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A24のR15+ホラー『Pearl パール』は、“ディズニー映画”を参考に?監督が明かした舞台裏

MOVIE WALKER PRESS

『ミッドサマー』のA24が贈る、最新ホラー映画『Pearl パール』が7月7日(金)より公開となる。殺人鬼夫婦がもたらす恐怖を描きだした『X エックス』(22)の前日譚として、最高齢のシリアルキラー、パールの若かりし頃を描く本作は、名匠マーティン・スコセッシ監督も「我々をもてあそぶ傑作」と太鼓判を押す話題作。このたび、監督を務めたタイ・ウエストがこだわりを見せたテクニカラーやストーリーの見どころについて明かした。

スクリーンのなかで踊る華やかなスターに憧れるパールは、⼈⾥離れた農場に暮らす少女。しかし、病気の⽗親の世話と家畜たちの餌やりという繰り返しの⽇々に鬱屈としていた。そんななか、地⽅を巡回するショーのオーディションがあることを聞きつけ参加を熱望するが、厳格な⺟親に「お前は⼀⽣農場から出られない」といさめられてしまう。やがて抑圧されてきたパールの狂気は暴発し、⽐類なき無邪気さと残酷さをあわせもつシリアルキラーへと変貌していく。

ウェスト監督は本作で、「映画の内容とは対照的なストーリー、”困難な時代を⽣き抜く若い⼥性の成⻑物語”を語りたかった」と⾔う。「僕は当初、頭の中にこんなイメージを浮かべていました。(イングマール・)ベルイマンの映画かなにかから出てきたような厳格なドイツ⼈の⺟親が薪を割るというイメージです。それもすばらしい映画なのですが、物語が進むにつれて、主⼈公にとっての厳しい世界を描くことを、昔のディズニー映画のように表現できればおもしろいかも?と思い始めました」。

本作は古典的なファンタジー映画のようなテクニカラーも見所の一つだが、その採用理由はなんだったのだろう。ウエスト監督は、「テクニカラーを使った映画は『オズの魔法使』が⼀番有名です」と語る。本作には視覚的効果だけではなく、『オズの魔法使』へのオマージュに満ちているのだという。「観客に、⼦どもたちでも観られる映画、例えば『オズの魔法使』かと思って観ていると、想像とまったく違う⽅向に進んでいくような映画にしたかったんです」。

さらに、「この作品は、農場での苦労と逃げだしたい想いを描いたファンタジーであり想像⼒に満ちた映画です。『X エックス』の脚本を書いた時と同じように、『Pearl パール』の脚本を書いた時、⾃分が多⼤な影響を受けた傑作ホラー映画が頭のどこかにありました。でも、この2つの作品は、結局まったく異なる映画になりました。観る前から、きっとこういう映画に違いないと思っている観客に、“本当にそうかな?”って問いかけるのは楽しいですよね」と、前日譚映画だとしても、観客の意表を突くような異色作に昇華することへは余念がない。

またウェスト監督は、⼀度も道を踏み外さない清廉潔⽩な主⼈公が登場するディズニーの実写映画も参考にしたと明かす。「それらの物語には、清らかさと驚きがあります。主⼈公は楽観的で、不可能なんかないという要素が『メリー・ポピンズ』では魔法として表現されていました」と話す。

「そして、もちろんファンタジーの要素があります。こういう映画ではひどいことは絶対に起こらないんです。なぜならそぐわないですからね。『Pearl パール』は、いままでに⾒たことがないなにかをやるチャンスでした。ディズニー的な美学をもっとダークで、現実的な物語にする。典型的なディズニー作品に登場するキャラクターたちに、もっとリアルで、むしろ⾮現実的な課題を与えたかったんです」と語り、結果、本作は『オズの魔法使』のようでもあり、ホラー映画の巨匠、トビー・フーパー監督のホラー映画作品のようにも感じることができることができる作品になったと⾔及している。

ウエスト監督が仕掛ける、鮮やかで狂気の物語。シリアルキラー”パール”の姿を見れば、あなたも彼女の虜になってしまうかも?7月の公開が待ちきれない!

文/編集部
 
   

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