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【日本ダービー】皐月賞は出遅れて不完全燃焼だったトップナイフに期待

SPAIA

Cコース初週で内枠がやや有利

日本ダービーはCコース替わりと気温の上昇も重なり、芝と路盤のコンディションは良好。良馬場なら超絶高速馬場で行われることが大半だ。ここ2年は競馬開催日に雨が降ることが多く、今年も先週時点までは外から差してきた馬が活躍していた。しかし、今年のオークスは3~4角で最短距離を立ち回って4角出口で外、そこから中目に進路を取ったリバティアイランドがぶっち切ったように、中目が伸びていた。Cコース替わりで先週中目だったところが内にかわり、今年はやや内有利が予想される。

過去10年の日本ダービーは1~4番枠の馬が4勝2着3回3着4回、対して15~18番枠の馬は1勝2着1回3着1回と内枠の好走率が高く、もともと内が有利の舞台。近2年のような外差し馬場でペースが速くならないと、昨年のドウデュースのように終始外々を回って差し切るのは簡単ではない。それを踏まえて予想を組み立てたい。

能力値1~5位の紹介


【能力値1位 ソールオリエンス】
今年の皐月賞馬。皐月賞は外差し馬場だったなかで1番枠。同レースは好スタートを切ったが、そこからコントロールして最後方付近まで位置を下げ、外へ誘導。道中も最後方に近い位置で外目を追走しながら3角手前で外から進出。そのまま追い出されたがそこまで上がって行けず。スピードが乗ったのが4角だったため、大きく外に振られるロスが生じた。しかし、直線ではしぶとく伸びて中団まで上がり、ラスト1Fでグンと伸びて並ぶ間もなく早めに抜け出したタスティエーラを捉え、1馬身1/4差で完勝した。

本馬は皐月賞を勝って3戦3勝。東京芝1800mの新馬戦は5番枠からやや出遅れて内の馬と接触したが、そこから二の脚で挽回し、2角では好位の外を追走。本馬は内にいた2番人気レーベンスティールを終始内に閉じ込めるような動きを見せ、最後の直線では同馬は外に出せなくなり、前が壁となった。

本馬の作戦勝ちかに見えたが、レーベンスティールは中目馬群の狭い間を割って抜け出すガッツを見せ、そこから2頭のマッチレース。激しい叩き合いの中で後続は大きく離された。最後はわずかに外の本馬がクビ差ほど前に出てゴール。結果は上位2頭で3着馬に5馬身以上の差をつけた。

驚いたのはラスト2Fのラップタイムの11秒0-11秒0。東京芝の中距離新馬戦でついに出てしまったかという数字である。いくら前半5Fが65秒0の超絶スローペースだったとしても、ラスト1Fで減速せずに11秒0は超優秀な数字であることは間違いない。2着のレーベンスティールも先々週の1勝クラスを今年の皐月賞なら3着レベルの指数で勝利している。

本馬の前走は9R時にまとまって降った雨の影響でかなり馬場が悪化したことや、「ハナ宣言」をしていたグラニットがオーバーペースの逃げを打ったことで展開に恵まれたことは間違いない。しかし、新馬戦で記録したラストの数字から歴史的な名馬になっても不思議はない。無敗の三冠馬コントレイルのように、無敗でダービーを制するのはかなり難しい。また、皐月賞を道悪で展開に恵まれた優勝となると、強いダメージが残る可能性もある。コントレイルのダービー時と比較した場合は臨戦過程では劣勢だ。しかし、新馬戦を見て「ダービー馬が誕生した」と感じたのは間違いない。

【能力値2位 スキルヴィング】
青葉賞の勝ち馬。前走は11番枠からやや出遅れた後、少し内にモタれていたが、そこから立て直しながら中団の外を追走。向正面で隊列がやや横に広がったため、意識的に一列下げて中団のやや後方を追走した。3~4角で前がペースを引き上げ、外々からそれについて行く形。直線序盤ではヒシタイカンの後ろにいたが、同馬の手応えが怪しくなり、ラスト2Fで外に誘導。4列目付近から一気に伸びて先頭列に並び、そこから内のハーツコンチェルトと叩き合いになったが、それを1/2差で制した。

