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日本車、マッスルカー、4億円超のスーパーカーまで!車でたどる「ワイルド・スピード」シリーズの変遷

MOVIE WALKER PRESS

シリーズ10作目(スピンオフを含めると11作目)となる『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』が公開され、大ヒットを記録している。危機に立ち向かうファミリーの絆をド派手なアクションと共に描くこのシリーズで、作品を彩ってきた“もう一つの主役”が車だ。

変容していくシリーズのなかで、単なる乗り物として以上の意味が与えられ、そのラインナップにも変化が見られてきた車を軸に、「ワイルド・スピード」シリーズの変遷を追っていきたい。

■ストリートレース文化を踏襲した初期作での日本車の活躍

記念すべきシリーズ第1作『ワイルド・スピード』(01)をはじめ、初期作で大きな存在感を放っていたのが、ブライアン(ポール・ウォーカー)が運転していた三菱・エクリプス、トヨタ・スープラといった日本車の数々だ。

いまとなっては世界を股にかけた超大スケールの物語が展開する「ワイスピ」シリーズだが、初期はロサンゼルスを舞台に、ストリートレースに興ずる若者たちの姿を描くものだった。当時、ストリートレース界隈では、非白人の若者が手に入れやすい日本メーカーの安価なスポーツコンパクト車が流行しており、そのカルチャーを踏襲した「ワイルド・スピード」にも多くの日本車が登場した。

2作目『ワイルド・スピードX2』(03)では三菱・ランサーエボリューションVIIや日産・スカイラインGT-Rといった日本車が活躍。一方、悪役となる麻薬王のボス、ベローン(コール・ハウザー)はポルシェ・911やフェラーリ・360モデナといった高級車を所有しており、車にもキャラクターの個性がしっかりと反映されていた。

さらに舞台を日本に移した『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』(06)ではハン(サン・カン)の愛車マツダ・RX-7をはじめ、日本車が多数登場し、渋谷の街をドリフトで爆走。ちなみに、RX-7を筆頭に初期3作品の日本車の多くを日本のチューニングショップ、ヴェイルサイドが手掛けており、今後の作品でも日産・フェアレディZをカスタムしたものがハンの愛車として登場するようだ。

アジア系のハンや、自身も日本車愛好家として知られるポール・ウォーカー演じるブライアンが走らせることが多かった日本車。しかし、シリーズの大スケール化やポールの死によるブライアンのシリーズ引退によって、作品を重ねるごとに影が薄くなっているのも事実だ。

■シリーズの在り方やドミニクの人柄を象徴するマッスルカー

その一方でシーズンを通して絶大な存在感を発揮しているのがアメ車、とりわけマッスルカーだ。アメ車のなかでもおもに1960年代後半〜70年代に作られたハイパフォーマンスなスポーツカーで、「デカくてパワフルで速い」というマッチョなマッスルカーは「細かいことはどうでもいい!」というシリーズのダイナミックな魅力を体現している。

作品のラストのおいしいところを豪快にかっさらうのもいつもアメ車で、多くの日本車が活躍した『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』でさえ、ラストはショーン(ルーカス・ブラック)の父親が拾ってきたフォード・マスタングを直し、ライバルを打ち負かすというものだった。

シリーズを通してアメ車を転がしているのはもちろん主人公のドミニク(ヴィン・ディーゼル)。ボンネットからせり出したスーパーチャージャーがインパクト抜群な、V8エンジン搭載のダッジ・チャージャーの1970年式を筆頭に、シボレー・シェベル、プリムス・バラクーダなど多くのマッスルカーで爆走。時にはダッジ・チャージャー・デイトナの1969年式という激レア車に乗るも、レティ(ミシェル・ロドリゲス)を救うため容赦なく大破させていた。

マッスルカー文化である古きよきものをメンテナンスしながら大切に乗り続ける姿勢こそ、ファミリーの絆など人情を重んじるドミニクのキャラクターを象徴しているのだ。

■高級車、国際色も豊かに…シリーズを重ねるごとにラインナップが多彩化!

スケールアップに伴い、車種のラインナップも豊富になっていった「ワイスピ」シリーズ。製作費がグッと上がったことで多くなったのが、億超えも当たり前のスーパーカーたちだ。

これまでの車のなかで最も高価だったのが、販売価格が日本円で4億円超えと言われた『ワイルド・スピード SKY MISSION』(15)のWモーターズ・ライカン ハイパースポーツ。この超高級車はヨルダン王子の所有車としてアブダビの高層ビルの一室に飾られていたが、ドミニクとブライアンによって別の高層ビルへと大ジャンプするというシリーズ屈指のトンデモアクションを繰り広げる、値段にふさわしい(?)大活躍を見せた。またこの作品では、ファミリーがアブダビへと乗り込むシーンで2億円は下らないとされるブガッティ・ヴェイロンをローマン(タイリース・ギブソン)が運転するなど、高級車が大量に導入されていた。

ド派手路線となった『ワイルド・スピード MEGA MAX』(11)では、クライマックスにローマンとテズ(クリス・“リュダクリス”・ブリッジス)がゲットする車として、世界に4台しかなく3億円ははるかに超えるケーニグセグ・CCX-Rといった車も登場。さらに『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(19)でも、パーティシーンでランボルギーニ・アヴェンタドールなどのスーパーカーがカメオ的に多数登場しており、貴重なスーパーカーのデパート状態となっている。

またスケールアップに伴い、舞台やファミリーが国際色豊かになったことで、ラインナップにもその土地の特色が色濃く反映。例えば、キューバから物語の幕が開ける『ワイルド・スピード ICE BREAK』(17)では、旧車天国キューバならではの1950年代アメ車によるストリートレースが展開された。

宿敵として登場するも、いまではすっかりファミリーの一員となったイギリス人のデッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)は、『SKY MISSION』でのアストンマーティン・DB9やスピンオフ『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』(19)でのマクラーレン・720Sなど英国の名車を愛するというお国柄が発揮されていた。

■最新作ではシリーズ初の電気自動車が登場!

作品を重ねるごとに車のラインナップが多彩になってきたが、最新作ではついに、ダッジ・チャージャー デイトナ SRTやデロリアン・アルファ5といった電気自動車もシリーズで初めて登場。ローマが舞台ということで、ハンが乗るアルファロメオ・2000GTVやシトロエン・C4といったイタリアの大衆メーカーの車も多数登場した。

また、ストリートレースではドミニクが一途に愛し続けるダッジ・チャージャーの1970年式で新たな敵、ダンテ(ジェイソン・モモア)を迎え討つなど、おなじみの車もしっかりと活躍。ドミニクの弟ジェイコブ(ジョン・シナ)が乗る改造された砲台付きのシボレー・エルカミーノなどが大暴れしており、シリーズ最終章に相応しく、バリエーション豊かなライナップのなかで、アメ車がいっそうの存在感を放っている。

その一方、目立った日本車はダットサン・240Zくらいで、今作でもどこか影が薄かった印象。しかし、右ハンドル車の輸入が許される「25年ルール」によって、それこそ1作目で活躍したような90年代のスポーツカーが再びアメリカでブームとなっているだけに、原点回帰を謳う本作の後編『Fast X Part 2(原題)』では活躍する姿が再び見られるかもしれない。

文/サンクレイオ翼
 
   

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