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「スキルヴィングは素敵な馬」天に召された“相棒”へ、ルメール騎手が哀悼の意。悼む声止まず「悲しすぎる」【日本ダービー】

THE DIGEST

 2020年生まれのサラブレッド7708頭のなかから、精鋭18頭が駒を進めた一生に一度の晴れ舞台で悲劇が起きた。

 5月28日、東京競馬場で競馬の祭典「日本ダービー(GⅠ)」が行なわれた。結果は4番人気のタスティエーラ(牡3歳/美浦・堀宣行厩舎)が中団から抜け出し、世代の頂点に立った。無敗の二冠が期待されたソールオリエンス(牡3歳/美浦・手塚貴久厩舎)は2着、ハナ差の僅差でハーツコンチェルト(牡3歳/美浦・武井亮厩舎)が3着に入った。

 フィニッシュ後は大歓声に包まれたが、のちに悲鳴が起きた。2番人気に支持されたスキルヴィング(牡3歳/美浦・木村哲也厩舎)に、まさかのアクシデントが発生。直線ではまったく反応せず、17着で入線した。

 ゴール後、同馬はフラフラと歩いたが、手綱を取ったクリストフ・ルメール騎手がスタンド前で下馬した。すると直後、そのまま内ラチ沿いへ倒れ込んだ。鞍上が心配そうに顔をなでていたが微動だにしない。観客も異変に気付き、心配する声が漏れた。

 そのまま動かないスキルヴィングは、すぐさま馬運車で運ばれたが、競走中に「急性心不全」を発症したため、死んだことがJRAから発表された。
  レース後、デビューから5戦すべてコンビを組んだルメール騎手は公式インスタグラムを更新。発走直前の写真を添え、「今日、Skilfingを失ったことは残念です。素敵な馬で、みんなに惜しまれるでしょう」と日本語と英語でそれぞれ綴り、哀悼の意を示した。他にも中央と地方で通算4464勝の元ジョッキーで、”アンカツ”の愛称で親しまれる安藤勝己氏もツイッターに「ご冥福をお祈りします」と追悼した。

 SNS上では、天に召されたスキルヴィングを悼む声が止まなかった。「悲しすぎる」「言葉にならない」「相当苦しかったはずなのにゴールするまで、よく頑張ったね」「ルメールを安全に降ろしてから倒れた…優しい馬だな」など、ダービーと同条件の青葉賞(GⅡ)を制し、ファンの期待を一身に背負いトップを目指した黒鹿毛馬を惜しんだ。

 今年90回目を迎えたすべてのホースマンが憧れる舞台は、思わぬ形で幕を閉じた。

構成●THE DIGEST編集部

【画像】「素敵な馬だ」ルメール騎手がスキルヴィングに哀悼の意

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