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サブスタック、利用者のライターから資金調達 デジタルメディアの新たなモデルに?

NewSphere


 デジタルコンテンツのパブリッシングサービスを展開するメディア会社のサブスタックが、ライターから直接投資を募るクラウド投資を実施。約6900人から約800万ドルの投資予約が入った。

◆サブスタックの新たな資金調達戦略
 ウェブサイト、ブログ、ニュースレターなどの発信ツールを提供するパブリッシング・プラットフォームのサブスタックが3月28日、新たな資金調達プロジェクトを発表した。それは、ウィーファンダー(Wefunder)上で、サブスタックの利用者から直接投資を募るというものだ。ウィーファンダーは、クラウドファンディングのような仕組みで、多くの人からエンジェル投資を受けつけることができる仕組み。利用者は、ウィーファンダー上のスタートアップに100ドルから投資することができる。サブスタックには、自社のサービスを利用するライターが自社に投資し、所有する機会を提供したいという狙いがあるようだ。

 サブスタックはこれまで、シリコンバレー的なスタートアップの典型的な資金調達を行ってきた。2017年に創業した同社は、翌年、シリコンバレーの名門アクセラレーターであるYコンビネーターに参加し、200万ドルのシードマネーを調達。2019年にはアメリカの著名なベンチャーキャピタル(VC)の一つであるアンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz)が率いたシリーズAラウンドで1500万ドルを調達。2021年には有料会員100万人というマイルストーンを達成し、またしてもアンドリーセン・ホロウィッツが率いるシリーズBラウンドで6500万ドルを追加調達した。

◆資金調達戦略をシフトした背景
 サブスタックは、資金調達のラウンドを経て、パブリッシング・プラットフォームとして成長し、ブログやニュースレターという文章を中心としたコンテンツだけでなく、ポッドキャストやビデオといったマルチメディアコンテンツへもスコープを拡大してきた。購読会員を増やすことで売上を拡大させ、投資に頼らない自立型モデルへと移行しているようでもある。

 しかしながらサブスタックの展望は、単なる拡大だけではないようだ。同社の次の段階は、サブスクリプション・ネットワークという新たな「SNS」の構築だという。その構築にあたって、既存のSNSの課題であるプラットフォーマーがすべての意思決定能力を持つというモデルではなく、プラットフォームの参加者、つまりサブスタックのライターやクリエイターにも意思決定能力を持たせたいと同社は考える。クラウド型の資金調達を実施した背景には、こうした狙いがあるようだ。昨今、投資に関する規制が緩和されたことを受け、同社はウィーファンダーでの資金調達に踏み切った。

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 結果、約6900人から約800万ドル(約11億円)以上の投資予約が入り、法的にクラウド投資で調達できる500万ドル(約6.8億円)を上回っている。リードインベスターは、サブスタックの最初のライター、ビル・ビショップで、彼は過去にも10万ドルを投資し、今回2.5万ドルの投資をした。

 今回の資金調達はシリーズBのエクテンションという位置づけで、資金調達前の企業価値(プレバリュー)は5.85億ドル(約800億円)、500万ドルの追加投資が確定すれば資金調達後の企業価値は6.55億ドル(約900億円)となる。サブスタックの資金調達の成功は、デジタルメディアプラットフォームの新たな資金調達の可能性を示唆するものかもしれない。

 
   

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