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内枠有利、ルメール騎手が圧倒的な成績を残す 東大HCが東京芝2400mを徹底検証

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コース紹介

今月末は東京競馬場芝2400mで、牝馬クラシック第二冠・GⅠオークスと牡馬クラシック第二冠・GⅠ日本ダービーが行われる。樫の女王決定戦は、桜花賞を衝撃の末脚で制したリバティアイランド一強の様相。絶対女王に桜花賞2、3着のコナコーストやペリファーニア、クイーンCを制したハーパーらが挑む構図だ。一方、日本ダービーは皐月賞でほとんど最後方から追い込んだソールオリエンスを中心に、青葉賞勝ち馬スキルヴィングや皐月賞組のファントムシーフ、タスティエーラらが集結する。

まずはコース紹介。東京芝2400mは大箱の東京コースを1周する。ホームストレッチをスタートし、1コーナーまでは平坦な道を進んだ後、向正面半ばまでだらだらと下っていく。向正面の坂こそあるものの、登り切ると再び3コーナー途中まで下り坂。ここでスピードアップした各馬を待ち受けるのが、直線の高低差約2mの坂。長丁場で最後までタフさを問われる、チャンピオンコースにふさわしいフェアな形態だ。

当該コースの重賞は4レース。グレード順に、GⅠは全てのホースマンの夢・3歳馬の頂点を決する日本ダービーにオークス、国内最高峰のレース・ジャパンカップの3つ。GⅡはダービートライアルの青葉賞が行われる。そんな東京芝2400mを過去10年データを使用して分析していく(使用するデータは2013年5月4日~2023年5月14日)。


内枠有利、脚質別成績は拮抗


<過去10年の東京芝2400m枠順成績>
1枠【34-33-26-281】勝率9.1%/連対率17.9%/複勝率24.9%
2枠【43-22-42-285】勝率11.0%/連対率16.6%/複勝率27.3%
3枠【30-32-35-314】勝率7.3%/連対率15.1%/複勝率23.6%
4枠【31-32-31-333】勝率7.3%/連対率14.8%/複勝率22.0%
5枠【36-36-29-356】勝率7.9%/連対率15.8%/複勝率22.1%
6枠【35-42-33-375】勝率7.2%/連対率15.9%/複勝率22.7%
7枠【38-43-41-438】勝率6.8%/連対率14.5%/複勝率21.8%
8枠【40-45-51-450】勝率6.8%/連対率14.5%/複勝率23.2%

まずは枠順成績。周知の通り、東京芝2400mは内枠有利の傾向が非常に強い。1枠の勝率が9.1%、2枠の勝率が11.0%と、勝率7.0%前後の他の枠とは一線を画している。この傾向はGⅠになるとさらに強まり、過去10年のGⅠでの1枠は【8-8-4-37】勝率14.0%で、単回収率217%と抜けた値を記録。馬場管理技術の向上により、イン有利のトラックバイアスが強化されたのが内枠有利の要因の一つだろう。19年に12番人気でダービーを制したロジャーバローズも1枠1番。また、昨年のオークスでスタニングローズ(10番人気2着)も1枠2番から穴を開けた。人気馬が内枠に入った場合は逆らわず、穴も内枠から狙うのが賢明だろう。

また、オークスにはいわゆる「死に枠」が存在することも抑えておきたい。該当するのは6枠。なんと、過去10年のオークスでの成績は【0-0-0-20】で1頭も馬券に絡んでいない。平均人気が11.4番人気と、あまり人気馬が入っていないという事情はあるものの、過去にはソダシ(1番人気8着)やC.ルメール騎手が騎乗したエンジェルフェイス(3番人気10着)が敗れている。


<過去10年の東京芝2400m脚質別成績>
逃げ【33-27-22-211】勝率11.3%/連対率20.5%/複勝率28.0%
先行【98-105-103-682】勝率9.9%/連対率20.5%/複勝率31.0%
差し【106-105-101-1006】勝率8.0%/連対率16.0%/複勝率23.7%
追込【47-45-56-896】勝率4.5%/連対率8.8%/複勝率14.2%

次に脚質別成績。数字上はセオリー通りやや前有利。しかし、他のコースに比べると逃げ残りが少なく、どの脚質でも十分勝負になる。直線が長く、実力勝負になりやすい東京コースらしい結果だ。さらにOP以上に限ると、逃げ【3-2-2-42】勝率6.1%、先行【13-19-8-135】同7.4%、差し【23-21-30-268】同6.7%、追込【8-7-8-188】同3.8%と、追込を除く全ての脚質で勝率が拮抗。クラスが上がれば脚質ごとの有利不利は小さくなると言える。

