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兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第132回[2023年4月は数が多いので3回に分けた、その後半編・エレファントカシマシのツアーファイナルやARABAKIなどの5本を観ました]編

DI:GA ONLINE

 音楽などのライター兵庫慎司が、自分が観たすべてのライブについて何か書いて、半月に一回のペースで書いていく、ただし1ヵ月に観た本数が15本以上になった場合は月三回アップする連載の、第132回・2023年4 月の三回目です。
 全9本のうち観たのが5本目の、エレファントカシマシ35周年ツアーのファイナル@大阪と、7年ぶりに行ったARABAKI ROCK FEST.が、特に記憶に深く残った4月後半でした。

4月21日(金)18:30 マキタスポーツ @草月ホール

 この時期恒例の年イチ単独ライブ『オトネタ6』。時事ネタの替え歌、大川栄策「さざんかの宿」の歌詞のフルコーラスを、他の曲の1コーラス分のメロディにぴったり当てはめるネタ(Mr.Children「Tomorrow Never Knows」など)、ラジオ体操がマイケル・ジャクソンや岡村靖幸などの動きに変化していく「カッコいいラジオ体操」、スナックの酔っぱらいオヤジがカラオケを歌うとムダにうまくて笑える、というひとりコント「ウタのチカラ」、新宿で便意に襲われた男がトイレを探し回るミュージカル(ダンサー付き)など、今年も笑わせられっぱなしだったのだが。
 そんなアイデアと発想力に富んだネタの数々の前に披露された、言ってしまえばもっとも力の抜けたオープニングに対して、実はいちばん「はあー!」となったのだった。
 マキタスポーツがエレキギターを抱えて登場、エリック・クラプトンやローリング・ストーンズからBOØWYまで、自分の好きな曲のイントロをメドレーで弾いていく、そして画面には本人によるひとこと解説が出る。
 という、言ってしまえば、ただそれだけのネタなんだけど、その選曲のセンス、並べ方のセンス、そして何よりも画面に現れるちょっとした解説が良くて、笑いながら見入って&聴き入ってしまった。
 「よく思いついたな、こんなネタ」と言いたくなるような発想力に驚かされるのが、マキタスポーツのネタ。だと思っていたので、このメドレーのような「ネタにならなそうなくらい誰でもできること」を、ここまでおもしろくやれる、という魅力もあるんだなあ。と、認識を新たにしました。

4月22日(土)17:30 板歯目 @代官山SPACE ODD

 2月に下北沢のサーキットイベントで、初めて観たら、やたらと良かったので(その時のこの連載はこちら)、このワンマンにも行った。SPACE ODD、ソールドアウト。
 歪み放題のギターをガシガシ弾きながら、「でっかいサンダル」「ちっちゃいカマキリ」のような、独特にも程がある(でもちゃんと意味がある)言語感覚による歌詞を、叫ぶように歌う千乂詞音の魅力にまずやられるが、ベースのゆーへーとドラムの庵原大和のふたりも相当いい、このバンド。
 ベースもドラムも、ルックスもアクションも含めてやたらと目を惹きつけるものがあるし、演奏のグルーヴが歌&ギターと合っていて、ズレがないし。と言われても、今年20歳の学年だという3人は、あんまりピンとこないかもしれないが、プロでも普通にいるんです、「ああ、歌とキック&スネアのタイム感合ってないわあ」みたいなバンド。
 満喫しました。また観たい。次のワンマンは8月28日(月)渋谷WWW、それまでにもライブいっぱいあり。

4月23日(日)17:00 エレファントカシマシ @大阪城ホール

 デビュー35周年アリーナツアーのファイナル、大阪城ホール2デイズの2日目。いつものエレファントカシマシの(宮本浩次も)ワンマンは、二部構成+アンコールだが、今回のツアーは三部構成+アンコール。
 で、35年を写真で振り返るオープニング映像を経て、宮本浩次が白いフード付きのコートで登場して歌う1曲目「Sky is Blue」から8曲目「奴隷天国」までが1部。9曲目「新しい季節へキミと」から18〜19曲目「朝〜悪魔メフィスト」までが2部。20曲目「風と共に」から27曲目「ファイティングマン」までが3部で、アンコールは「待つ男」。前日はアンコールで「涙」もやったらしい。
 サポートはギターがヒラマミキオミッキー(と宮本がいつも紹介する)、キーボードが蔦谷好位置。で、7曲目の「昔の侍」から11曲目「彼女は買い物の帰り道」まで、金原千恵子ストリングスの4人が加わる。12曲目「リッスントゥザミュージック」では、そのうちのふたり=バイオリン金原千恵子とチェロ笠原あやのが前に出て演奏したり、座っているけど演奏せず、曲に合わせて4人で拳を振り上げてオーディエンスをあおる曲があったりしつつ、後半まで参加する。いったんはけたり、また戻ってきたりしつつ、後半まで参加する。
 この日に限ったことじゃないが、6曲目でぶちかまされる「珍奇男」や、花道で歌う(で、日によっては花道から下りたりもする)宮本に桜の花びらがふり注ぐ「桜の花、舞い上がる道を」や、新曲「yes.I.do」や、宮本がイントロのリフを弾いてから石くん(ギター石森敏行)にスイッチする日もあれば、最初から石くんが弾く日もあった本編ラストの「ファイティングマン」などが、個人的なハイライトだった。
 以上、最後なので、ネタバレを気にせず書きました。あ、あと、私が選ぶ、この日の宮本のベストMCは、デビューから35年、いろんな素敵な出会いがあって、ここまでやって来れた、という話から「性格がいいんでしょう。自徳のいたすところです」という結論に行き着いた、11曲目「彼女は買い物の帰り道」と、12曲目「リッスントゥザミュージック」の間のMCでした。

