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「自信を植え付ける術を熟知している」ヒート指揮官が主砲バトラーの“モチベート力”を称賛!<DUNKSHOOT>

THE DIGEST

 マイアミ・ヒートは現地時間5月29日、敵地TDガーデンでボストン・セルティックスを103-84で下し、NBAファイナル進出を決めた。

 勝利したチームがファイナルに勝ち進むこの重要な一戦で、ヒートはエースのジミー・バトラーが28得点に7リバウンド、6アシスト、3スティール、ケイレブ・マーティンがプレーオフキャリアハイとなる26得点に10リバウンド、3アシストの大暴れ。

 さらにバム・アデバヨが12得点、10リバウンド、7アシスト、ゲイブ・ヴィンセントが10得点、4アシスト、ダンカン・ロビンソンが10得点、2スティール、マックス・ストゥルースが8得点、5リバウンド、カイル・ラウリーが7得点、7リバウンド、5アシストと奮戦した。

 ヒートはチーム全体で26アシスト、3ポイント成功率は驚異の50.0%(14/28)。バトラーやマーティンだけでなく、出場選手たちがそれぞれの役割をこなし、最後まで集中力を切らさずに戦い、セルティックスを圧倒した。

 エリック・スポールストラHC(ヘッドコーチ)は、ヒート在籍4年目で2度目のファイナルへ導いたバトラーをこのように評していた。

「彼がチームメイトへ植え付ける自信の度合いを示すことなどできない。彼が謝罪することはない。私は彼がそういう男だと見ているから、それを望まないし、それが彼の競争することへのアプローチなんだ。もちろん、それは皆が持ち合わせているものではない。だからこそ、それが最高の組み合わせになるんだと思っている。彼がこのチームのロスター全員へ与える自信のレベルは驚異的なものなんだ」
  NBAでプレーする選手の多くは高校や大学で目覚ましい活躍を見せ、将来を嘱望されてきた。それゆえに、強烈な個性とプライドが激しく衝突し、一歩間違えればチーム崩壊に陥ることもある。

「彼には不平を言う危なさがある。けど彼は皆へ手を差し伸べて、ここぞという時に自信を植え付ける術を熟知している。それは彼の持つ特別なものだね」と指揮官は言う。

 ヒートはマーティンに加え、ストゥルースやヴィンセント、ロビンソンといったドラフト外の選手、そして他球団で優勝経験のあるラウリーとケビン・ラブもいるが、現在オールスター級の実力者と評されているのはバトラーとアデバヨのみ。

 だがこのチームは主力のタイラー・ヒーロー、ヴィクター・オラディポがケガで離脱しても誰かがステップアップし、日替わりでヒーローが生まれ、一丸となって勝利を積み重ねてきた。

「俺は彼らのことをロールプレーヤーとは呼ばない。チームメイトと呼んでいる。だってどんな日であろうと役割が変わることがあるからね」と、バトラーはチームメイトへの厚い信頼を語っていた。

 デンバー・ナゲッツとのファイナルは6月1日にデンバーで幕を開ける。バトラーという究極の負けず嫌いと、試合中のアジャストに秀でた勝負師スポールストラ、そして両者の指示を着実に遂行するヒートの選手たちの戦いはまだまだ続いていく。

文●秋山裕之(フリーライター)

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