しかし、オークスでは過去10年で追込2勝、差し7勝と末脚勝負になりやすい。2400mは出走するほとんどの牝馬にとって未知の距離。多くの馬が折り合いを重視した結果、スローペースとなり、最後の直線での瞬発力勝負になりやすいのではないか。データ上も上がり3F1位の馬は【7-3-1-2】で勝率53.8%、単回収率393%と破格の値を残している。

ちなみにダービーも上がり3F1位の馬が【3-2-3-4】複勝率66.7%となっている。前走の桜花賞で上がり32.9という圧巻の末脚を繰り出したリバティアイランド、前走の皐月賞で上がり2位の馬より0.9秒速い脚で差し切ったソールオリエンス。どちらも逆らわない方がよさそうだ。


C.ルメール騎手が圧巻の成績


<過去10年の東京芝2400m種牡馬別成績>
ハーツクライ【26-19-19-208】勝率9.6%/連対率16.5%/複勝率23.5%
ドゥラメンテ【5-4-4-21】勝率14.7%/連対率26.5%/複勝率38.2%
キタサンブラック【2-1-2-8】勝率15.4%/連対率23.1%/複勝率38.5%

今年のオークスやダービーに産駒を送り出している種牡馬の中では、ディープインパクトがトップの成績。過去10年で62勝を挙げている(2位は29勝でステイゴールド)。3位にランクインしているのはハーツクライ。昨年もドウデュースがダービーを制しており、爆発的な末脚を武器とする馬が多い同産駒にとって、東京芝2400mは絶好の舞台といえる。今年のオークスではソーダズリングとハーパー、ダービーではハーツコンチェルトが該当する。

リバティアイランドやドゥラエレーデなどのドゥラメンテ産駒は、勝率、連対率、複勝率の全てでハーツクライ産駒を上回っている。脚質が差しの場合に限ると【3-2-1-4】で勝率30.0%とさらに成績が良くなる。昨年もオークスでスターズオンアースが大外枠から豪快な差し切りを決めている。2年連続の二冠牝馬誕生となるか注目だ。

皐月賞馬ソールオリエンスを擁するキタサンブラック産駒は、勝率、複勝率でドゥラメンテ産駒をわずかに上回る。こちらはサンプル数が少ないのもあり、追込2勝でその他の脚質は0勝という極端な成績。オークスではラヴェルら3頭、ダービーではソールオリエンスと青葉賞勝ち馬スキルヴィングが出走予定だ。唯一リバティアイランドに勝利しているラヴェルは、前走、前々走で外枠に泣いた。ここで巻き返しがあってもおかしくない。


<過去10年の東京芝2400m騎手別成績>
C.ルメール【46-27-13-49】勝率34.1%/連対率54.1%/複勝率63.7%
川田将雅【7-12-5-34】勝率12.1%/連対率32.8%/複勝率41.4%
D.レーン【9-4-6-24】勝率20.9%/連対率30.2%/複勝率44.2%

騎手別成績では、C.ルメール騎手が46勝でトップ。2位の戸崎圭太騎手に22勝差をつけて独走している。オークスも過去10年で3勝(22年スターズオンアース、18年アーモンドアイ、17年ソウルスターリング)しており実績十分。今年のオークスではハーパー、ダービーではスキルヴィングに騎乗予定。ハーパーは東京コースのクイーンCを制しており得意舞台。ルメール騎手本人も「距離はあったほうがいい」とコメントしており、桜花賞4着からの巻き返しに期待だ。

オークスで圧倒的1番人気になる可能性が高いリバティアイランドに騎乗する川田将雅騎手はまずまずの成績。前走上がり3F1位の馬に騎乗すると【5-2-0-7】勝率35.7%、単回収率108%だ。上がり33.2の鬼脚を使いながら中日新聞杯で4着に敗れたプログノーシスを、次走の金鯱賞できっちり勝たせたように末脚を余さず活かし切る騎乗に長けている印象だ。14年のオークスでは、ハープスターで単勝1.3倍の一番人気に支持されながら、ヌーヴォレコルトを差しきれずクビ差の2着に敗れた。9年ぶりにリバティアイランドとその雪辱を果たせるか、注目だ。

D.レーン騎手はオークスではコナコースト、ダービーではタスティエーラに騎乗予定で、どちらも乗り替わりになる。このコースでは勝率20.9%と好成績を上げており、プラスに捉えたいところ。しかし、継続騎乗の場合は【3-1-0-2】勝率50.0%であるのに対し、乗り替わった場合は【6-3-6-22】勝率16.3%と大きく落ちる。一抹の不安が残るが、ヴィクトリアマイルでもソダシをテン乗りで2着に導いており、このデータに敏感になりすぎる必要はないのかもしれない。


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《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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