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辛い時期をともに乗り越え、強い絆で結ばれた牛とヤギの物語

カラパイア


image credit:mockingbirdfarmsanctuary/Instagram

 アメリカ・ニューヨーク州にある保護区に、15歳のヤギ(オス)と11歳の牛(オス)が救助されてやってきた。

 2頭は、前の飼い主から頼まれ隣人の世話を受けていたが、飼い主に取り残された環境は決して良いものとは言えなかった。

 年老いた2頭は、何年も困難に耐えながら、互いに身を寄せ合って支え合い、なんとか生きてきたようだ。

 保護区に救助された後も、2頭は肉親のように強い絆を育み続け、寄り添って一緒に眠る。今、2頭は保護区の人にかわいがられて、幸せに暮らしている。



Why a goat keeps attaching to this cow like a magnet

11歳の牛と15歳のヤギが築いた絆

 ニューヨーク州バイロンにある動物保護区『モッキンバード・ファーム・サンクチュアリー』では、シドという名前の年老いたオスのヤギ(15歳)とレムという名前の年配のオスの牛(11歳)が、親子のように仲睦まじく暮らしている。

 他の動物たちと一緒に、保護区でこの2頭を世話しているのは、ジャネルさん一家だ。

 ジャネルさんによると、シドとレムは辛い環境を何年も乗り越えてきたそうだ。
もともと、シドとレムは酪農業から救助され、救済者の女性もとで飼われていました。

でも、女性が病気になり、動物の世話をすることが困難になったのです。住んでいた場所を去らなければならず、動物たちは取り残されてしまいました。

女性は、隣人に動物たちの世話を依頼し、隣人はできる限りのことをしていたようですが、その環境は良いものではありませんでした。
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寒い時にもお互いに体を寄せ合い生きのびたシドとレム

 2頭が残されたシェルターは、十分な餌や水がなく、暖かではなかった。

 寒い冬の間、シドはレムの大きな体にピタリと寄り添い、暖を取った。何年もの間、ずっとそうやって過ごし、2頭で支え合って生き延びてきた。

 だが、世話ができない状況になった隣人は、最終的に保護区のジャネルさんに連絡。そうして2頭は保護区で世話を受けることになった。

 当時を振り返って、ジャネルさんはこのように話している。
保護区に来たシドは、うれしさや安堵を表現するかのように、飛び回っていました。

シドは、保護区に来ても長年の習慣で、寒い時にはずっとレムの体に寄り添っています。シドにとって、レムは大きな息子のような存在なのでしょう。

2頭は離れられない絆を築いているし、シドはレムがいないと眠れないので、2頭が夜一緒に眠れるように特別な小屋も作りました。

レムは、生まれた時からずっとシドと一緒にいたようです。だから、シドが8日間入院して保護区を離れた時には、心配だったのでしょう、ずっと泣いてさみしそうにしていました。

シドが戻ってくると、においを嗅いで後ろをついて回り、とてもうれしそうでした。
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これからもシドとレムには幸せに長生きしてほしい

 ジャネルさんの言葉からは、2頭を深く愛する気持ちが伝わってくる。
人間が動物たちから学ぶことは、たくさんあります。ただ動物を観察するだけで、それに気付くことができます。

動物は、嘘をつきません。動物は、とても正直です。

高齢のシドとレムは、いつも一緒にいて、その穏やかな姿を毎日見ることができるだけで、私はとても光栄に感じます。

ただ、シドはかなり高齢なので、健康状態が心配です。ヤギの平均寿命は15~17歳ですし、シドはいつ何が起こってもおかしくない年齢です。

私たちは、シドの毛色の変化など気を付けながら栄養補給をして、シドが少しでも長生きできるよう日々モニタリングしています。

レムは、シドがとても高齢だということに気付いていて、とてもやさしく接していますが、シドを失う日が来たら、レムはとっても悲しむことでしょう。

言葉でうまく伝えることは難しいですが、2頭は私にとって特別なんです。2頭がここまで長生きしているのは、ある意味奇跡です。

どの動物にも、それぞれの物語があります。2頭の間にある愛や絆、あたたかさは、とても素晴らしく、私たちをいつも幸せにしてくれます。
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 困難な時期に、保護と暖かさを求め合って互いを支えてきたシドとレム。

 牛は親友を作る動物として知られている。同姓の牛と一緒にいることで、ストレスレベルが下がるという研究結果も報告されている。

 また、ヤギも愛情深い動物として知られており、異種の動物とも深い絆を結ぶ。どちらも社会性の高い動物なのだ。

 かつて、親友だった牛とヤギが離れ離れとなり、牛は餌がのどを通らなくなってしまったこともある。

 シドとレムの関係もとても深いのだ。高齢の2頭が、これからも保護区で幸せに暮らしていけることを、ジャネルさんは願っている。

References:Bonded Senior Goat And Cow Sleep Cuddled Up Together Every Single Night/ written by Scarlet / edited by parumo

 
   

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