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マンUはなぜホームで強いのか? 29戦負けなしを実現したテン・ハフ監督の戦略【分析コラム】

フットボールチャンネル

●テン・ハフ監督政権1年目は3位で閉幕

 プレミアリーグ第38節、マンチェスター・ユナイテッド対フラムが現地時間28日にオールド・トラッフォードで行われ、マンUが2-1で勝利した。最終節を勝利で飾り、3位で2022/23シーズンのリーグ戦をフィニッシュしたマンUは、今季ホームで強さを発揮した。その要因とは。(文:井上泰輔)

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【動画】マンチェスター・ユナイテッド対フラム ハイライト

 前節のチェルシー戦で来季のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場を確定させたエリック・テン・ハフ監督率いるマンUは、最終節も逆転勝利で勝ち点をさらに積み上げた。最終的な今季の成績は、23勝6分9敗で勝ち点75。得失点差は+15(得点58、失点43)とやや物足りなかったが、優勝争いを演じたマンチェスター・シティとアーセナルに次ぐ順位でフィニッシュした。

 テン・ハフ監督の1年目を振り返ると、まず開幕2連敗という波乱のスタートが想起される。プレシーズンマッチから取り組んできたポゼッションスタイルは機能せず、ブレントフォードには0-4の大敗を喫した。しかし、第3節のリバプール戦ではその戦い方に早々と見切りをつけて勝利し、テン・ハフ監督は内容の追求よりも結果を最優先する方向へと舵を切った。そして今季は最後までその方針を貫き、CL圏内のリーグ3位、カラバオカップ優勝、FA杯決勝進出という成果をここまで残している。

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 そんなマンUの今季の強みはホームでの強さにある。リーグ戦はホームゲーム19試合で15勝3分1敗。つまり、開幕戦のブライトン戦で敗れて以来、ホームでは負けていないということになる。さらに全てのコンペティションで考えると、9月に行われたUEFAヨーロッパリーグのレアル・ソシエダ戦以来、現在29試合連続で無敗を継続しており、オールド・トラッフォードは難攻不落の要塞と化している。このホームでの強さの要因はどこにあるのだろうか。

●なぜ強固な守備を築くことができたのか

 まず最も大きな要因となっているのが、強固な守備だ。

 総失点数は43でリーグ3番目に少なかったマンUは、今季のプレミアリーグで最も多い17の無失点試合を記録している。ホームゲームに限って言えば19試合で失点はわずかに10。そのうち11試合が無失点試合となっており、本拠地での失点の少なさが非常に際立つデータが出ている。

 ホームで失点が少ないのには、テン・ハフ監督が試合ごとに施す守備構築と、よりアグレッシブになれるホーム特有の精神的アドバンテージが影響しているだろう。それは今日の試合も同様だった。

 前線からのハイプレスでは、マーカス・ラッシュフォードとブルーノ・フェルナンデスが2トップ気味になって両ウイングとともに相手の4バックに圧力をかけ、ロングボールを蹴らせる。そして、前線のターゲットであるアレクサンダー・ミトロヴィッチに対しては先発起用のハリー・マグワイアがフィジカルを生かして徹底的に対応していた。

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