Lenny code fiction
片桐「俺、こうなりたいなと思ったんですよね。悲しい感情とか、マジで夢を追いかけていることとか、ちょっと苦しかったこととか、そういうことをちゃんと言える人。俺らのライブを見て、昨日あった嫌なことを重ねて、家で泣けなかったけどライブで泣けたり、楽しんで飛び跳ねてるのに泣いちゃったり。そんな場所を作れたらいいなと、心から思ったんですよ、本気で」。
片桐はフロアを見渡しながら、これまでとこれからのことを、まっすぐに語りかける。
片桐「ずっと幸せを探していたんですよ、悔しくて。俺のバンド人生のはじまりは、“反骨心”で。それが俺の根本で、それが全部だと思っていたけど、ライブをして、似たもの同士が集まって、ルールを守ってやれるみんなが、俺の誇りで。そんな人達と誠実に積み重ねてきたこの何年かで、俺の中で意識が変わってきて。直近の夢──次のツアーファイナルは、“幸せ”を糧にしたいなと思ったんです。反骨心とか、悔しさじゃなくて」。
この日のライブで、Lenny code fictionは、7月26日に2ndアルバム『ハッピーエンドを始めたい』をリリースし、『ハッピーエンドを贈りたい』と題したリリースツアーを行なうことを発表した。ツアーファイナルは、2024年2月11日(日)。場所は渋谷WWWXで開催される。
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片桐「昔の俺を知ってる人からしたら、“丸くなったな”って言うかもしれないけど、どうぞ言ってくださいって感じで。俺は感謝を知ったんですよ。幸せを糧にすることを知ったので。自分の反骨心から脱却して、いろんな感情を書き留めた曲達をまとめたアルバムを完成させて、次のツアーを廻ります。そして幸せを糧に、今年、来年と進んでいきますので、どうぞよろしくお願いします」
そして、この日のラストナンバーとして、新曲「幸せとは」を披露した。「いま、一個人として、4人のバンドとして一番言いたいこと。生まれてきて一番言いたかったこと」という片桐の前置きから始まったこの曲は、赤裸々な言葉とダイナミックなバンドサウンドが胸を熱くさせる、なんともエモーショナルな1曲だった。それと同時に、彼らの新たなアンセムになっていくであろうことが充分に伺えたのだが、この「幸せとは」にしても、先の「DURARA」にしても、この日彼らが見せてくれた未来の断片は、どれもLenny code fictionのこれからが楽しみになるものばかりだった。来るべきアルバムと、そのリリースツアーで、4人はどんな音を高鳴らし、景色を作り上げてくれるのか。とにかく期待して待ちたい。
取材・文=山口哲生 撮影=白石達也
Lenny code fiction
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