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1989年版『リトル・マーメイド』はなぜ今も愛される? 2Dアニメーションの良さを再発見

Real Sound

『リトル・マーメイド』©1989 Disney Enterprises, Inc. All rights reserved.

 6月2日の『金曜ロードショー』(日本テレビ系)で、ディズニーアニメーション『リトル・マーメイド』(1989年)が放送される。待望の実写映画『リトル・マーメイド』(2023年)が6月9日に公開されることから、注目が集まる中でのテレビ放映となった。アニメーション版を観ることで改めて『リトル・マーメイド』の物語をおさらいすることができる。

 参考:【写真】人気キャラクターのセバスチャン

 アニメ版『リトル・マーメイド』はハンス・クリスチャン・アンデルセンの『人魚姫』を原作に映画化された。好奇心旺盛な人魚のお姫様・アリエルが、ある出来事をきっかけに人間の王子・エリックと出会い、恋に落ちる物語だ。一見シンプルな物語のようにも感じるが、美しい海の世界を描くアニメーションの技術、アドベンチャラスなアリエルの行動、心踊る楽曲の良さ、海の魔女・アースラとの対峙、そして王子・エリックとのロマンスと、誰もがその世界に強く引き込まれる不朽の名作である。

 やはり一番に注目したいのは楽曲の素晴らしさ。アカデミー歌曲賞を受賞した「アンダー・ザ・シー」を筆頭に、人間の世界への憧れを切々と歌い上げる「パート・オブ・ユア・ワールド」や、真っ赤なカニのセバスチャンが歌う「キス・ザ・ガール」は今も色褪せない魅力を放つ。音楽を担当するアラン・メンケンは、本作以外にも『美女と野獣』(1991年)、『アラジン』(1992年)、『塔の上のラプンツェル』(2010年)など多くのディズニーアニメーションにおいて、誰もが知る人気楽曲を生み出してきた。そんなメンケンの楽曲は『リトル・マーメイド』の魅力を語るには、欠かせない存在だ。

 実写版『リトル・マーメイド』のプロモーションでは、ディズニー公式YouTubeチャンネルが映画の公開に先駆けて主演のアリエル役に抜擢されたハリー・ベイリーの歌唱する「パート・オブ・ユア・ワールド」の映像を公開しているが、こちらもアニメ版とはまた違った趣がある。

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 アリエルのお目付役として人気キャラクターのセバスチャンは、実は宮廷音楽家でもある。劇中ではセバスチャンのリードでミュージカルシーンに入ることもあり、そこには様々な楽器やコーラスが盛り込まれるなど、宮廷音楽家ならではの光る演出も見受けられる。こうした遊び心もディズニー作品の魅力だろう。

 昨今のディズニー長編アニメーションは『塔の上のラプンツェル』(2010年)、『アナと雪の女王』(2013年)などの3D作品が中心となっている。手書きアニメーションの長編作品は2011年の『くまのプーさん』を最後に姿を消し、未だ新作は登場していない。そのような状況の中、『金曜ロードショー』の放送により改めてディズニーの2Dアニメーションの豊かな技術を堪能できることもうれしい。アリエルの表情、水中での髪の動き、カモメのスカットルやカニのセバスチャンなど動物に命と個性を吹き込む工夫など、細部にわたるアニメーターたちのこだわりは見逃せない。未だディズニーの手書きアニメーション復活を望む声も多いからこそ、その良さを肌で感じてほしい。

 多くの人が期待を寄せる実写『リトル・マーメイド』。このタイミングでアニメーション版『リトル・マーメイド』が『金曜ロードショー』で放送されることに感謝したい。週末にアニメーション版を観たら、来週末には家族や友人と共に映画館に足を運ぶのも良さそうだ。

(文=Nana Numoto)

 
   

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