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学歴主義の韓国、芸能人の進学事情に変化? 背景にあるものとは

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 新年度がスタートして早1ヶ月が過ぎた。そんななかで今年度は特に芸能人の大学進学がクローズアップされている年ではないだろうか。今年大学に進学をした芸能人は子役時代から活躍しながらも学業と芸能活動を見事に両立させ慶応大学法学部に進学した芦田愛菜をはじめ、鈴木福や本田望結、谷花音、池田レイラなど以前と比較すると増えている印象を受ける。

 一方、韓国と言えば「学歴主義」という言葉が当てはまるほど、受験戦争が厳しいことで知られ、毎年11月に行われる大学入学試験の「修能(スヌン)試験」の様子は日本のニュースでも伝えられる。最終学歴が将来を左右すると言っても過言ではない韓国の学歴主義であり、実際に韓流スターと呼ばれる芸能人たちも大学や大学院を出た高学歴が多い。しかし、進学をしたものの中退や除籍となったケースも多々あり、学業と芸能活動の両立は並大抵でないと言える。それでも、芸能人が大学進学にこだわるのは「学歴」が芸能キャリアにも影響を及ぼすと考えられているためでもある。

 しかし、最近は韓国における大学受験をめぐる状況、さらには芸能人の進学事情が変わりつつあり、学歴主義が変化しつつある。

◆芸能人の学歴主義に異変あり?
 学歴主義に変化が見られる理由は日本以上に進む少子化があると言える。名門大学やソウル圏の人気大学を除けば地方を中心に定員割れの大学が続出。大学も学生の獲得に必死である。受験生も負担の大きい「修能試験」よりも推薦入試で大学を受験する傾向が年々強まっている。

 芸能人の進学事情も変わりつつある。たとえば「国民の妹」という愛称で確固たる人気を得ている歌手で女優のIU(アイユー)は大学進学せず、芸能活動に専念する道を選んだ。彼女は過去のインタビューで「勉強が得意ではなかったこと」「学業と芸能活動の両立に自信がなかったこと」などを理由に大学に進学を考えなかったという気持ちを率直に述べていた。前述のように「学歴が芸能キャリアにもモノを言う」ということを考えれば、彼女の選択は大胆かつ勇気のいることであったのではないかとうかがえる。

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 そして、IUに限らず近年では進学をしない芸能人が増えている。特にK-POPのアイドルグループにはそのような傾向が見られ、世界的なガールズグループとして知られるBLACKPINK(ブラックピンク)は全員が中卒者であるほか、TWICE、IVE、LE SSERAFIMのメンバーの多くも高校卒業後に芸能活動に専念している。

◆K-POPアイドルの激しい生存競争が背景に?
 一方、男性グループのBTSについては全メンバーが通信制である「サイバー大学・大学院」に在籍をしている。特に女性アイドルは進学を選択しないケースが目立つ反面、男性アイドルについては芸能活動を続けるにあたり避けては通れない兵役問題があることから進学を選ぶケースが多いものの、前述のBTSメンバーのように通学制の大学ではなくサイバー大学へ進学するなど、進学の方法も多様化していると感じる。

 芸能人の進学事情に変化が見られる背景には、特にK-POPアイドルについては活動が韓国内にとどまらず海外にも広がっていることが挙げられる。また、アイドルグループの寿命は7年が限界という「7年目のジンクス」という言葉があるように、入れ替わりと競争が激しいなかで活動を継続させていくことの難しさも「学歴よりも芸で勝負する」ということの強い表れでもあると言える。いずれにせよ、かつてと比較すれば男女ともに芸能活動をしていく上で今や必ずしも学歴は重要ではないという考えが広がっているように見受けられる。

 韓国も日本も学歴や学校名が影響を及ぼす場面はまだ多々あるものの、それだけで安泰と言える時代ではなく、これからは大学に進学することの意味や目的がさらに問われることになっていくとも言えるのではないだろうか。

在外ジャーナリスト協会会員 原美和子取材
※本記事は在外ジャーナリスト協会の協力により作成しています。

 
   

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