4月29日(土)10:30 ARABAKI ROCK FEST’23 1日目 @みちのく公園北地区 エコキャンプみちのく

 確か、Theピーズの日本武道館の前アオリ企画で、ゲストがいっぱい出るスペシャルライブが行われた年以来だから、7年ぶりにARABAKIに行った。
 その2017年と、前の年の2016年は、1日目の早朝に東京を発って、仙台駅からシャトルバスに乗ったが、今年は初日の全ステージ中のトップがGRAPEVINEで、10:30スタートだったので、前乗りした。
 この1日目に観たのは以下。全部観たのも一部を観たのも含みます。
GRAPEVINE→堂島孝平×SLENDERIE RECORD presents また帰ってきた! 春のヒットスタジオ(藤井隆、乙葉、椿鬼奴、等出演)→みちのくプロレス→SHISHAMO 10周年スペシャル→ハンブレッダーズ→のん→ピーズ→GLIM SPANKY(Acoustic Set)→ヤバイTシャツ屋さん
・「よく間に合いましたね、みなさん。僕らもかなりギリギリでした。楽屋、使ってないですからね」が田中和将の第一声だったGRAPEVINE、朝イチからさすがとしか言いようがない、安定感ハンパない、どっしりしたステージ。
・堂島孝平ステージ、藤井隆と椿鬼奴はレギュラーだが、乙葉が初登場。人前で歌うこと自体ものすごく久しぶりだそうで、緊張の極み状態で2曲。「それでは聴いてください、私で──」という曲紹介に、夫(藤井隆)、「いや、『私で』って。普通『乙葉で』って言うでしょ」とツッコミを入れたが、2曲目ではもうつっこまなかった。あと、「遂に実現したスペシャルゲスト、知念里奈さんです!」という紹介で椿鬼奴が登場、本人も堂島&藤井も最後まで知念里奈と言い張って歌ったのも、大笑いだった。
・SHISHAMOの10周年スペシャルは、3人で「恋する」と「中毒」をやってから、ピーズ大木温之、ユウ(チリヌルヲワカ)、山中さわお(the pillows)と一緒に2曲ずつやって(SHISHAMO1曲、ゲストの曲1曲)、最後に東京スカパラダイスオーケストラの北原雅彦GAMO谷中敦NARGOと一緒に「明日も」。レアなものを観れてうれしかった。特にピーズはる、7年前にピーズのスペシャルに宮崎朝子に出てもらったお返し。SHISHAMOの曲で、おそらくもっともはるに合っている「明日はない」と、SHISHAMOの普段のライブで必ず終演時にかかる「東の窓」だった、選曲は。
・みちのくプロレスは1日2回で、2試合ずつ。その1回目を観た。2試合目のタッグマッチで新崎人生社長が登場、大興奮(俺が)。昔、東京に来るたびに行っていたし、福島まで遠征したこともある程度には、みちプロ、好きだったのです。拝み渡りを観れてうれしかった。映像はダメだけど写真は撮影OKだったので、バシバシ撮りました。
・ピーズ、4人とも楽しそうでいきいきしていて、それが音にも表れていて、観ていてジーンとした、何か。
・ヤバT、オーディエンスのシンガロングのでかさと、それを受け止めて歓喜丸出しの3人の様子に、つい目頭が熱くなった、観ていて。
 などが、私のこの日の雑感でした。

4月30日(日)10:10 ARABAKI ROCK FEST’23 2日目 @みちのく公園北地区 エコキャンプみちのく

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 この日観たのは以下。全部観たのも一部を観たのも含みます。
-真天地開闢集団-ジグザグ→帝国喫茶→みちのくプロレス→エレファントカシマシ→吉川晃司→MICHINOKU PEACE SESSION「奥田民生アラバキ★ライダー」
・ジグザグ、LINEで友人に勧められて観たら、確かにめちゃめちゃおもしろかった。笑いをふんだんに散りばめつつ、初めて観る人をもうひっぱりこむひっぱりこむ。
・帝国喫茶、ベースアンプがゴロゴロ動き出したり、シンバルが倒れたりするほどのとんでもない強風の中、必死の、でも、とてもアグレッシブなステージ。
・みちのくプロレス、何も2日続けて観なくても、俺。でもこの日も新崎人生を観れて、この日もバシバシ撮った。
・エレファントカシマシ、春フェスはARABAKI、JAPAN JAM、VIVA LA ROCKの3本。アリーナツアーとサポートメンバーが変わっていて、ギターは”佐々木コジロー”貴之で、キーボードは奥野真哉。宮本、ギターソロで走って転んだ石くんを「大丈夫か」と野次った客に「おまえこそ大丈夫か!」と返したりするなど、何か、攻撃的な印象のステージだった。
・そしてMICHINOKU STAGEのトリ、「MICHINOKU PEACE SESSION 奥田民生★アラバキライダー」。バックはフジファブリック+伊藤大地。1曲目はその5人で「マシマロ」をやって、そこからゲストと2曲ずつ。曽我部恵一→のん→岸田繁とOTと伊藤大地の3人(つまりサンフジンズ)→後藤正文→OT&フジ&大地で「人の息子」と「徒然モノクローム」→BiSH→TOSHI-LOW→吉川晃司→最後にゲスト総出で「イージュー★ライダー」。いやあ、観れてよかった! と、でかい声で言いたくなる至福の時間でした。
 などが、私のこの日の雑感でした。

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