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『OTODAMA’23~音泉魂~』2日目ーー強い気持ち・強い愛・強い魂で成り立つ、唯一無二なフェス

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『OTODAMA'23~音泉魂~』2023.5.4(THU)大阪・泉大津フェニックス


2日目の5月4日も初日に引き続き「鈴木が覗いた『OTODAMA』」として書いていけたらなと思います。初日は「清水音泉とは」「『OTODAMA』とは」「初日5月3日の演者たちの物語とは」という3点を重点的に掘り下げたので、2日目は、もう少しグローバルな視点でも書いていきたい。と言っても別に、そんなたいそうなことでも無くて。


この日、まず象徴的だったのは会場の泉大津フェニックスに向かう途中で見かけた、観客たちが乗車するシャトルバスだった。色々なフェスへ行く時に電車やバスに乗ると、満席な上に立ちながらでも乗客が乗れるだけ乗せるなんてことはざらにある。商業的興行的には完売が正解であるし、満杯の電車やバスに揺られている時にワクワクドキドキを実感して、ちょっとくらいの苦労ならいとわないという人もいるだろう。でも、みんながみんな外へ出るのが大好きで、アウトドア上等で体力がある人ばかりではない。大人気テーマパークでアトラクションを何時間も待つ状況が苦にならない人もいれば、地元動物園や遊園地で空いている状況が落ち着く人もいる。私は明らかに後者であり、清水音泉や『OTODAMA』の観客も後者が多いはずである、単なる決めつけだが。で、何を言いたいかというと、タクシーから観たバスがガラガラに空いていたのだ。偶然そのバスがガラガラだっただけで、他のバスは満杯だったかも知れない。でも、開演1時間前という混みまくってておかしくない時間帯に、1台でもガラガラのバスを観れたのは何だかホッとしたのだ。生き急がず好きなモノを落ち着いた状況で観れるにこしたことはない。


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もう10年くらい前だろうか、四星球が『OTODAMA』のステージ上で、<RUSH BALLは2万人 音泉魂数千人>と、同じ泉大津フェニックスで開催する『RUSH BALL』との比較を「オトダマーチ」という歌にして披露した。腹がちぎれるくらいに大爆笑したし、こんなに的確に言い当てる歌を初めて聴いたので、歌詞を書いた北島康雄を天才だと思ったのを未だに覚えている。清水さんも風呂具(=ブログ)でソーシャルディスタンスなんて言葉が生まれる前から、ソーシャルディスタンスは保てていたと自虐的に書いていた。こちらの勝手な話ではあるが、商業興行として成立するのならば、なるべく空いていて並ばなくていい緩やかな空間がありがたい。コロナ禍前は「オトダマーチ」が懐かしくなる年が増えてきたし、清水さんは観客1万人を超える状況になっても過ごしやすさを常に第一に考えてくれていた。


このコロナ禍でライブへ行く習慣が途絶えた人もいるだろうし、どうしてもコロナ禍前の状況に戻ることは難しい。そんな中でも去年『OTODAMA』が春に復活して、少しづつではあるが観客が戻ってきていることにも気付けた。肝心の今年だが、元々、モッシュダイブは厳禁だし、まだスタンディングエリア前にギュウギュウに詰めるコロナ禍前の行為も禁止である上に、去年より慌てず焦らず楽しもうという観客も多いのか、とてもとても過ごしやすかった。何度も言うが商業興行として成り立つ上で、この落ち着いた楽しみが堪能できる『OTODAMA』が根付いて欲しい。しっかりと踊れるけど、しっかりと安らげるみたいな。序文なのに何故か〆の様な流れになっているが、来年以降も続くために、もっともっと多くの人に知って欲しくて、この文章を書いている。


そして、現在の野外フェス、野外イベントではもはや当たり前となったステージ横のスクリーンについても記しておきたい。これまで『OTODAMA』で基本的に導入してこなかった理由は、「生身の人間のライブを、肉眼でしっかりと観てもらいたい」という清水さんの信念であった。しかし、この御時世では前に詰められない状況もあり、遠くからでも観られるようにと導入されることになったのが去年の話。今年はソーシャルディスタンス的問題が緩和されたこともあり、スクリーンは導入されなかった。やはりスクリーンがあると、どうしてもスクリーンに甘えてしまうのだが、スクリーンが無いと絶対に自分の肉眼で確かめたいという思いが強くなり、自然と何度も前へと足を運んでいた。これも緩やか穏やかな『OTODAMA』だからこそ為せることであり、とても個人的には自由度を感じた出来事であった。

Yogee New Waves 撮影=オイケカオリ


今時に言うところのチルアウトだが、清水音泉的に言うところの快適なユルさをお伝えしたくて、相も変わらず序文から長々と書いてしまった。さて、そろそろライブについても書いていきたい。初日はヤング→ベテラン→ヤングというスタートダッシュだったが、2日目のROTEN壱番風呂からのDAIYOKUJOH壱番風呂は、Yogee New WavesからOKAMOTO’Sという同世代の流れであり、また一味違う。若手だった2組も立派な中堅であり、本番前の楽屋エリアでも仲良く話していたが、リハから高め合うような気合いが入ったサウンドが聴こえてくる。この2組のスタートダッシュ目当てで、朝11時から凄く賑わいを感じられた。Yogeeは、その名も「SISSOU」から鳴らされたが、疾走感でしかない抜けの良い音を届けてくれた。落ち着いて踊れるのに、しっかりと骨太な硬派さも感じられるのが良い。


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