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“真逆”のイメージのイベント? 「ピンクフルデー」の同日に「筑後おじ鷹デー」開催【若鷹ファーム奮戦記VOL.3】

週刊ベースボールONLINE

5月20日、21日の2日間。ソフトバンクの1軍本拠地とファーム本拠地では、まるで“真逆”のイメージを想起させるイベント試合が実施された。福岡PayPayドームでは「ピンクフルデー」が開催、文字通りドームが華やかなピンク一色に染まった。一方で2軍公式戦のタマホーム スタジアム筑後で行われたのは「筑後おじ鷹デー」。おじ鷹の「おじ」は、ズバリおじさんのこと。どちらの球場も多くのファンで盛況だったが、ピンクフルデーの同日におじ鷹デーを持ってくるという発想が面白い。

2軍首脳陣の豪華な顔ぶれ



おじ鷹=「若鷹を大きく羽ばたかせるために、頑張って指導をする監督・コーチと、その指導者を応援するファン」にスポットを当てた「筑後おじ鷹デー」が初開催[左からDJカイラ、ひな丸、小久保裕紀2軍監督、ハニーズAmi]

 おじ鷹デーの企画担当者である筑後事業推進部の後藤航さんは「ピンクフルデーは前身イベントの頃からホークスの大人気イベントの1つ。そこにあえて真逆の仕掛けをやってみようと思ったのはたしかです」と照れ笑いを浮かべたが、「だけど」と言って言葉を継いだ。
「まずはファームの首脳陣を対象としたイベントをやりたいと思ったのが始まりでした」

 ソフトバンク2軍の現首脳陣はかなり豪華な顔ぶれとなっている。チームを率いるのは小久保裕紀2軍監督。現役時代は通算2041安打、413本塁打をマークした「ホークスの顔」。主砲としてチームを黄金期に導き、ベテランとなってからはキャプテンとして常勝軍団を引っ張り続けた。

 2軍投手コーチの1人目は、田之上慶三郎コーチ。プロ初勝利まで8年かかる遅咲きの右腕だったが、2001年には最高勝率のタイトルを獲得しエースとなった。2人目は高村祐コーチ。ホークスでのプレー経験はないが、近鉄バファローズで長く先発の一角として活躍し通算83勝を挙げた実績がある。

 2軍打撃コーチの1人目は、村上隆行コーチ。こちらも元近鉄戦士で通算147本塁打をマークしたスラッガーだった。現役時代からムードメーカーで“元祖・熱男”を自任する熱血漢だ。2人目は明石健志コーチ。ホークス一筋19年、主にユーティリティプレーヤーとして活躍し昨年引退したばかり。

 2軍内野守備走塁コーチは本多雄一コーチ。俊足好打の内野手として盗塁王、ベストナイン、ゴールデン・グラブ賞など数々の栄光を飾り、「ポンちゃん」の愛称でも人気を博した。33歳で現役引退後即コーチに就任し、昨年までは1軍を担当。今季から2軍を指導している。

 2軍外野守備走塁コーチは井出竜也コーチ。現役時代はゴールデン・グラブ賞2度の名手で日本ハムや巨人、ソフトバンクでプレーした。引退後すぐにコーチとなり今季17年目。あの柳田悠岐も「井出コーチのノックのおかげで上手くなった」と常々話している。

 2軍バッテリーコーチは高谷裕亮コーチ。2021年までホークスのみで15年間現役を全うしマスクをかぶってきた。終盤を締める「抑え捕手」などベテランになっても経験を買われ重宝されていた。

今年からチームとファンとのふれあいが解禁



昨年の引退試合も記憶に新しい人気が高い明石健志2軍打撃コーチ

「今年から声を出しての応援をはじめ、球場に活気が戻っています。そういった中でファンの皆様は選手だけでなく首脳陣にもサインや写真を求めたり、声援を送っている姿を頻繁に見かけました。ファームの特性上、これからのホークスを担う若鷹たちの顔や名前を覚えてもらうことを重視して様々な取り組みも行っております。監督やコーチからも『選手たちをPRしてあげてよ』と言われるのですが、首脳陣への人気という需要に僕ら筑後事業推進部が耐えられくなりまして(苦笑)。そこで球団運営側を通じて打診をしたら、快く引き受けてくださったというのが経緯です」(後藤さん)

 普段は若鷹選手たちが行っている試合前のサイン会や写真撮影会などのファンサービスプログラムに、おじ鷹デーの当日は小久保2軍監督をはじめコーチ陣が登場。小久保2軍監督はファンからのポーズのリクエストに照れながらも、笑顔でそれに応えていた。また明石コーチや高谷コーチ、本多コーチはつい最近まで現役選手だったこともあり特に人気が高かった。

 おじ鷹とは「若鷹を大きく羽ばたかせるために、頑張って指導をする監督・コーチと、その指導者を応援するファン」のこと。当日来場したファンに向けてもハッピーアワーによる球場ビールの割引や、HAWKSベースボールパーク筑後のキャラクター「ひな丸」によるおつまみ配布などが行われた。

 ただ、後藤さんはおじ鷹デーを企画した段階では気づかなかった点を、イベント日が近づくにつれて知ることになったという。

「2軍首脳陣を応援する方と、ピンクフルデーに来場されるお客様のターゲットはかぶらないのではないかと思っていました。ところが、蓋を開けてみると『タマスタに行きたかったけど、ピンクフルデーのチケットを買っちゃいました』という声が非常に多かったのです。この反響を真摯に受け止めて次回以降につなげていきたいと思います」

 ところで、このイベントデー両日に限らず、ファンサービスが解禁された今年は小久保2軍監督が積極的にサインや写真に応じる姿を見かける。3年間もそういったファンとのふれあいができなかったため、その間に入団してきた筑後の若鷹の中には不慣れな選手も多いのだが、監督自らが行動することで選手たちの応対も徐々に自然になってきた。

 かつてのダイエー時代、王貞治監督はファンを大切にすることを選手たちに熱く説いていたと聞く。その当時若手選手だったのが、小久保2軍監督だ。チームの良き伝統は令和の時代にもしっかり受け継がれている。

文=田尻耕太郎 写真=田尻耕太郎、福岡ソフトバンクホークス
 
   

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