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【平安S】グロリアムンディが中央重賞初制覇! これぞまさにチャンピオンクラスの風格

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パワー優先の馬場を味方に

同じ関西主場でも阪神と京都は問われる適性が異なる。それはダートも同じ。一般的に最後に急坂がある阪神より平坦の京都はスピードが重視される。平安Sが京都の良馬場だったときは2019年1:58.1、20年1:56.0なので、今年の勝ち時計1:59.8(稍重)は遅い。単純に時計で能力を比較できるほど競馬は単純ではないが、今回の勝ち時計評価は慎重にしないといけない。

時計を要したのは残り600m12.9-13.0-13.5。レース上がり600m、39.4は重賞では滅多に目にできない記録だ。19年12.1-12.5-12.8、37.4、20年12.3-11.7-12.1、36.1。とても同じ条件とは思えないほど開きがある。砂を入れ替えたばかりのダートは時計がかかる。スピード重視の京都も今開催は終いに時計を要し、力の足りない先行馬が展開を味方につけ、後ろを離したとしても、最後に脚が上がるケースもあった。平安Sもその傾向通りの決着で、時計の遅さは気にならない。好位のインで我慢し、3コーナー付近からじわりと動き、4コーナーで早々に先頭に立って押し切ったグロリアムンディ。そのしぶとさとパワーは目立っていた。

これが中央の重賞初制覇。アンタレスS2着、チャンピオンズC12着、ダイオライト記念勝ちと重賞戦線では力のいる馬場が合うタイプで、京都の馬場がマッチした。この手のタイプは地方交流で強く、賞金を加算したことで今後は得意の舞台へ出走できる。6月の帝王賞も視界に入ってきた。安定感あるレース運びもできるので、息長く活躍できそうで未来は明るい。一方、中央のGⅠでは最後にスピード不足がアダになる危険性があり、乾燥したダートという条件はつく。裏を返せば比較的ジャッジしやすいタイプではある。


馬場も影響した2馬身半差

2着は2番人気ハギノアレグリアス。こちらはダート1900mの持ち時計が出走馬中ナンバー1。中京ダート1900mの白川郷Sを1.56.3(良)で勝利しており、グロリアムンディと比較するとスピード寄りの適性の持ち主だ。その意味では今回の馬場は向かなかった。グロリアムンディとの着差2馬身半ほど力差はないだろう。芝ほど馬場状態に左右されないダートだが、それだけこの春の京都ダートは特殊だったと覚えておこう。

3着3番人気ヴァンヤールは最後に目立つ脚を見せたが及ばなかった。重馬場のアンタレスSで1:49.6の2着から察するにこちらもスピードタイプで、馬場の影響を受けた。アンタレスSぐらい走れれば、中央の重賞タイトルはいつでも手が届くだろう。充実した今のうちに勝ちたいところで、今後のレース選択は注目だ。

1~3着を上位人気が独占したなか、4番人気ノットゥルノは9着に敗れた。直接的には最後の直線で進路を失い、ブレーキをかけた部分が敗因だろう。JDD1着、東京大賞典2着という成績から地方交流向きにも見えるが、好走は外回りがある大井に集中している。本来は直線が長く、全体的に上がりが速い舞台に強みがあるのではないか。そう考えると、上がりがかかった今回は適性から外れていたと考えた方がよさそうだ。

このレースは馬場が重たかったことに加え、逃げたロードヴァレンチにメイショウフンジンが迫り、テリオスベルが途中で動こうと目論むなど、中盤まで先行勢にはプレッシャーがかかる競馬であったことも大きい。だからこそ落ち着かない流れのなかで、好位でじっと構えたグロリアムンディの競馬は印象的だった。ダートのチャンピオンクラスが見せる泰然自若とした雰囲気さえ感じた。



ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『テイエムオペラオー伝説 世紀末覇王とライバルたち』『競馬 伝説の名勝負 GⅠベストレース』(星海社新書)に寄稿。

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