
世の中には様々なものに恐怖を感じる人がいる。エスカレーターに乗るのが怖い人も少なからず存在する。エスカレーターに乗るタイミングがつかめず、足を踏み外す事への不安から、どうしてもまごついてしまうのだ。
それは成人男性においても同様で、この男性はショッピングモール内にあるエスカレーターに乗ることができずに躊躇していた。
多くの買い物客が不可解な顔で男性を眺め、エスカレーターに乗る中、ある親子だけは違った。
父親が男性がエスカレーターを怖がっているのがわかると、すぐに逆走し、男性の手を引き、乗るのを手伝ってあげたのだ。すると息子も応援に加わった。
エスカレーターが怖い男性に救いの手を差し伸べた父と子
男性は下りのエスカレーターの手すりにつかまり降りたそうにしているが、どうしても1歩が踏み出せないようで、なかなか乗れずにいた。
ほとんどの買い物客が不可解な男性の行動を横目で見ながら、エスカレーターで降りていく中、ある家族連れだけは違う行動をとった。
家族はいったんエスカレーターに乗ったものの、父親は男性が怖がっていることに気が付いて、「怖いのかい?」と声をかけ逆走して戻ってきたのだ。
そして男性の手を握り、男性をエスカレーターへと導いていった。

父親は男性の緊張をほぐすため、「落ち着いて、リラックスするといいよ」「実は私もエスカレーターが怖かったんだよ」やさしく話しかけた。
すると、先に降りていたバットマンのキャップを被った息子が「何があったんだい?」とエスカレーターをのぼってきた。
「エスカレーターを降りるときは私が”IT(それ)”と合図を出したら足をあげればいいよ。私が一緒だから大丈夫だよ」
父親が男性にそう話しかけていると息子は察したようで、「心配することはないさ、ぼくはバットマンだからね!」と男性に話しかけ、男性の手を握った。

父と子の親切により男性は無事エスカレーターを降りることができたようだ。

小さな親切は世界中で頻繁に行われているという研究結果を前に紹介したが、目を凝らせばいたるところで起きているようだ。
父親の行動を見て育つこの男の子は、真のバットマンになれるかもしれない。
written by parumo