top_line

インストール不要ですぐ遊べる!
無料ゲームはここからプレイ

「日本は寛容な国…」女装愛好家・キャンディさんが語る家族との関係、難病との闘い

テレ東プラス

「コスプレ」や「LGBTQ+」という言葉がなかった頃から、女装愛好家として活動しているキャンディ・H・ミルキィさん。70歳になったキャンディさんは、いくつもの試練や病と闘いながらも、YouTubeチャンネル「キャンディびんぼう」を配信し続けている。


前編では、そんなキャンディさんの人生に迫ったが、後編では、近況や難病との闘い、ここ数年で叫ばれるようになった「多様性を認め合う社会」についてどう思うのか…話を聞いた。

【動画】イケメンたちが女装? もしもこんな喫茶店があったら…?

日本は寛容な国…


――日本でもLGBTQ+という言葉が浸透し、多様性を認める時代になりました。

「一口にLGBTQ+といっても、海外では何十種類にも分けられていて、それでも分けきれないのが実情。私も自分では、どのジャンルにも当てはまらないと思っていますし、それだけ人間って多様的ということなんですよ。だからその中で、差別なんて絶対にあってはならないのです。
『LGBT法案』についても、いろいろと騒がれていますが、いくら穴だらけの法律でも、ないよりはいいと思いますよ。ゼロからの一歩はものすごくエネルギーがいるので、大きな一歩です。

日本は昔から、歌舞伎や大衆演劇があり、長いこと女形ありきの文化が栄えている。宗教上、女装はダメという国は多いけど、それに比べたら、日本人って寛容ですよね。私がこんなフリフリのドレスを着て街を歩いたって、石を投げられないもん(笑)。みんな、“面白い!”と個性を認めてくれるんだから、この国は本当にありがたい」
――キャンディさんならではの視点で、世の中に伝えたいことはありますか?

「一時期、“政治家になってやる!”という野望がありました。経済や社会の問題は一切やらないけど、子どもたちが健やかに育つために、人間教育の根本的なことを提案したいなと思ったんです。本気で考えたんだけど、何せ難病を患っているので、“肺がもたないな…”と思い直して、あきらめました」

――こうしてお話ししているとものすごくお元気に見えますが、キャンディさんは難病の認定を受けたんですよね。酸素ボンベもここに…。

「そうなんです。特発性間質性肺炎という指定難病の認定を受けました。間質性肺炎は、歳を重ねるとなりやすいみたいなんだけど、特発性は厄介なんです。今も息絶え絶えでしょ? 治癒しない病気で、発病して4年目に入ったんだけど、慢性型は、平均寿命が5年といわれているので、人生の着地点が見えてしまいました」

――痛風や脳梗塞にもなったとのことで、くれぐれも無理せず、お身体だけは大事になさってくださいね。――前編でも伺いましたが、離婚した奥様や3人の息子さんとも、今は良好な関係です。

「本当にありがたいことでね。だけど、奥さんに会うと、どうにも申し訳なくて…。息子がいればまた違うんだけど、奥さんと2人きりだと、やっぱりちょっと気まずい(笑)。いろいろありましたから…。三男坊はこの格好で会うのもOKなので、イベントの手伝いをしてくれますし、私が脳梗塞で倒れた時も、SNSを更新してくれました。奥さんのサポートも、三男坊がしてくれています」

――お孫さんもいらっしゃるんですよね。

「長男は結婚して子どもがいますが、ある日、見知らぬ女子高生が、突然私のところにやってきて、『いつもお年玉ありがとうございます!』と言うんですよ。私がお年玉を渡しているのは長男の娘だけ……と思ったら、そう! 孫だったんです。その時は本当にビックリしちゃって、言葉が出なかったね。
後日、仕切り直して孫に会うことになったんだけど、しっかりしていて、LGBTQ+に対しての知識が豊富で驚いたんだ。その時は、彼女といろんな意見を交わしました。でも、こっちのボロが出ちゃうぐらい詳しかったんですよ(笑)」――泣ける話…。お孫さんはキャンディさんについて、しっかりと理解を深めた上で会いに来たわけですね。そんなキャンディさんが、70歳になった今、大切にしていることは?

「やっぱり私は、人とのつながりがあってこそ、生かされているなと感じます。何よりも、人とのご縁が大切です。私が『キャンディ・キャンディ博物館』(東京・柴又)の館長を務めることになったのも、博物館の1Fにある『昭和レトロ喫茶セピア』の先代のママさんと、『陸奥A子展』で出会ったのがきっかけなんです。もしもママさんと出会っていなければ、ここにもいなかった。
脳梗塞になって羽田空港で働けなくなった時も、『お世話になりました』と感謝を伝えたら、空港の担当者がアドバイスしてくれて、今の掃除の仕事につながった。
テレビ東京の『レベチな人、見つけた』の出演もそうですし、夏には某有名なニュースサイトに掲載される予定があり…。私の場合は、これら全部人の縁! 本当に大事です」

――そういえば、キャンディさんのYouTubeは、プロのディレクターが制作したものと、ご自身で編集しているもの、2種類ありますよね。どれも興味深かったです。

「例えば、北海道旅行の動画は、全部自分のカメラで撮って編集しています。自分で編集するもの以外は、『ザ・ノンフィクション』で私を追ってくれたディレクターさんが撮ってくれるんだけど、最近彼が撮る動画は、楽しようとして私が普通に話しているものばかり(笑)。もし、皆さんの中で悩みなどあれば、コメント欄やSNSなどで送ってください。悩み相談に乗ったりもしているので」

――キャンディさんは、今後どのように進んでいくのでしょう。

「いやぁ今はもう、身の丈ですよ。女装愛好家の身の丈で余生を楽しみたいです」


【キャンディ・H・ミルキィ プロフィール】
1952年、東京都生まれ。印刷の版下の仕事を行いながら女装愛好家としての活動をスタート。毎週日曜日に原宿の歩行者天国へ通い、マスコミに取り上げられた。
公式YouTube「キャンディびんぼう」

(取材・文/谷亜ヒロコ)
 
   

ランキング(エンタメ)

ジャンル