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世界で最も分断された北東アジア

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 国際社会はいくつかの地域に分けられる。欧州、アフリカ、中東、南アジア、東南ジアや南太平洋、北米、中南米などがそれに当たる。そういった地域には欧州連合(EU)、アフリカ連合(AU)、アラブ連盟、東南アジア諸国連合(ASEAN)、太平洋諸島フォーラム(PIF)、南アジア地域協力連合(SAARC)など、地域の協力や一体性を確保するための政治的枠組みが存在する。しかし、そういった常設的な枠組みがない地域がある。それが北東アジアだ。

◆ロシアによるウクライナ侵攻から見える地域協力
 ロシアによるウクライナ侵攻には、地域協力という視点がある。侵攻以降、欧州ではロシアに対する警戒感が短期間のうちに高まり、特にロシアと距離が近い東欧や北欧諸国の間ではそれが顕著になった。ロシアと1000キロ以上にわたって国境を接するフィンランドは、侵攻後に国民のロシア脅威論が急激に高まり、北大西洋条約機構(NATO)加盟に向けてすぐに動き出した。そして、侵攻から1年たった今年4月、フィンランドは正式に31ヶ国目の加盟国となった。今後、スウェーデンの加盟も正式に決まる見込みだ。

 ここで見られるのは、欧州(欧米)の一体性である。突如侵略国家が現れても、それに脅威を感じた国々は、地域の一体性を確保する国際組織に加盟することで自らの安全保障を担保するようになった。ロシアによるウクライナ侵攻はさまざまな問題を生み出したが、欧州(欧米)の一体性、地域協力の重要性というものも顕著に示した。

◆大国間対立によって分断が進む北東アジア
 今日、米中対立の最前線と言えば間違いなく北東アジアになるわけだが、この地域には地域の一体性を確保するための政治的枠組みが存在しない。以前、北朝鮮の核開発問題を話し合う6ヶ国協議という、日本、韓国、北朝鮮、アメリカ、中国、ロシアが参加する政治的枠組みがあった。6ヶ国協議には、地域の問題を関連諸国が話し合って解決を目指すという地域協力が少なからず見えた。

 しかし、今日ほど6ヶ国協議が非現実的と言える時はないだろう。米中は台湾問題を筆頭にあらゆる問題で対立し、ロシアは侵略国家としてのイメージが先行し、北朝鮮は孤独政策を貫く。中国とロシアは結束を強化し、北朝鮮はそれに便乗して両国に接近しているが、3国間同盟などを作ろうとする動きはなく、それは利益の一致のみで動いている。

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 今日、日本にとって朗報なのは韓国の尹(ユン)大統領の誕生だろうが、グローバルコリアを目指す尹政権の任期はあと4年であり、次期大統領の5年間で日韓関係が再び冷え込む可能性も十分にある。これが日本にとっての「韓国リスク」になるわけだが、北東アジアは6ヶ国協議の時に比べ多極化へ変貌しつつある。こういった事情を考慮すれば、今日北東アジアは世界で最も分断が進んだ地域と言え、欧州とはまさに対極にある。

 
   

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