
制限スルーで飛ばしまくる危険なスピード違反車は各国共通の悩みの種だが、カナダではその対策として初導入された新たな信号機が話題になっている。
目下試験中のその信号機は「FRED」という名称で、なんと制限速度を守っている車だけを通すという。
FREDは赤がデフォルト。そこに車が来るとまずスピードをチェックし、制限内なら青に切り替わる。だが制限を超えるスピードだと切り替わらない。
つまりスピード違反の車のみを強制的に立ち止まらせる信号だ。この斬新な信号に海外メディアも注目している。
Kalitec – EARL / FRED
カナダに通常赤の新信号。接近車の速度が制限内だと青に
カナダのケベック州の都市ブロッサールでは、スピード違反のドライバーを減らすために作られた新しい信号機が試験運用されている。カナダ初となるこの信号機は通常赤。だが…

接近する車があると速度をチェック!
その速度が制限内なら青に。超えてる間は青にはならず、車が通過した後は黄色から再び赤に戻る仕組みのようだ。

現在の設置場所はケベック州の公立学校のスクールゾーン付近。ここは以前からスピード過多の危険な車がビュンビュン通っていたため試験にふさわしいエリアになった。
その名はFRED。暴走ドライバーを足止めする「教育用停止灯」
FREDという略称で呼ばれるこの信号機の正式名称は「feu de ralentissement educatif 」フランス語で「教育用停止灯」を意味する。この道は時速30キロ以下で青になるもよう

ドライバーが制限速度を守ってさえいれば難なく通れる一方で、暴走ドライバーをきっちり足止めする設計はたしかに教育的かもしれない。
わずか1週間で効果あり。平均時速40キロが29キロに!
ちなみに効果はかなりばつぐんの様子。試験期間は90日の予定だが、最初の1週間で効き目が出てきたもよう。カナダ全土のスクールゾーン付近はスピード違反の抑制になる具体的な手段を求めています。この技術はまだ政府に受け入れられてませんが、私たちはテストとして実施します。そう述べていたブロッサール市長アサード氏の報告によると、現在信号がある2車線の道路、トラヴィンスキー通りを行き来する車の速度は格段に下がった。
設置前は平均時速40キロだったスピードが、わずか1週間後にはなんと29キロまで下がったそうだ。
その間の交通量の変化は不明だが、信号がわずらわしくてルートを変えた暴走ドライバーもいそう。単に避けただけともいえるが学童が通るスクールゾーン的には事故リスクの低下になるし、それも一種の成功だろう。
カナダでは初でもヨーロッパで10年以上の実績あり
なおカナダでは初の導入となったFREDだが、実はヨーロッパでは10年以上前から使われておりうまく機能してきた実績がある。そういやこれイギリスが試験導入した常に青で車が近づいた時だけ赤になる歩行者優先信号に似たものがあるな。
もちろん効果は限界があるし過大な期待は禁物だけど、制限速度を守るだけでスムーズに通れるならあらかじめ減速する人も増えそう。
信号に「速度よし!」って太鼓判押されてる感じ?

常軌を逸したスピードは本人のみならず、無関係な人まで巻き込むいたましい交通事故を引き起こす。
今はオービスなどのスピード違反取締装置や交通監視カメラもあるけれど、ドライバーの目につく信号でスピードの出しすぎを真っ向から積極的に抑止するのはけっこう興味深いかも。みんなはどう思う?
References:designtaxi / jalopnikなど /written by D/ edited by parumo