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タイタニック号、驚きの3Dスキャン技術で鮮明によみがえる。残された謎の解明に期待

カラパイア


 1912年4月に、北大西洋の海底に沈没したイギリスの豪華客船「タイタニック号」。その沈没の謎は、いまだ正確には解明されていない。

 だが、111年の年月を経た今、初の実物大3Dスキャンが作成された。

 深海マッピングを使用して作成されたフルサイズのデジタルスキャンは、水を抜いた状態のタイタニック号を鮮明に見ることができる。

 今後の調査において、世界で最も有名な難破船の謎を解明する手がかりになることが大きく期待されているという。



Scan of Titanic reveals wreck as never seen before – BBC News

タイタニックの実物大を3Dスキャンで作成

 イギリス・サウサンプトンからアメリカのニューヨークへの処女航海中だったタイタニック号は、1912年4月24日に北大西洋上で氷山に座礁して海底に沈没し、乗船していた船員と乗客1,500人以上が死亡したと伝えられている。

 1985 年に難破船が発見されて以来、多くの専門家が広範囲にわたり調査をしてきた。

 しかし、船があまりにも巨大なため、深海の暗闇の中でカメラによって撮影しようとしても、朽ち果てた船の魅惑的なスナップショットになるだけで、その全体を映すことは不可能だった。

 去年、ある調査チームは船の高画質映像を公開し注目を集めたが、今回、別の調査チームは初めての実物大3Dスキャンを作成した。

 この新しいスキャンで、難破船の全体像が捉えられ全貌が明らかになった。  大西洋の深さ 3,800 メートルに沈むタイタニック号は、深海マッピングを使用して作成されていて、まるで水を抜いたかのように見える。

 タイタニック号の分析調査をしているパークス・スティーブンソン氏は次のように語っている。
この船に関しては、まだ答えるべき疑問や基本的な疑問が残っています。

このモデルはタイタニック号の物語を憶測ではなく、証拠に基づいた研究に向けて推進するための最初の大きなステップの一つとなります。


2022年にプロジェクトを開始

 この3Dスキャンは、深海マッピング作成会社マゼラン社と、このプロジェクトに関するドキュメンタリーを制作しているアトランティック・プロダクションズによって、2022年夏に実施された。

 専門船のチームによって遠隔操作された潜水艇が、沈没船の長さと幅の調査に200時間以上を費やし、あらゆる角度から70万枚以上の画像を撮影して、正確な 3D 再構成を作成した。

 この遠征計画の主導者でマゼラン社のゲルハルト・ザイフェルト氏は、「今までで最大の水中スキャンプロジェクト」だと述べている。

現場には、潮流もありますし、深さ約4,000メートルでの調査は困難を伴うものでした。

私たちは、沈没船に損傷を与えないよう、触れることを一切禁じられていたので、十分気を付けなければなりませんでした。

また、1 平方センチメートルごとにマッピングしなければならないことは、もう1つの大変な課題でした。


非常に詳細な3Dスキャンが作成された

 実物大というサイズ以外に、チーム一同が苦戦して撮影した画像スキャンには、プロペラのシリアル番号といった非常に細かな詳細も表示されている。

 船首と船尾は約 800 メートル離れ、2 つの部分に分かれている。壊れた船の周囲には、巨大な瓦礫が広がっている。

 現在、船首は錆びた鍾乳石で覆われているが、沈没してから111年経った今でも、すぐにそれと認識できるようだ。

 頂上にはボートのデッキがあり、ぽっかりと空いた穴から、かつて大階段があった場所の空洞を垣間見ることができる。

 だが、船尾は船が海底に突き刺さった際に、崩壊していて金属がむき出しになってめちゃくちゃな状態になっているという。

 また、周囲の瓦礫地帯には、船の装飾的な金属細工、彫像、未開封のシャンパンボトルなどの物品が散乱している。

 堆積物の上には、数十足の靴を含む個人所有物もあるそうだ。

How Did the ‘Unsinkable’ Titanic End Up at the Bottom of the Ocean? | National Geographic

沈没の謎の解明に期待

 タイタニック号を長年研究してきたパークス・スティーブンソン氏は、最初にスキャン画像を見たとき「衝撃を受けた」と語った。
潜水艇からは決して見ることのできない沈没船の全体像を見ることができるということは、状況や視点を全体的に見ることができます。

3Dスキャン画像は、沈没船の本当の状態を目にすることができるのです。
 同氏は、このスキャン画像を研究することで、1912 年の運命の夜にタイタニック号に何が起こったのかについて、新たな洞察が得られる可能性があると述べた。

私たちは、氷山との衝突の特徴を本当に理解していません。これまで上映された映画で示されているように、氷山に船の右舷側が衝突したかどうかさえわかりません。

ですが、船尾を研究すれば、船が海底に衝突した仕組みが明らかになる可能性があるでしょう。(スティーブンソン氏)
 現在、沈没したままの難破船は、海水や微生物によって損害を受け、部品は崩壊しつつあるため、歴史家はこの海難事故を完全に理解するには、時間があまりないと口にしている。

 だが、今回のスキャンにより、沈没船の細部まで精査できるようになる。

 タイタニック号の沈没の秘密が解明される日は、もしかしたらもうすぐそこまで来ているかもしれない。

References:Titanic: First ever full-sized scans reveal wreck as never seen before/ written by Scarlet / edited by parumo

 
   

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