犬飼貴丈と飯島寛騎がW主演を務める「僕らの食卓」(毎週木曜夜11:00-11:30、BS-TBS)の第9話が6月1日に放送された。豊(犬飼貴丈)と穣(飯島寛騎)がお互いに気持ちを確かめ合い、キスするようすが描かれた。「肉まん味だったな」という穣の感想にニヤニヤしながらも胸に熱いものがこみ上げるシーンとなった。(以下、作品のネタバレを含みます)
■「僕らの食卓」とは
同作は、三田織の同名人気コミックを原作に、共に食卓を囲むことで縮まっていく距離感を丁寧に描く食と家族のハートフルドラマ。育った環境の影響で誰かと一緒に食事をするのが苦手な会社員・豊は公園で年の離れた兄弟・穣と種に出会い、なぜか「おにぎりの作り方」を教えることに。それ以来、豊と穣兄弟は一緒に食卓を囲み食事をすることが増え、やがて家族のような存在となり、豊と穣の距離も次第に縮まっていく。
豊役を犬飼、見た目は怖いが、いつも弟の面倒を見ている家族思いの兄・穣役を飯島が演じるほか、明るく元気で上田家のムードメーカー的存在であり、穣の弟・種役で本格的なドラマ初挑戦となる前山くうがが出演する。また、穣と種の父で陶芸家である耕司役の原田龍二や、古畑星夏、市川知宏、てつじ(シャンプーハット)ら個性豊かな面々がストーリーを盛り上げる。
■豊と穣はお互いの気持ちを語り合う
穣が好意を伝えてから気まずくなっていた穣と豊だが、気持ちの整理がついてお互い向き合うことに。夜の公園のブランコに座って肉まんを食べながら語り合う穣と豊。
久しぶりに家族とちゃんと話ができたことを豊が話すと、大丈夫だったかと穣は心配する。豊はもう大丈夫と言うと、初めて穣と会ったときのことを話し出す。「僕ね、初めて穣と会ったとき、すげえ怖い人だと思ってた。あの日、おにぎり作りに行ったのも穣が怖くて断れなかったからなんだよね」と豊が正直に話すと、マジかよと驚く豊。
「だけど、あの日行ってよかったと心から思える」と豊はしみじみと話す。
■「好きって気持ちじゃ足りないぐらい、僕は穣のことが大切なんだよ！」と豊は穣に伝える
「僕を変えてくれたのは…」と言って豊は穣を見つめて「穣なんだよ」と伝える。豊は穣と種と出会って一緒にご飯が食べられるようになり、いつの間にか穣といることが心地よくて、自分のことを穣になら全部話したい、ここが自分の居場所なんだと思っていたと話す。穣は「そんなこと思っててくれたんだ」と嬉しそうにほほ笑む。
だからちゃんと穣と向き合いたいと豊が言って、見つめ合う2人。「好きって言ってくれたでしょ。あのとき、ほんとは僕も好きだって言おうとしたんだ、だけど…」と言って豊が考え込んで黙ると、穣は耐えきれなくなったように立ち上がり、困らせたなと謝る。豊が「違うんだ、上手く言えなくて」と否定するも、穣は「今まで通りでいいよ。豊の気持ち分かってるから」と言う。
すると豊が慌てて、分かってないよと遮る。「分かってないよ、僕の気持ち。好きって気持ちじゃ足りないぐらい、僕は穣のことが大切なんだよ！」と豊は立ち上がる。目を大きく見開いて訴える豊に、がんばってよく言った！と嬉しい気持ちになる。
驚く穣に豊は「だから、触れられてもいい」とおずおずと言って穣の手をとり、「ほら、平気だから」と言う。そして、まっすぐに穣の目を見つめて、僕はこれからも穣と一緒にいたいと気持ちを伝える。堪らなくなった表情で穣は豊をハグして、泣きそうになりながら豊を抱きしめる。豊は穣に抱きしめられながら「心臓がうるさい、心臓の新しい使い方を学んでるみたいだ」と心のなかでつぶやく。豊はこんなふうにドキドキするのは人生で初めてなんだろうと思うと胸がキュンとなる。
抱いた腕を解いて見つめ合うと照れくさそうに笑う2人。こちらにも照れが伝わってきてニヤニヤしてしまう。穣が顔を近づけると豊も応えるように唇を寄せていき、キスする2人。静かな時間が流れる。そのとき、ゴーンと厳かな除夜の鐘が鳴り響き、我に返ったように2人は唇を離す。2人は顔を見合わせて吹き出し、「全然ロマンチックじゃないな」「教会とか聞いたことあるけど除夜って！」と言い合って、本当におかしそうに笑う。
向き直ると穣は豊と手を繋ぎ「これからは今まで通りじゃなくなるかもしれないけど、良い？」と聞く。豊がうんと答えると穣は満足そうに「肉まん味だったな」とニヤニヤする。豊は「わあ、最悪。恥ずかしい」と言って、2人で手を繋いだまま笑い合うのだった。
誠実な2人の日常と地続きの“肉まん味キス”にニヤニヤしながらもじんわりと熱い涙が込み上げてきた。Twitterでも「2人ともおめでと」「胸がいっぱいです」「9話良すぎてマジで涙と笑顔とため息しか出てこん」「2人が美しく尊かった」「しあわせな時間だった…っっっキュンキュンした」「今回は神回すぎた！」と感動のコメントが多く寄せられた。
◆構成・文＝牧島史佳
