ユース年代での期待が大きすぎた
ユース年代でゴールを量産してきた選手は、どうしても周囲から大きすぎる期待をかけられてしまう。それこそNEXTメッシなんて呼ばれる者も少なくない世界だ。
ドルトムントのU-17カテゴリーで56戦90ゴール、U-19カテゴリーでは25戦47ゴールを奪ってきたFWユウスファ・ムココ(18)もその1人だろう。
すでにトップチームでプレイしているムココは、今季ブンデスリーガで7ゴール4アシストを記録している。年齢から考えれば十分すぎる数字ではあるが、ファンの中にはもっと華々しいスタートを期待していた人もいるかもしれない。
何よりチームでは戦列復帰を果たしたFWセバスティアン・ハラーがセンターフォワードの軸となっており、後半戦に入ってからムココには先発の機会がない。途中出場が続き、やや影が薄くなっているのだ。
独『Ruhr Nachrichten』によると、ムココ本人も今季の内容には満足していない。いつの日かリーグ戦で30ゴールほど奪うイメージを描いているそうで、いつかその時がくると信じている。
「ユースからプロへの道は難しい。今もそうだ。期待が大きすぎたからね。ジュニアの頃は、みんなが『ムココはまた3ゴールか4ゴール決めた』とのニュースを読んでいたからね。今はそんなことに何の意味もない。プロへの移行は困難だ。16歳の時点でフィジカル面の準備が出来ていなかったからね。僕はまずブンデスで成功する術を学ばなければならなかった。もうセンターラインからドリブルで独走することも、ゴールを決めることもできなくなった」
「今季も最高のシーズンだったわけではない。それは分かっている。でも、必ずその時はくる。僕は若いし、ハングリー精神にも溢れている。いつかは25、30ゴールほど決められると確信している。自分のクオリティを信じているんだ」
昨年にはドイツ代表デビューも果たした。まだA代表初ゴールは生まれていないが、ドイツサッカー界としては代表のエースへ育ってほしいところだろう。今季もブンデスリーガで一定の結果は残せているだけに、あと数年もすれば怪物FWが完成するかもしれない。