昨年の全米女子アマを制した馬場咲希さんを、中学1年から指導しているのがプロコーチの坂詰和久(さかづめかずひさ)、通称『わきゅう』だ。坂詰コーチと20年以上の付き合いがあるベテラン編集者Oが、謎キャラコーチの気になる話を聞き出す! 今回は坂詰コーチのティーチングの基になっている「TPIメソッド」がテーマだ。
「100人いたら、100通りのスウィングがあっていい」。それがTPIメソッド
O編 今回は、TPIについて聞いてみようと思うんだ。ほら、その名前とか存在は知っていても、詳しくはわからないって人も多いでしょ?
坂詰 なるほど。まず、TPIというのはTitleist Performance Institute の略です。和訳すると『タイトリストパフォーマンス研究所』ですね。簡単に説明すると、スウィングメカニズム、クラブフィッティング、身体の構造や機能など、あらゆる面から、どうしたら効率のよいスウィングができるのか。そのためにはどんなエクササイズやトレーニングをしたらいいのか、などを研究する施設ということになります。
O編 わきゅうは、そのインストラクターの資格を取って、そのメソッドを基にティーチングをしてるんだよね?
坂詰 そうですね。ボクは、レベル3 という資格を持っています。最近は日本でもTPIのインストラクターは増えてきましたけど、USPGAやUSLPGAのティーチングプロは、ほぼ全員がTPIの理論を学んで、資格を取っているんですよ。
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O編 そうらしいね。ところで、わきゅうは、いつ頃TPIに出合ったの?
坂詰 2010年ですね。その頃、TPIのリードインストラクターの山口英裕さんに会う機会があって。で、話を伺ったら腑に落ちることばかりだったので、ちゃんと学んでみようと思ったんです。
O編 腑に落ちるって?
坂詰 当時は、まだ手探りでやっていたので、迷ったり、わからなかったりすることがたくさんあったんです。そういう疑問に対する答え合わせができたんですよ。
O編 TPIのメソッドの特徴は、どんなところにあると思う?
坂詰 それはもう、100人いたら、100通りのスウィングがあっていい、というところじゃないでしょうか。効率のよい体の使い方さえできていれば、デザイン=形は気にする必要はないって考え方なんです。