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外国人も注目の「日本三大秘境」とは

日刊ホントの話

日本は国土の3分の2が森林という森林大国です。さらなるインバウンド需要が見込まれる中、こうした大自然を観光資源にしようとする動きが各地で活発化しています。


 とりわけ世間と距離を置き、豊かな自然と独自の伝統文化が息づく集落、「秘境」と呼ばれる場所は、美しい日本の魅力を再発見できる地として人気上昇中。中でも有名な「日本三大秘境」は、国内のみならず、海外からの観光客にも注目されています。

 今回は、定番の観光スポットに劣らぬ魅力を持つ「日本三大秘境」をご紹介します。

●合掌造り集落が美しい世界遺産「白川郷」(岐阜県)

 まずご紹介するのが、岐阜県大野郡にある「白川郷(しらかわごう)」です。急峻な山々と深い谷に囲まれた日本有数の豪雪地帯で、修験道の修行場として開かれたのが始まりとされています。

 独特の地形から周辺地域と隔絶されやすく、冬は大量の雪と吹きつける風に見舞われます。そのため、厳しい自然環境にも耐えられる「合掌造り」の家屋と、住民同士で助け合う「結(ゆい)」と呼ばれる相互扶助の文化が発達しました。

 そうした伝統的家屋と文化は、地元住民の努力によって現在まで大切に守られました。その価値が評価され、1995年に世界遺産に登録。国内外問わず、多くの観光客が白川郷を訪れるようになったのです。

 インバウンド需要が伸びている昨今は特に観光地化が進み、アクセスもしやすくなったため、以前のような秘境感は薄れてきているといわれますが、それでも巨大な茅葺き屋根が建ち並ぶさまは圧巻で、他に類を見ないものです。

 冬期には夜のライトアップも行われ、白川郷は幻想的な空間となります。しんしんと降り積もる雪の中、三角屋根の家屋が光の中に浮かび上がる……日本の原風景でありながら、まるでファンタジー映画を思わせる絶景に感動する外国人観光客が後を絶ちません。我々日本人も、一生に一度は訪れたい秘境です。

●日本民俗学発祥の地といわれる「椎葉村」(宮城県)

 宮崎県の北西にある椎葉村(しいばそん)は、540平方キロメートルほどの広大な面積を有しながらその96%は森林という、まさに森の中の山村です。宮崎県と熊本県の県境に位置し、宮崎市からは車で3時間20分かけなければたどり着くことができません。村は源平合戦の折、源氏に敗れた平氏の生き残りがこの地に逃げ込み、隠れ住んだのが由来とされます。

 そんなあまりに山深い地ではありますが、住む人々は皆たくましく、代々受け継がれてきた知恵と「かてーり」と呼ばれる相互扶助の精神を支えに暮らしを営んできました。

「椎名神楽」を始めとする芸能や独特の民俗・風習が残るため、明治時代には日本民俗学の第一人者である柳田国男が、資料収集と調査のため村に滞在。民俗学発展に寄与したことから、椎葉村は“日本民俗学発祥の地”とも呼ばれます。

 秘境中の秘境である椎葉村ですが、四季折々の豊かな自然のほか、展望台から雲海を見下ろす「仙人の棚田」、ダムマニアの間で“閣下”と呼ばれ親しまれる巨大な「上椎葉ダム」など見どころが多く、名所巡りやトレッキングを楽しみにやってくる人が多いそう。

 また、敵同士でありながら恋に落ちた平家の姫「鶴富姫」と源氏の武将「那須大八郎」の物語をテーマにした「椎葉平家まつり」が毎年11月に行われ、この日は2万人もの観光客が村に詰めかけるのだそうです。

●今、世界から最も注目される秘境「祖谷」(徳島県)

 三大秘境のうち、近年特に人気を集めているのが、徳島県の「祖谷(いや)」です。こちらも平家の落人伝説が残る場所で、落差50mの「琵琶の滝」、ダイナミックな景観が美しい「ひの字渓谷」、谷底から200mの断崖絶壁の上になぜか存在する「小便小僧の像」など、話題のスポットが点在しています。

 その中でも最も人気なのが、川から14mの高さに架けられた全長45mの吊り橋「かずら橋」です。源氏に追われて祖谷にやってきた平家が、万が一の時に切り落とせるよう植物の蔓(シラクチカズラ)を編み込んでつくったものといわれています。そうした由来から、橋は今にも落ちそうなほどグラグラと揺れ、足場が悪いのが特徴。美しい清流を眼下に、スリリングな体験ができる名所となっています。

 住民はわずか25人ほどというとても小さな集落ですが、訪れる観光客は少なくなく、特に近年は外国人の来客数が急増しています。

 そのきっかけは、祖谷に魅了された2人のアメリカ人の情熱でした。

 1970年に祖谷を訪れた、アメリカ人作家で東洋文化研究者のアレックス・カー氏は、美しい祖谷での生活を大変気に入り、当地で古民家を購入。著書『Lost Japan(邦題:美しき日本の残像)』の中で、祖谷の魅力を語りました。

 さらに1990年代に祖谷にやってきたアメリカ人記者のメイソン・フローレンス氏もまた祖谷にすっかり心を奪われ、世界シェアNo.1の旅行ガイドブック『ロンリープラネット』の中で大幅なページ数を割き、祖谷の特集記事を掲載。祖谷の魅力を世界へ発信したのです。

 やがて親交を築いたアレックス氏とメイソン氏は、協力して古民家再生プロジェクトを立ち上げ、祖谷の知名度アップに貢献します。

 この2人の活動が反響を呼び、特に日本在住の外国人の間で「祖谷に行くと、都会では味わえない体験ができる」と話題に。いまや宿泊客のうち8割が外国人という宿もあるほど、祖谷は外国人から人気の観光地となったのです。メイソン氏は今も祖谷に足繁く通い続け、祖谷のイベントプロモーターとして活躍しているそうです。

 日本三大秘境、いかがでしたか。定番の観光レジャーもよいですが、不便ながらも大自然に囲まれた秘境の村へと足を運ぶと、また違った体験ができそうですね。
皆さんも旅の目的地の一つに、「秘境」を加えてみませんか。

<参考文献・参考サイト>
・『すべてがわかる世界遺産大辞典<上>』(発行:NPO法人世界遺産アカデミー/世界遺産検定事務局)
・椎葉村観光協会ホームページ
https://www.shiibakanko.jp
・世界シェアNo.1の旅行ガイドブックに祖谷を載せたアメリカ人 パート1|大好きな祖谷を第二の故郷に メイソン・フローレンス氏(徳島県三好市)
https://miyoshi-city.jp/2023/01/20321/
・こんな「秘境」に外国人が続々! 次の人気スポットは(NIKKEI STYLE)
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO22050450Z01C17A0000000/

 
   

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