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監督作全6作品の4Kレストア版に新作ドキュメンタリーも イ・チャンドンの特集上映開催へ

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『イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K』

 韓国の映画監督イ・チャンドンの特集上映『イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K』が、8月25日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国順次公開されることが決定した。

参考:イ・チャンドンは村上春樹作品をどう改変した? 『バーニング』が捉えた現代韓国の若者たちの感覚

 今回の特集上映では、『シークレット・サンシャイン』『バーニング 劇場版』などイ・チャンドン監督が手がけた全6作、そしてフランスのドキュメンタリー映画監督アラン・マザールと共に製作した、イ・チャンドン監督自らが過去作を振り返り、創作活動の原点とその歩みを見つめる新作ドキュメンタリー『イ・チャンドン アイロニーの芸術』も日本初公開される。

 『イ・チャンドン アイロニーの芸術』は、イ・チャンドン作品に魅了されたマザール監督の発案でスタートしたプロジェクト。コロナ禍での困難を逆手に取る形で、当初被写体であったはずのイ・チャンドン監督が、彼の制作会社パインハウス・フィルム全面協力のもと水先案内人として深く携わった。43歳にして小説家から映画監督に転身したイ・チャンドンの異色のキャリアを、かつてないほど率直なイ・チャンドン本人が述懐、ゆかりの地にふたたび自ら足を運ぶ“聖地巡礼”だ。これまでのフィルモグラフィーを彩ってきたソル・ギョング、ソン・ガンホ、チョン・ドヨン、ムン・ソリ、ユ・アインらも次々と登場し、撮影当時を振り返る。イ・チャンドンの、自身のこれまで語られることのなかった芸術に対する思い、揺れる時代に向き合い芽生えたアイデンティティ、創作の原点に迫る。

 イ・チャンドン初の本格的なレトロスペクティヴの上映プログラムは、初期作『ペパーミント・キャンディー』に加え、第71回カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞受賞作『バーニング 劇場版』、第63回カンヌ国際映画祭脚本賞受賞作『ポエトリー アグネスの詩』、第60回カンヌ国際映画祭主演女優賞をチョン・ドヨンにもたらした『シークレット・サンシャイン』、第59回ヴェネチア国際映画祭最優秀監督賞ほか数々の賞に輝いた『オアシス』、そして長編デビュー作『グリーンフィッシュ』(1997年)が新たに4Kで蘇る。

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 これらはすべて、韓国にてイ・チャンドン監督自らがレストア作業を担当した。修復の様子は『イ・チャンドン アイロニーの芸術』でも垣間見ることができる。日本での初のレトロスペクティヴ上映の開催決定に際し、イ・チャンドン監督からは「(レストア作業は)映画を保存するため、過去の映画と新たな観客と出会い結び付けるためにも、必須だと思います。元々のクオリティを維持するための綿密な作業には時間と費用を要し、その映画に関わった監督やスタッフが作業に携われない場合もありますが、幸いなことに、私は今回その機会を得ることができました。当時の映像の雰囲気や印象、そして感情を味わえることに努めてアップグレードしましたので、そこに注目して観てもらえたらと思います。(今回の日本での上映について)とても嬉しく、大きな期待を寄せています。私はいつも韓国のほか日本、欧米など遠くにいて違う文化圏にいる観客であっても、人間であれば、根本的に共有や理解、意思の疎通ができると思っています。今回のレトロスペクティヴを通して、私たち人間について、人生について、皆さんと分かち合えればと思います。新しい日本の観客の皆さんとお会い出来ることを楽しみにしています」とコメントが寄せられた。今回のレトロスペクティヴは、海外映画祭の監督特集や企画展などを除けば、この日本でのイベントが一般上映としては世界初となる。

 さらに今回のレトロスペクティヴ開催に先立ち、イ・チャンドンが1992年に発表した小説集『鹿川は糞に塗れて』の邦訳版がアストラハウスより7月28日に発売される。本書に収録される表題作と中篇『星あかり』については、ドキュメンタリー『イ・チャンドン アイロニーの芸術』本編で、著者自らが舞台となった土地を案内しながら執筆当時を語るシーンもある。
(文=リアルサウンド編集部)

 
   

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