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山田安奈・永瀬正敏らが話す岩手県の遠野弁 リアリティのため事前に徹底準備 「山女」本編映像

映画スクエア

 6月30日より劇場公開される、第35回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品された、山田杏奈主演、「アイヌモシリ」などの福永壮志監督の映画「山女」から、本編映像の一部が公開された。

 公開されたのは、凛(山田杏奈)と弟の庄吉(込江大牙)が、父親の伊兵衛(永瀬正敏)が寝静まった夜、いろりのわずかな火を頼りに草鞋(わらじ)を編む日常を捉えた本編映像。先代の罪を背負い、卑しい身分におとしめられている凛の一家は、間引きされる赤ん坊を川に捨てる役目や死体の埋葬の仕事を引き受け、家では草鞋編みの内職を行い、せめてもの食いぶちを稼いでいる。

 家の前に落ちてきた雀のヒナを埋めたと語る庄吉が「その時思ったった、こいづはこれで終わりなんだべかどて。早池峰山さ行がねぇのがな?」と問いかけると、「あそごさ行くのは人間の魂だけだ」と答える凛。庄吉が「人間なら、みんな行けるのが?」と尋ねると、「罪人も善人も、貧乏人も金持ちもみんなだ。早池峰の女神様は誰だって迎えでくれんだもの」と凛は話す。穏やかな表情を浮かべながら話す凛の姿から、彼女がどんな理不尽な逆境の中でも早池峰山を心のより所として、ひたむきに一家を支えてきたことが描き出されている。

 穏やかな時間も束の間、悪夢にうなされた伊兵衛が叫びながら飛び起きる。手を止めて様子をうかがう凛たちを伊兵衛が見ると、「薪いもったいねえ…はえぐ寝ろ」と言い放ち、再び横になるところで映像は終わる。

 これらのセリフはすべて、本作の舞台である早池峰山を有する岩手県遠野市の方言である遠野弁で語られている。福永壮志監督は「遠野弁の方言のセリフを方言の先生に発音してもらったものを録音して、俳優の皆さんと共有して、撮影前にしっかり準備してもらいました」「やはり昔の話なので、どうしてもフィクション色は強くなるんです。それでもできるだけリアリティを持たせたくて、昔話されていた言葉により近い方言を生かすことで、少しでも現代との差を埋めようとしました」と、遠野弁へのこだわりについて明かしている。

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 主演の山田杏奈も「遠野弁のセリフを話すことで、あの時代のあの世界に生きている子だという自覚も芽生えました」と語っている。

 「山女」は、凛の生きざまを通して、人間のもろさと自然への畏敬の念、そして現代にも通じる貧困や差別など社会問題を映し出した作品。柳田國男の「遠野物語」から着想を得たオリジナルストーリーで、「リベリアの白い血」「アイヌモシリ」で民族やルーツにフォーカスを当ててきた福永壮志が監督・脚本を務めた。共同脚本に、NHK連続テレビ小説「らんまん」の長田育恵が名を連ねる。主人公の凛を演じるのは、「ひらいて」「彼女が好きなものは」などの山田杏奈。伝説の存在として村人たちから恐れられる“山男”を森山未來が、生活に苦悩する凛の父親・伊兵衛を永瀬正敏が演じる。

【作品情報】
山女
2023年6月30日(金)ユーロスペース、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
配給:アニモプロデュース
©YAMAONNA FILM COMMITTEE

 
   

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