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人口世界一のインド、「人口ボーナス」の恩恵を受けられるのか?

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 国連が4月19日に発表したデータによると、インドが2023年半ばには中国を上回り、人口最多国となる見込みだ。同時に、インドで急増する若年層が今後の経済成長の燃料となる可能性については疑問が生じている。

 インドの15~24歳の人口が2億5400万人と世界最多を記録する一方、中国は高齢化と人口成長の鈍化に悩まされている。このような状況を受け、インドがこの人口動態の変化を足がかりに経済的・世界的大国へとのぼり詰めるのではという見方が強まっている。

 インドの若年層は、同国の今後の経済成長を助長する力を持っているが、雇用が不十分な状態ではいつでも問題に転じ得るだろう。エコノミストらはインドの経済について「人口の増加と同じく最速ペースで成長を遂げている一方、失業率も上昇している」と指摘している。

 テクノロジー大手のアップルは、インドをこれからの製造拠点にしていきたいと目論む企業の一つだ。同社は生産の一部を、生産年齢人口の減少に伴い賃金が上昇している中国から他国に移しているところだ。

 国連の報告書によると、インドの人口は、今年半ばには中国を約290万人上回る見込みだ。国連の予測では、その時点におけるインドの推定人口は14億2860万人。対する中国本土は14億2570万人としている。人口統計学者らによると、インドでは2011年以降国勢調査が行われていないため人口に関するデータには限りがあり、時期を正確に計算することはできない。

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 中国は、少なくとも国連が人口データの発表を開始した1950年からずっと人口世界一の座を維持してきた。中国とインドの人口はいずれも14億人を超え、合計すると、世界の人口80億人の3分の1以上を占めている。

 つい最近まで、もう10年ほどはインドの人口が世界最多となることはないだろうと考えられていた。しかし中国で世帯あたりの子供の数が減少し、出生率が低下したことにより、その時期が早まった。

 中国とは対照的にインドは若者の数がかなり多く、出生率が高い。さらに、過去30年間の乳児死亡率も低下している。しかし世界銀行のデータを見てみると、1960年には女性1人あたり5人超出産していたところが2020年には2人あまりとなっており、出生率は着々と減少している。

 インドの人口は、独立を勝ち取った76年前の4倍を上回る。人口世界一の国となることが確実視されるなか、同国は深刻さを増す気候変動の影響や、都市部の市民と農村部の市民の間に広がる不平等、男女間の経済格差、そして激しさを増す宗教的対立といった問題に直面している。

 今回の報告書とあわせて実施された1007人のインド人を対象とした調査では、人口の変化について63%が「最大の懸念は経済問題」と回答した。次いで環境、健康、人権について懸念する声が多く上がった。

 国連人口基金インド代表のアンドレア・ワイナー氏は声明で、「調査結果から、人口に関する不安が一般市民の大部分に広がっていることがわかる。しかし、人口が不安の芽となったり恐怖を生んだりするべきではない。個人の権利や選択が守られているのであれば、進歩と進展のシンボルと見なされるべきものだ」と述べている。

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