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『らんまん』神木隆之介の熱弁する姿が愛おしい 万太郎の笑顔の陰にある母・ヒサへの想い

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『らんまん』写真提供=NHK

 5月25日放送の『らんまん』(NHK総合)第39話では、万太郎(神木隆之介)に後の構想につながるいくつかのヒントが示された。

 参考:【写真】寿恵子(浜辺美波)に絵を描いて見せる万太郎(神木隆之介)

 植物学教室への出入りを許されたものの、学生でもない万太郎が研究室のメンバーから遠ざけられ、疎外感を感じていたことは前話までに描かれた。竹雄(志尊淳)の叱咤激励で立ち直った万太郎は、摘んできたシロツメクサを藤丸(前原瑞樹)に差し出す。ウサギの雪丸にシロツメクサを食べさせながら、藤丸は「槙野さんは毎日が植物採集なんだね」とつぶやいた。

 藤丸の「教授と違うな」という言葉に、隣に座る波多野(前原滉)は「うん」と頷いた。研究室の仲間から聞く田邊(要潤)の横顔は、想像と少し違っていた。アメリカ帰りで、日本初の植物学教室を開設。講師の大窪(今野浩喜)によると、田邊は「完全な標本」にこだわっており、「花も果実もついた検定に重要な性質を全て兼ね備えた」もの以外は、標本とみなされなかった。対する万太郎は、花や実がなくても標本として価値があると考えた。

 田邊の標本に対するこだわりは、独自の美意識に裏打ちされていた。この時代の慣例で、外国帰りの要人は、日本を西洋化するためのお役目を政府から仰せつかっている。田邊は詩の改良やローマ字の普及に取り組んだほか、外国の賓客をもてなす鹿鳴館の運営にも携わっていた。「教授は美しいものがお好きで、美しいとは完全なものだけを指す」また「西洋の芸術を理解できるのは一握りの人間だけ」という田邊は、学生や教員から見ても孤高の存在。田邊の部屋に入った万太郎は、バイオリンや西洋の調度品を見て、あらためて田邊が追求する植物学に思いをめぐらすことになった。

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 万太郎と田邊のスタンスの違いが明らかになったところで場面は変わり、白梅堂の店先に現れた万太郎は、寿恵子(浜辺美波)と顔を合わせる。ボタンの葉をモチーフにした新作菓子に歓声を上げる万太郎は、つい植物トークに熱が入る。興味深く話を聞く寿恵子に次々と植物の葉を描いて見せる。ハート型のドクダミ、そして「わしが一番大好きな花ながは」と言って筆先が表したのはバイカオウレンだった。

 花の可憐さを強調し、春になって咲く風景を言葉にする万太郎は、ヒサ(広末涼子)を思い出した。病床の母に届けたかった名前も知らない花。急に涙がこみ上げて、あわてて打ち消すように寿恵子から離れた。「寿恵子さんの前におると、どうもこう話し過ぎてしまいますき」とうろたえる万太郎に「大事な花なんですね」と返した寿恵子。続く「のうなった母が好きな花で」を聞いて、一瞬、眉を曇らせた。

 植物に名前を付ける万太郎の原点であり、母との思い出の草。無邪気な万太郎の笑顔の陰に消えない悲しみがあることを寿恵子は知った。「絵を描いてくださらなかったら、私はこんなにかわいい花がこの世にあることも知らないままでした」と、変わらない笑顔で返す寿恵子にきっと万太郎は感謝しただろう。

 万太郎が植物学教室に根を下ろすには、もう少し時間がかかるかもしれない。小さなきっかけから、やりたいことが徐々に形になる入口に万太郎は立っている。思いが成就した時、どんな花をつけるか楽しみだ。

(文=石河コウヘイ)

 
   

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