top_line

【完全無料で遊べるミニゲーム】
サクサク消せる爽快パズル「ガーデンテイルズ」

「なか卯」親子丼値下げの秘策とは?「値上げしません!」日本企業決断の舞台裏:ガイアの夜明け

テレ東プラス


5月19日(金)に放送された「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは、「それでも値上げしません!~決断の舞台裏に密着~」。

値上げに立ち向かう企業が注目されている。看板商品の親子丼を値下げしたのが、外食チェーンの「なか卯」。さらに“10円均一”で客を呼び込むスーパーも。その結果、客足が増え、売り上げアップにつながっているという。
一方、値上げの回避を目指し、海外で巨大ビジネスを展開しようという経営者がいる。
南米の日系人たちと組み、日本の食卓を守ろうとする前代未聞のプロジェクトが始まっていたのだ。物価急騰のさなか、値上げにあらがう企業を取材。決断の舞台裏に密着した。

過去最大の“値下げ”で大勝負!看板“親子丼”に独自ノウハウ


値上げラッシュが続く中、「なか卯」(全国458店舗)は、人気の親子丼を値下げした。
その下げ幅は、過去最大の40円。お客さんも、「安くなったので食べますね」「他の飲食店が値上げしている中、あえて値下げするのはすごい」と称賛する。



40円の値下げはどうしてできるのか? 「なか卯」商品戦略部部長・須田壮一さんは、「なか卯の卵は特別で、鶏が食べる飼料からこだわっており、中にパプリカを入れている。取引先と契約しているので、市場に卵が出回らないため、価格も供給量も影響を受けない」と、その理由を話す。
さらに、卵の生産工場にも、値下げを可能にした秘密が。ほとんど人手をかけない、全自動の独自システムで店舗まで届けているのだ。
値下げしたことにより、親子丼の販売食数はもちろん、お客さんの数や売り上げが増えているという。


ここにも、値上げにあらがう企業がある。もやしなどの発芽野菜を製造・販売をする「サラダコスモ」(岐阜・中津川市)だ。有機栽培にこだわり、この20年間、値上げをしていないという。
物流費や電気代などが上昇し、ライバル各社が値上げに踏み切る中、値上げしないのには、中田智洋社長(72)の強い思いがあった。


若い頃、バックパッカーとして世界を旅した中田さんは、30歳を前に家業を継ぎ、もやしの生産を始めた。当時珍しかった「漂白しないもやし」にこだわり、2年前には最新鋭の工場(岐阜・養老町)を設立。人手不足を補うために全工程を自動化し、1日100トンものもやしを生産。50%のコスト削減に成功した。


「サラダコスモ」は43年連続の黒字経営で、年商200億円の優良企業。
中田さんは電気代高騰を受け、急きょ太陽光パネルを貼る計画を進めるなどし、コスト削減の努力を惜しまない。
「国民の多くは給料が上がっていない。国民に寄り添う会社であるならば、価格問題は踏ん張って、1円でも値上げしないようにするのが企業努力だと思う」と話す。

2月中旬。中田さんが向かったのは、アルゼンチンの首都・ブエノスアイレス。南米のパリと呼ばれ、ヨーロッパ文化が香る街だが、一歩出れば、そこには「パンパ」と呼ばれる肥沃な草原が広がっている。
アルゼンチンは、大豆の生産ではブラジルやアメリカに次ぐ世界第3位で、大量に穀物が作れ、コストも安い。中田さんは20年前に広大な土地を買い、自社農場を開設した。
作るのは、日本の自給率がわずか7%の大豆。しかも、ここで作られるのは遺伝子を組み替えていない大豆で、中田さんの大豆作りは順調だ。


さらに中田さん、大豆と並ぶもやしのもう一つの原料「緑豆の種」を生産するため、面積7700ヘクタール(山手線内側の1.2倍)の広い土地を約30億円で購入。緑豆の種は、これまで中国などから買っていたが、価格が急騰していた。
「いいものを安く。本当にお客に喜んでもらえるように。野菜業界のユニクロになる」。
中田さんは、ここで緑豆だけでなく穀物も育て、日本で食糧危機が起きた時には、真っ先に送りたいと考えていた。