前走は3~4角でペースが上がり、4角~直線序盤のラスト3F目が最速地点となったなか、2着馬のひとつ外、全体としてはかなり外々から優勝した内容は評価できる。本馬は新馬戦こそ2着に敗れたが、これは完成度の低さによるものが大きい。本馬のもっさりとした出遅れは毎度のことだが、新馬戦は意識的にかなり押されても進みが悪く、後方2列目外から向正面で中団まで押し上げ、終始外々を回るロスのある競馬でヒシタイカンにクビ差敗れた。

しかし、その次走の未勝利戦をラスト2F11秒7-11秒2の強烈な末脚で勝利すると、その後、ゆりかもめ賞、青葉賞を連勝しているように東京芝2400mは問題ない。ただ、本馬はこれまでの4戦全て出遅れており、今回2番枠となると後手後手に回る危険性はある。

ヴィクトリアマイルのスターズオンアース(2番枠で本馬と同じルメール騎手騎乗)みたいに、これまでにないほどの好スタートを決め、内々を立ち回り、最後の直線で馬群を上手く捌ければいいが、その保証はない。またスターズオンアースは内のロータスランドが逃げてくれたことでレースの流れに乗りやすかった面がある。さらに本馬は休養明けの前走で、ハーツコンチェルトとの叩き合いからこれまでにない指数を記録した後の一戦となる。今回は疲れも気になるところだ。

【能力値3位 タスティエーラ】
皐月賞の2着馬。皐月賞は14番枠から五分のスタートを切り、そこからコントロールされていたが、やや掛かり気味に好位直後の外を追走し、ダノンタッチダウンの後ろでレースを進めた。皐月賞は9R時にまとまって降った雨の影響で、8R前よりも馬場が悪化。不良馬場に近い状態で前後半5F58秒5- 62秒1の超絶ハイペースだった。

3角では前にいたダノンタッチダウンが仕掛けようとするも、超絶ハイペースの影響で動けなくなっていたので、その外から仕掛けてすっと好位外まで上がった。4角でそのまま馬場の良い外々を走りながら2列目で直線へ。序盤ですっと伸びて先頭に立ちラスト1Fでも粘っていたが、外から一気にソールオリエンスに差し切られ、1馬身1/4差で2着に敗れた。

皐月賞で逃げ、先行した6頭全てが10着以下に敗れていることや、本馬より一列前にいた18着ダノンタッチダウンが次走のNHKマイルCで4着に巻き返していることから、明確に前が厳しい流れだった。そんな中で2着に粘ったことは評価できる。皐月賞と同じ中山芝2000mの弥生賞でも勝ちにいく競馬で後続を捻じ伏せる好内容だったことからも、スタミナがあるのは間違いない。

しかし、タフな馬場で好走すると強いダメージが残ることもあり、皐月賞では重馬場で行われたスプリングS1、2着馬が大敗。そういったこともしばしばある。また本馬は3走前の共同通信杯では好スタートを切りながらも、4列目の外でレースを進め末脚勝負に持ち込んだが、追われてもジリジリとしか伸びなかった。そういったレース内容からも先行してこそのタイプ。オークス時のコナコースト(鞍上はレーン騎手)のように、後ろからになったのでは目もあてられない。

【能力値4位 ハーツコンチェルト】
青葉賞の2着馬。青葉賞は4番枠から五分のスタートを切り、そこから無理なく後方付近を追走。向正面で中団のやや後方外目まで進出し、スキルヴィングのひとつ内で3角へ。3~4角で中目を通り、直線でも外に出した同馬に対し、本馬はそのまま中目から馬群を上手く捌いて、ラスト2Fで3列目から先頭列。ラスト1Fで先頭に立ったところを、外からスキルヴィングに交わされたが、食らいついて半馬身差の2着に好走した。

本馬は新馬戦の中京芝2000mで、中団後方から向正面で好位の外まで上がり、8馬身差の圧勝を収めたようにスタミナはある。しかし、前々走の若葉Sは2番枠からまずまずのスタートを切りながらも、位置を下げて最後方から外を狙う競馬だった。このように2000mでは極端ではないがテンに置かれてしまう弱点があり、展開に左右されてしまう。

そういったことから距離が2400mに延びた前走は本命に推した。前走は新馬戦時のように、道中で上手く位置を挽回し、それが好走に繋がった。今回も芝2400mで距離自体はいいが、道中で楽に位置を押し上げて行けるほど遅いペースにもならないだろう。また前走時は追い切りで全体時計を出して動きも良かったように、ダービー出走権を取りにいった感がある。今回は余力面に不安を感じる。

