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高地デンバーで幕を開けるNBAファイナル2023。不敵に笑うヒート指揮官「相手がエベレストの頂上でやりたいと言うなら、受けて立つ」<DUNKSHOOT>

THE DIGEST

 現地時間5月31日、デンバー・ナゲッツとマイアミ・ヒートの選手、ヘッドコーチ(HC)たちが、翌1日に開幕するNBAファイナルに向けてメディアデーに臨んだ。

 今年の頂上決戦は、第1シードからウエスタン・カンファレンスを制し、球団創設56シーズン目(ABA時代を含む)で初の王座獲得を狙うナゲッツと、2013年以来4度目の優勝を見据えるヒートという対戦カード。ヒートは第8シードとしては1999年のニューヨーク・ニックス以来、NBA史上2度目のファイナルで、優勝すればリーグ史上初の快挙となる。

 両チームはシード順もさることながら、本拠地を置く都市の標高差も対照的だ。高地として知られるデンバーと、リゾート地として有名なマイアミの標高差は平均で約5275フィート(約1608メートル)。ヒートは2016年11月の対戦を最後に、6年以上デンバーで勝利をあげていない。一方のナゲッツはレギュラーシーズンのホーム成績でリーグ2位の34勝7敗(勝率82.9%)、今プレーオフでも8戦無敗と圧倒的な強さを誇っている。

 2014年のNBA入りから6シーズン半、ヒートと同じフロリダ州がホームのオーランド・マジックでプレーし、21年3月にナゲッツに加入したアーロン・ゴードンは、確かに地の利はあると語る。
 「高地というのは、実際にアドバンテージになる。僕がオーランドにいた時、デンバーでプレーしたことを思い出すよ。(標高の高さに)順応するのが大変だった」

 もっとも、これまで何度も逆境を跳ね除けてきたヒートにとって、戦う場所はたいした問題ではないようだ。エリック・スポールストラHCは「相手がエベレスト(標高8849 m)の頂上でやりたいと言うなら、我々は受けて立つ」と問題視していなかった。

「彼らも(デンバーから)マイアミへ移動しなければいけない。違いを作り出したいなら、我々はエアコンを切っておくよ。彼らは90度の蒸し風呂のような環境でプレーしなければならないから、足を限界まで弱らせることになる」

 シリーズは第1、2、5、7戦がデンバーのボール・アリーナ、第3、4、6戦がヒートのホーム、カセヤ・センターで開催される。 下馬評ではナゲッツが有利だが、ヒートには今プレーオフで平均28.5点、7.0リバウンド、5.7アシスト、2.06スティールをあげるジミー・バトラーがいる。彼の周囲をバム・アデバヨやケイレブ・マーティン、ゲイブ・ヴィンセント、マックス・ストゥルース、ダンカン・ロビンソン、カイル・ラウリー、ケビン・ラブが支える布陣は侮れない。

 シリーズ最大の注目は、ヒートのニコラ・ヨキッチ対策だろう。211cm・129kgというサイズに天性のパススキルと抜群のバスケットボールIQを備えた28歳は、今プレーオフでも平均29.9点、13.3リバウンド、10.3アシストと圧倒的なスタッツを叩き出している。

 そんな万能型ビッグマンについて、スポールストラHCはこのように評していた。

「すごくユニークだ。彼のサイズとスキルセットには顕著な弱点が見当たらない。それでいて、ゲームにインパクトを与えて、勝利に大きく貢献している」

 リーグ有数のディフェンダーで、ヨキッチとのマッチアップが予想されるアデバヨは「彼にタフショットを打たせる。タフショットを強いること、それが僕にとって最も重要になってくる」とコメント。バトラーも「彼には(コート上にいる)5人全員でガードすることになる。彼はすべてを上手くこなしてしまうからだ」と警戒していた。
  ヒートはアデバヨのほか、ラブ、コディ・ゼラー、オメール・ヤーセブンとビッグマンの頭数は揃っているものの、攻守の要のアデバヨをヨキッチにぶつけてファウルトラブルに陥ることは回避したいだけに、要所でゾーンディフェンスを敷いてくることも考えられる。

 そのうえで、相手の3ポイントシュートをいかに落とさせるかも重要だ。ヒートはカンファレンス・セミファイナルでニックスの3ポイント成功率を29.9%、カンファレンス・ファイナルではボストン・セルティックスを同30.3%に封じた。対するナゲッツはプレーオフで平均27.7点、6.1アシスト、3ポイント成功率39.8%を誇るジャマール・マレーを筆頭に、チーム全体でも38.6%(平均12.1本成功)の成功率を残している。

 ちなみに、今プレーオフにおいて3ポイント成功率でリーグ1位に立っているのは、ほかならぬヒート。チーム全体で1試合平均13.1本を39.0%の高確率で沈めている。このシリーズでは、3ポイントラインの攻防も大きなカギを握りそうだ。

文●秋山裕之(フリーライター)
 
   

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