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韓国の巨匠イ・チャンドン全6作&新作ドキュメンタリーで編成された特集上映の開催が決定

MOVIE WALKER PRESS

韓国を代表する巨匠イ・チャンドン監督作全6作品、そしてフランスのドキュメンタリー映画監督アラン・マザールとともに製作したチャンドン自らが過去作を振り返る新作ドキュメンタリー『イ・チャンドン アイロニーの芸術』で編成された特集上映「イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K」が8月25日(金)より開催される。今回、本上映のWEB限定ティザーポスターが解禁となった。

今回公開が決定した新作ドキュメンタリーは、チャンドン作品に魅了されたフランス人ドキュメンタリー映画監督の発案でスタートしたプロジェクト。コロナ禍の困難を逆手に取る形で、当初被写体であったはずのチャンドン監督が、自身の制作会社パインハウス・フィルム全面協力のもと水先案内人として本作に深く携わっている。43歳にして小説家から映画監督に転身するという異色のキャリアが、かつてないほど率直なチャンドン本人の述懐、ゆかりの地に再び自ら足を運ぶ“聖地巡礼”とともに振り返られていく。これまでのフィルモグラフィーを彩ってきたソル・ギョング、ソン・ガンホ、チョン・ドヨン、ムン・ソリ、ユ・アインら俳優陣も登場し撮影当時を振り返った。これまで語られることのなかったチャンドン監督の芸術に対する思い、揺れる時代に向きあい芽生えたアイデンティティ、創作の原点が明らかになっていく。

4Kレストアでの初の本格的レトロスペクティヴの上映プログラムは、初期の傑作『ペパーミント・キャンディー』(99)に加え、第71回カンヌ国際映画祭、国際批評家連盟賞受賞の『バーニング 劇場版』(18)、第63回カンヌ国際映画祭脚本賞受賞の『ポエトリー アグネスの詩』(10)をはじめ、『シークレット・サンシャイン』(07)、『オアシス』(02)、そして長編デビュー作『グリーンフィッシュ』(97)と全6作品が上映される。全ての作品のレストア作業を、韓国にてチャンドン監督自らが担当。修復の様子は、ドキュメンタリー『イ・チャンドン アイロニーの芸術』でも垣間見る事ができる。

チャンドン監督は今回のレストア作業について「映画を保存するため、過去の映画と新たな観客と出会い結び付けるためにも、必須だと思います。当時の映像の雰囲気や印象、そして感情を味わえるように努めてアップグレードしましたので、そこに注目して観てもらえたらと思います」とコメント。また、日本での初のレトロスペクティヴ上映の開催決定に際しては「私はいつも韓国のほか日本、欧米など遠くにいて違う文化圏にいる観客であっても、人間であれば、根本的に共有や理解、意思の疎通ができると思っています。今回のレトロスペクティヴを通して、私たち人間について、人生について、皆さんと分かち合えればと思います」と語った。

また、今回のレトロスペクティヴ開催に先立ち、チャンドンが1992年に発表した小説集「鹿川(ノクチョン)は糞に塗(まみ)れて」の邦訳版が、アストラハウスより7月28日(金)に発売される。本書に収録される表題作と中篇「星あかり」については、ドキュメンタリー本編で、著者自らが舞台となった土地を案内しながら執筆当時を語るシーンも。映像だけでなく、文学としてもチャンドン作品を楽しむことができる機会となっている。

チャンドン監督の映像世界を存分に味わうことのできる今回のレトロスペクティヴ。海外映画祭の監督特集や企画展などを除けば、この日本でのイベントが一般上映としては世界初となる。またとないこの貴重な機会となるので、ドキュメンタリー『イ・チャンドン アイロニーの芸術』とともに、ぜひ劇場のスクリーンで堪能してほしい。

■<監督コメント>

●イ・チャンドン(監督)

――レストア作業について

「映画を保存するため、過去の映画と新たな観客と出会い結び付けるためにも、必須だと思います。元々のクオリティを維持するための綿密な作業には時間と費用を要し、その映画に関わった監督やスタッフが作業に携われない場合もありますが、幸いなことに、私は今回その機会を得ることができました。当時の映像の雰囲気や印象、そして感情を味わえることに努めてアップグレードしましたので、そこに注目して観てもらえたらと思います」

――今回の日本での上映について

「とても嬉しく、大きな期待を寄せています。私はいつも韓国のほか日本、欧米など遠くにいて違う文化圏にいる観客であっても、人間であれば、根本的に共有や理解、意思の疎通ができると思っています。今回のレトロスペクティヴを通して、私たち人間について、人生について、皆さんと分かち合えればと思います。新しい日本の観客の皆さんとお会い出来ることを楽しみにしています」

文/鈴木レイヤ
 
   

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