【能力値4位 ファントムシーフ】
デビュー2戦目の野路菊Sを圧勝し、2歳の時点では牡馬最強の指数を記録した実力馬。同レースは1番枠からまずまずのスタートだったが、そこから促して序盤は2列目の最内を追走。向正面ではトップナイフの外4番手でレースを進めて3角へ。3~4角の下り坂で勢いに乗せ、直線序盤は勢いを生かしてジリジリ伸びて先頭のアリスヴェリテに並びかけた。そこからラスト1Fで突き抜けて2着に2馬身差、3着には8馬身差をつけて完勝した。

その次走のホープフルSは好位の3~4角で最短距離から前の馬とのスペースを詰め切ったため、4角で外に出せず。しかも仕掛けを待たされ、直線序盤で前が壁でブレーキ。そこから外に出して再度スピードに乗せて行く不利があり、本来の力を出し切れなかった。

しかし、好メンバーが揃った今季緒戦の共同通信杯を優勝し、能力の高さを見せた。前走の皐月賞は五分のスタートを切り、一旦は好位を取りにいったが、徐々に位置を下げて中団外を追走。結果3着だったが、野路菊S時ほどの指数では走れておらず、力を出し切ったとは言えない一戦だった。今年の皐月賞は道悪でタフな競馬だっただけに、力を出し切った馬には疲労が残っている懸念がある。その点、前走で凡退したことはダービーに向けて好材料だ。

穴は皐月賞で出遅れたトップナイフ

昨年のホープフルS2着の実績馬。同レースは8番枠からまずまずのスタートを切ってじわっと内に切れ込みハナを主張。早い段階でコントロールして後続を引き付けながらの逃げ。向正面でもペースを引き上げなかったが、2列目の外に1番人気のミッキーカプチーノが控えていたので、後続はそれをマークして動かないまま3角へ。

3~4角からじわっとペースを引き上げ、4角出口で外から並びかけてきたドゥラエレーデとともに2列目をやや離して先頭列で直線へ。序盤で追われてすっと後続を離したが、ラスト1Fで食らいつくドゥラエレーデとクビの上げ下げでハナ差2着に惜敗した。行った、行ったの流れに持ち込んでのほぼ完璧な騎乗だった。

2歳時の本馬は先行策からしぶとく粘る競馬で安定した成績を残していた。3歳初戦の弥生賞は好発を切って一旦ハナに立ったが、外からハナを主張する馬を行かせて2列目の最内を追走する形。すでに皐月賞出走への賞金が足りていたこともあり、折り合いに専念する前哨戦仕様のレースぶりだった。

しかし、本番の皐月賞では出遅れ。得意とする形の競馬は出来なかったが、上がり3Fタイムは2位タイと能力の片鱗は見せた。今回のことを考えるとプラスに見ることもできる。

今年の皐月賞は消耗度が高く、好走馬はダービーで力を出し切れない可能性が高い。また青葉賞も皐月賞ほどではないにせよ激戦で消耗度の高いレースだった。一方、本馬はその点の懸念が少ない。また例年のホープフルSはレースが緩みなく流れ、その後の成長に影響が出るような消耗度の高いレースになるが、昨年はスローペースだったため上位馬はその後レースを順調に使われ善戦できている。

鞍上の横山典弘騎手はメディアの取材に対し、前走は出遅れたことで本来の競馬ができず、力を出し切れなかった。と語っており、そのおかげで消耗をあまり気にせず走ることができる可能性を示唆している。

本馬はかつてのダービー馬ワンアンドオンリーを思い出させるような戦歴でもあり、4番枠の今回は同馬の如く、上手く内目を立ち回っての上位争いを期待したい。また前記のコメントから、今回は積極策が予想される点も好ましい。

※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)ソールオリエンスの前走指数「-20」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも2.0秒速い
●指数欄の背景色の緑は芝、茶色はダート
●能力値= (前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3
●最高値とはその馬がこれまでに記録した一番高い指数
能力値と最高値ともに1位の馬は鉄板級。能力値上位馬は本命候補、最高値上位馬は穴馬候補

ライタープロフィール
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる競馬研究家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。

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