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『正義の天秤』が描く“人は変わることができる”というテーマ 鷹野にも変化のときが

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『正義の天秤』写真提供=NHK

 『正義の天秤 Season2』(NHK総合)が6月3日放送の第5話で最終回を迎える。今回の新シーズンに一貫しているのは、「ルーム1」のメンバー一人ひとりが自身の過去と向き合っていくこと。第4話では、梅津(佐戸井けん太)が刑事時代に担当した事件と関連のある弁護、さらに中学の時に家出をした一人娘・亜矢子(星野真里)との再会を果たす。

参考:『正義の天秤』北山宏光が見せたSeason1からの杉村の成長 大原櫻子との気になる恋模様も 

 この第4話は、脇を固めるゲスト陣とで連帯して物語全体を盛り上げているのが印象的な回であった。20年前の冤罪によって人生をめちゃくちゃにされた衛藤杏莉(酒井若菜)が梅津に向けた恨みの目線、法廷に立つ容疑者・日野勝次(泉谷しげる)が涙ながらに読み上げる「メッセージカード」と衛藤への心からの謝罪、軒先に雨宿りにやってくる孫の小原結愛(平澤宏々路)と父に会いにやって来る亜矢子。だが、その真ん中にいるのは梅津であり、胃がんの症状から身体が蝕まれている中でも、彼は法廷で自分の正義を貫いていく。

 全ての罪を被ろうとする日野に梅津が主張するのは、衛藤への謝罪。それが彼女の心を救うことになる。「運命なんていう言葉でごまかさず、自分の意思でちゃんを謝罪してください。そうしないと一生後悔します」。梅津は真っ直ぐな目で日野を説得していくが、それは自分自身に対しても投げかけていた言葉でもあった。

 クスリに手を染めたと勘違いをして、娘を信じてあげられなかった梅津。そういう自分を変えたくて刑事を辞め、彼は弁護士になった。中学生だった娘が母となり、自分の目の前に現れる。信じられないという気持ちが先行しながらも、徐々に溢れ出していった先の「すまなかった……!」は、梅津自身の心からの謝罪だ。そして、第4話でもう一つテーマとなっているのが「人は変わることができる」ということ。それは謝罪というのもあるが、拒んでいた手術を受け入れる、身体ごとアップデートすることを決めた梅津の考え方の変化。彼の体調を誰よりも心配していた鷹野(亀梨和也)にとって嬉しい変化である。

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 鷹野もまた変わる、いや、変わらなければいけないときが来ようとしていた。パニックを起こしてしまう恋人の久美子(大島優子)から、物理的な距離を作っている鷹野。回復には2つの考え方があるとして、「つらい記憶と上手に付き合いながら、暮らせるようになること」「つらい記憶を忘れて、新しい人生を始めること」を静子(山口智子)に提唱する。久美子の幸せを優先的に考えれば、過去を消し去ることも鷹野は覚悟をしていた。その決断こそが前に進むための手段なのだと。そして芽依(奈緒)もまたずっと塞がれていた過去の扉を開こうとしていた。

(文=渡辺彰浩)

 
   

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