有機栽培で植えた緑豆の苗。しかしそばには、その緑豆を覆うように雑草が伸びていた。
オーガニック栽培の大敵の1つが、この雑草。そこで中田さんは、アメリカから約1億円で電気除草機を購入し、雑草問題を解決しよう試みる。除草機の先端に取り付けた1.5万ボルトの電気が流れる銅管は、次々と雑草を感電させていく。


3日後、作業を終えた場所を見てみると、1.5万ボルトに触れた雑草はご覧の通り。


しかし、低い位置にある雑草は元気なままだった。これは、緑豆を守るため、電流が流れるバーを、緑豆より高い位置にセットせざるを得なかったから。
本来は、緑豆の種を植える前に雑草を処理する予定だったが、アルゼンチン当局の輸入許可が大幅に遅れ、除草機の到着が間に合わなかったのだ。そのため、低い草が大量に残る結果になってしまった。

安くて安全な緑豆を作ろうと挑んだ取り組みは失敗に終わったが、来年への手応えはつかんだ。「機械が遅かっただけ。打つ手ははっきりわかった。あとはやるだけ」と中田さんは前を向く。

続いてやってきたのは、約900人の日系人が暮らす移民の街、パラグアイ・イグアス。子どもたちは、学校に通いながら日本語も学び、いつか日本企業で働くことを夢見ている。


中田さんが通されたイグアス農業協同組合の部屋には、日本からの感謝状が。東日本大震災の時、イグアス農協が大豆を日本に無償提供し、中田さんがそれを100万丁の豆腐にして被災者もとへ届けたのだ。

イグアス農協は、自分たちも苦しい中、今回も一肌脱いでくれることに。組合員たちが高騰する発芽野菜の種を作ってくれることになったのだ。中田さんとイグアス農協との強い絆は、20年以上前にさかのぼる。そこには、ガイアのカメラだけが知る涙の物語があった……。

中国との闘い!?世界の穀物争奪戦の舞台裏


小麦やことうもろこし、大豆や菜種など、多くの食糧を輸入に頼っている日本。
国は不測の事態が起こった時に備え、国民の生活を守るために備蓄しているが、その一翼を担うのが、国内最大級の穀物貯蔵庫を持つ「昭和産業」(東京・千代田区)だ。


80年に渡って日本の食を支えてきた「昭和産業」は、日本で初めて天ぷら粉を発売。さまざまな食用油も製造し、年商は3350億円(2023年3月期)。
その「昭和産業」も、この2年あまりで、7回に及ぶ商品の値上げに踏み切った。

4月上旬。「昭和産業」の本社で緊急会議が開かれた。話題は、ロシアによる侵攻後、初めて日本に入るトウモロコシ船について。ウクライナ産のトウモロコシだ。
穀物調達の部署を率いるグレインプロキュアメント部長・飯塚敦士さんは、
「ウクライナ産はロシアがいつ輸出合意を破棄するか分からないから、期待できない。アルゼンチンが不作の中で、頼れるのはブラジル」と、製粉・油脂原料グループの齋藤貴文さんにアドバイスする。


齋藤さんが電話をかけた「伊藤忠」の穀物トレーダーによれば、ブラジルは1億5000万トンを超える大豊作が見込まれているそう。価格も抑えられるはずだが、気になるのは中国の需要だ。聞けば、「3月は、例年の5割くらいの買い付け数量に落ち込んでいる」という。中国の需要はそこまで大きくないと判断した齋藤さんは、今のうちにブラジル産を確保することに。

こうした綱渡りの争奪戦に、業界団体トップも務める「昭和産業」新妻一彦会長は、強い危機感を抱いていた。「日本は、輸出国に対して非常に厳しい品質要求レベルをかけている。対して、人口が多い中国は量の確保を最優先するバイイングパワーを持っている。どちらを輸出国は優先するのかという議論になったら、(結果は)明白」。

価格転嫁が進まない日本…。このままでは、海外との競争は厳しくなる一方だが、日本が“買い負けない”秘策とは? 安定調達はできるのか?

この放送が見たい方は「テレ東BIZ」へ!
 
   

ランキング(エンタメ)

ジャンル