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「カーブミラー」はなぜオレンジ色なのか

日刊ホントの話

道路にあるものと言えば、信号や標識、ガードレール(防護柵)、街灯、車線分離標(中央分離帯)といったものもあります。あたり前のようにありますが、どれも道路の安全を守るためには欠かせません。

細かく見ればほかにもあると思われますが、今回は特に「カーブミラー」について焦点を当ててみましょう。

●オレンジ色とルールで決まっているわけではない

 カーブミラーの正式名称は、「道路反射鏡(どうろはんしゃきょう)」です。ちなみに「カーブミラー」は和製英語で、英語だと正しくは「Traffic mirrors(トラフィックミラー)」と呼ぶことが多いそうです。ここでは便宜上、国内で一般的によく言われている「カーブミラー」を使います。「カーブミラー」と聞くと全体としてオレンジ色で、支柱に支えられた丸い凸面鏡(とつめんきょう)を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。カーブや交差点などには必ずと言っていいほど設置されています。もしカーブでこれがなかったら、事故のリスクはかなり高くなるのではないでしょうか。

 カーブミラーの多くはオレンジ色です。あまりに統一されているので、何か法律などで決まっているのだろうと思われるかもしれませんが、実はそうでもないようです。カーブミラーの色に関しては明確な決まりはないので、実は何色でもいいようです。この点についてカーブミラーを製造する「信正工業株式会社」によると、「昔は鏡体部分では黄色が主流で、柱は白と黒で交互に色分けされた遮断機のような色配置の支柱が使われていた」とのことです。

●オレンジ色が目立ちやすく、何より安い

 その後、黄色の支柱を経てから鏡体・支柱ともオレンジが広く使用されるようになったそうです。オレンジである理由は「目立たせるため」とのこと。たしかに、オレンジは赤や黄色に近く、生物で言えばいわゆる警告色であり、JIS(日本工業規格)においてもJIS安全色としても定められています。周囲の風景になじみにくい色とも言えるでしょう。

 もちろんオレンジ色でないカーブミラーもあるようです。たとえば街になじむブラウン(茶色)の支柱と鏡体を採用する自治体もありましたが、価格が割高になるようです。また目立ちにくいことで車両に接触されやすいといった理由もあって、あまり出回らなくなったそうです。どういった色にするかという点は自治体が決定するようですが、やはりオレンジ色であればメーカーも準備しやすいことから、何か景観上の問題といったことがない限りは、基本的にはオレンジ色になると考えられます。

●過信は禁物。必ず目視確認を。

 カーブミラー(道路反射鏡)は安全のためには欠かせないものですが、注意も必要です。道路反射鏡メーカーが集まって運営している「道路反射鏡協会(DHK)では、いくつか注意すべきポイントを取り上げています。一つ目は「左右が逆になる」点です。もちろん鏡なので左右が逆になることは当然と言えば当然です。普段から見慣れている人にとってはどうということはないかもしれませんが、見慣れていない人は意識していないとちょっと危険な点です。

 また、カーブミラーは凸面鏡(前に出っ張った鏡)なので、一般的な鏡より少し広い範囲を移すことができます。ただし限界があります。特に交差点に近い位置は死角になります。何も映っていないから大丈夫だろうと思い込んで一旦停止を怠った結果、自転車と追突してしまった事故がしばしば起こっているようです。

 またカーブミラーでは、映っているものの大きさが、実際の大きさよりも小さく見える特性があります。少し遠くから自転車が来ているから先に行こう、と思って前に出たところでぶつかるという事故も起きるようです。カーブミラーの過信は禁物です。交差点などでは特に目視で安全確認すること、また一時停止する必要があるところでは必ず守る意識を持っておいた方がよさそうです。

<参考サイト>
道路反射鏡協会
https://www.dhk.gr.jp/
きっかけは道路じゃなくて鉄道? 日本で初めてカーブミラーを作った人とは│GAZOO
https://gazoo.com/column/daily/17/07/17/

 
   

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