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変質するG7サミット 中国が中国・中央アジアサミットをぶつける意味

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 主要7ヶ国首脳会議(G7サミット)がまもなく広島で始まる。今回のサミットにはG7諸国だけでなく、インドや韓国など価値観を同じくするパートナー諸国も招待され、ウクライナ侵攻を続けるロシアや台湾情勢をめぐって緊張を高める中国などの現状打破国に対し、強いメッセージを発信するものとみられる。また、開催場所が広島ということで、ロシアによる核兵器使用の可能性も排除できないなか、核兵器についての象徴的な会議になると思われる。そのようななか、筆者は最近、G7サミットの意味が大きく変化していると感じる。

◆中国が対抗措置か
 G7広島サミットが迫るなか、中国外務省は今月8日までに、18日から2日間の日程で、陝西(せんせい)省西安市で「中国・中央アジアサミット」を開催すると発表した。ウズベキスタンやカザフスタンなど中央アジア5ヶ国の指導者が訪中し、中国の習国家主席が議長を務め、経済や安全保障などについて議論を交わすとみられる。また、習政権で欧州アジア事務特別代表を務める李輝氏が15日からロシアとウクライナを訪問し、戦争の政治的解決に向けて各国と話し合うことも発表された。

 ここで疑問となるのは、なぜこのタイミングかということだ。特に、前者の中国・中央アジアサミットは明らかに広島サミットとタイミングが重なるもので、そこにはG7に対抗しようとする中国側の政治的思惑が明らかに見える。G7サミットで中国に対抗するメッセージが発信されることは間違いなく、中国もそれは十分に織り込み済みだろう。あえてこのタイミングで中央アジア5ヶ国の首脳を呼び寄せる背景には、グローバルサウスを中心とするそのほかの諸国に、中国の存在感をアピールしたい狙いがあると考えられる。

 欧米を中心にウクライナ侵攻したロシアに制裁を強化するものの、それに加わっているのは40ヶ国あまりにとどまっており、むしろ中国やロシアとの経済的関係を強化する国々もみられる。中国も欧米中心の世界秩序が衰えてきていることを実感し、G7の存在感を低下させようとしているように映る。

◆変わるG7サミットの意味
 こういった状況を見ていると、G7の意味合いが以前から大きく変わっていると感じる。以前、G7といえば先進国が集まり、世界の政治や経済でリードしていくという、まさに世界秩序の中心にG7があった。しかし、今ではG7は「世界秩序を中心になって作る」というより、「自らの陣営を守る、対抗勢力に屈しない」という一つのグループになっている。

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 そして、この姿勢は今後中長期的に続き、おそらく以前のようなG7に回帰することはないだろう。すでに欧米の力は以前のようなものではなく、今後その対抗勢力が「新たなG7」を形成するかもしれない。この変化は今回の広島サミットでも顕著に見られることだろう。

 
   

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