお店へ行って、初めてゆっくり話したんですよね。その夜のことも触れたいんですけど、その前に……なんでそんなに酒を飲んでいたんですか?

永積崇(以下、永積):2011年の震災が大きかったんだと思う。あの時に「自分は音楽で何をやっていたんだろう?」「なんで生きているんだろう?」と立ち止まって考えたし、歌えなくなった曲も増えたり、プライベートのことも見つめ直したりして。

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アフロ:歌えなくなった曲というのは、歌詞の内容がセンシティブだから?

永積:そうだね。特に「サヨナラ COLOR」とか「光と影」が歌えなくなって。歌おうとしても、声が出なくなっちゃうんだよ。当時、被災地に行って、何度か歌おうと思ったんだけど「この人たちの前で、この曲は歌えないな」って。それは普通に必要な考えだと思うし、場所やタイミングを鑑みて、どんな曲を歌うかって、どんなライブでも考えなきゃいけないとは思っていたんだけど。やっぱりね、自分はそこまでの時間の間どんな事を思い音楽をやっていたのか?ってところまで考えこんでしまっていた。

アフロ:俺も被災地に行った時、曲中に「死ぬ」っていうフレーズが入ってると、歌うのを躊躇しました。でも「死ぬ」という言葉の後には、「死ぬ気で生きる」という意味があるから、実は「生きたい」と歌っているはずなんだけど、そもそも「死ぬ」って単語自体の意味合いが強すぎて、その場で言えなくなっちゃう。メッセージ自体はちゃんと胸を張って歌えるものになっているはずなのに、単語の意味に負けるというか。

永積:音楽だからこそ書けているリリックとか、そのサウンドの上だから言えてることがあって。その場合の「死ぬ」という言葉を書いたのは、「死」からすごく距離を持って俺らは生きてしまっているんじゃないか、という投げかけだったと思うんだよ。ただ、明らかにそれを経験してる人の前に立った時はね。

アフロ:歌詞の距離感が変わってきますよね。

永積:それは日本語ならではな気もするね。言霊と言うぐらいだから、言葉自体のエネルギーが強い言語なのかな、と最近はすごく思う。SNSを見ていても、一言で誰かの心を深く切りつけてしまうことが多くあるじゃん。だからそこに気づけたのは、大事なポイントだったと思うんだ。自分が歌えなくなったことは、大きな発見だったと今は思う。当時はかなりのダメージを受けたけど、時間が経ってみると必要な経験だし、やっぱりそこに自分はこだわっているんだなと再確認できたから。

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