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海外批評家からも高評価の『すずめの戸締まり』 英紙「最も不気味なほど美しい」

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 新海誠監督の最新作『すずめの戸締まり』が今、世界で順次公開されている。現時点の世界興行収入は3億2000万ドル(約440億円)に達した。映画レビューサイト「ロッテントマト」でも、批評家によるスコアが96%、観客スコアが98%と好評だ。

◆米紙「映画館で観る価値がある」
 昨年11月に日本で公開された『すずめの戸締まり』は、国内でも瞬く間に大ヒットとなった。母を亡くした高校生の少女・すずめが、打ち捨てられた温泉街を訪れた謎の青年・草太と出会い、いたずらな猫・ダイジンを追って各地を巡り歩く。彼らは行く先々で噴出する禍々しい力を「戸締まり」し、各地を襲う災害を地中に留めようと試みる。

 米ロサンゼルス・タイムズ紙(4月13日)は美しいアニメーションや高いストーリー性に感化されたようで、「(映画館の)座席を買う価値がある」と評価。

 英テレグラフ紙(4月13日)は、「『すずめ』はおそらく、新海監督の作品のなかで最も不気味なほど美しい作品であると同時に、奇妙な作品でもある」と述べている。言葉をしゃべる猫のダイジンは、草太を突然縛り上げる悪行を働き、方々で騒動を巻き起こす。疾走感あるストーリーに同紙は魅力を感じたようだ。

◆古く美しい記憶をめぐる冒険
 写実的な表現で定評のある新海監督は、最新作でもその美しさで海外の心を揺さぶった。米ニューヨーク・タイムズ紙(4月13日)は「水しぶきや草の葉の一つ一つに生命力を与える、この世のものとは思えないような感情的な色調」が本作でも健在だとしている。

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 近年の新海作品が重点を置いているように、物語性も『すずめ』の魅力だ。ロサンゼルス・タイムズ紙は、古い記憶がこの作品のテーマの一つになっていると見る。各地の危険な「扉」を巡りながら、すずめは幼い時分に出会った母親らしき女性との触れ合いに繰り返し思いをはせる。

 あの記憶は何だったのか——。災害に立ち向かう旅は、すずめにとって不思議な記憶を解き明かす旅でもある。同紙はさらに、すずめたちが訪れる土地に込められた記憶や大震災をめぐる過去などが相まって、青春ファンタジーの隅々に、ほろ苦く感傷的な深海節が発揮されていると感じたようだ。

◆ますます国際的に認知度を高める新海監督
 新海監督の名は、海外でもますます広く認知されるようになってきた。ニューヨーク・タイムズ紙は「その卓越したアニメーションにより、しばしばあの宮崎駿の後継者との賛辞を受けている」と述べる。

 テレグラフ紙は監督を「日本のアニメシーンにおける著名なカルト的ヒーロー」であると紹介し、「彼の映画は、穏やかさと熱狂性の見事な融合である」と評価している。

 ロサンゼルス・タイムズは新海監督について「才能に恵まれた日本の作家・監督」であると紹介し、その繊細なタッチが『すずめ』でも冒頭から存分に発揮されていると評価している。作品はダークブルーの夜空にきらめく星々の美しいカットで幕を開けるが、これが同監督による2016年の『君の名は』を想起させたと同紙記者は言う。同作では夜空の流星をめぐる大混乱を描いたが、今作でも冒頭から「またしても天変地異を予感させる」と胸を高ぶらせたようだ。

 昨年11月からロングラン上映されてきた『すずめの戸締まり』は、5月27日に終映を迎える。未見の方は躍動するキャラクターと迫力のアクションをぜひ映画館で楽しみたい。

 
   

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