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フジジュンの「ライブ終わったらど~する?」#12 「バンドの圧倒的オリジナリティは、“秘伝の特製ダレ”に秘密がある!」

DI:GA ONLINE

BIGMAMA『BIGMAMA COMPLETE』
2023年4月22日(土)横浜BAY HALL

仕事とプライベートを合わせて、年間約120本のライブを見ているフジジュン(おもしろライター)。基本、ぼっち参戦の筆者がライブ終わり、余韻を残したままにどんな過ごし方をしているか? を報告する連載。「このライブハウス行くなら、帰りはここがオススメ!」など、みなさんのおすすめの過ごし方も募集します! 今日ライブ終わったら、ど~する?

“ライブを観に行く土地”という印象が、そんなに無かったんだけど。最近、やたらと行く機会が増えたのが横浜。横浜の再開発で出来た、ぴあアリーナMMやKT Zepp Yokohama。あと、横浜駅近くに横浜BuzzFrontなんてライブハウスも最近出来て、横浜に行く機会がやけに多い。今年9月にはKアリーナ横浜がグランドオープンして、また行く機会が増えるだろうなんて思ってるのだが。この日、BIGMAMAの「BIGMAMA COMPLETE」ツアーの横浜公演で訪れたのは、1995年開業、もはや老舗ライブハウスと言える、横浜BAY HALL。

横浜みなとみらいと呼ばれる土地から少し外れた元町中華街駅から、歩いて15分。マリンタワーや倉庫街を眺める会場周辺に、昔ながらの横浜の雰囲気を残すこの会場。もともとは90年代前半、プリンスがプロデュースした「グラムスラム」というディスコだったそうで。倉庫のような簡素な外装とは裏腹に、階段にレッドカーペットが敷かれ、ライブフロアは豪華なシャンデリアが飾られた館内は、モダンでゴージャスな造り。半円形のフロアは3段階のステップ状になってて、ステージ近くで臨場感を味わいたい人から、ステージ全体を広域で眺めたい人まで、色んな楽しみ方が出来るのもこの会場の特徴。

開演時間となり、横浜BAY HALLのステージに登場したBIGMAMA。柿沼広也(Gt/Vo)のエッジィなギターにBucket Banquet Bis(Dr)のタイトなドラムが重なり、始まった1曲目は「ダイヤモンドリング」。安井英人(Ba)の重厚なベース、東出真緒(Vn/Key/Cho)の美しいヴァイオリン、そして金井政人(Vo/Gt)の繊細でエモーショナルなボーカル。激しさや力強さに美しさを兼ね備えたBIGMAMAが、会場の雰囲気によく映える。

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僕も参戦した、3月3日(金)柏PALOOZA公演を皮切りに、全国25ヵ所を周り、これまでリリースした全ての楽曲149曲を網羅するという、前代未聞のこのツアー。

初日ライブレポ
https://www.diskgarage.com/digaonline/liverepo/175369

ツアー23本目となったこの日までに演奏された楽曲は、143/149曲! 横浜を含めてツアーは残り3本、残す曲は6曲。単純計算で1ライブ2曲ずつ、未発表の曲を披露すれば、無事全曲コンプリートになるのだが。全曲披露というコンセプトがあるがゆえに、イントロに歓声が上がった「Baseball prayer」など、普段はあまり披露されることのない初期楽曲たちにスポットが当たるのも、熱心なファンには嬉しい限り。

Bisのドラムソロから、東出のヴァイオリンと柿岡のギターのアンサンブルによる、ヴィヴァルディ「春」で始まった「走れエロス」は、伝家の宝刀と言える“Roclassick”楽曲であり、フロアに起きた大合唱も彼らの強力な武器。ツアーで磨き上げた新旧織り交ぜた楽曲たちと高いライブスキルでフロアを大いに沸かす中、「ライブハウスでしか聴けない新曲やっていいですか?」と披露したのは、「PEACE OF CAKE」。堂に入った歌や演奏、手拍子やかけ声を合わす観客の反応は、すでにライブ定番曲といった雰囲気で、これもまたツアーの成果のひとつだろう。

東出が鍵盤を弾き、ハンドマイクの金井がたっぷり気持ちを込めた歌声を聴かせた「auctioMania」、鍵盤を弾く金井が柿沼との美しいハーモニーを聴かせた「Nameless Star」と、編成も変えながらしっかり聴かせる楽曲が続き、金井の感傷的な歌声で始まった曲はツアー初披露となる「ライフ・イズ・ミルフィーユ」。「auctioMania」やこの曲が収録された、アルバム『君想う、故に我在り』が大好きだった僕は、思わず「わぁ!」と声を上げてしまった。そうか、このツアーでは全国でこういう現象が起きていたんだ! と、自らが体感することでファンの気持ちを実感出来たし、このツアーの醍醐味を味わうことが出来た気がして、なんだか嬉しくなる。

「25公演中、23ヵ所、いろんな街を回ってきました。そんな過酷な旅を経て、今日は凱旋の心持ちでやって来ました!」とBisが意気込みを語り始まったMCでは、「どうしたもんかな? と始まったツアーでしたが。走り出したら、“意外といけんじゃないの?”って感じになりました」と、柿沼がツアーを振り返る。「余談ですが、“誕生日が近いよ”って人はいますか?」というBisのフリに、勘の良いファンから歓声が上がると、始まった曲はツアー初披露の曲であり、『君想う、故に我在り』収録曲である、「Jeffrey Campbellのスケートシューズで」。わ~、嬉しい!! これで残すは、4/139曲。いよいよ長いツアーの終わりが見えてきた、メンバーはいまどんな気持ちなのだろう? と想像してしまう。

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