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尹政権で冷え込む中韓関係

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 台湾や半導体などをめぐって米中の対立が深まるなか、韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)政権は米中対立のなかで韓国の立ち位置を大きくシフトさせようとしている。日本と同様に、韓国は安全保障をアメリカに依存する一方、経済では中国との関係を重視してきた。中国をめぐる問題で難しい立場にあっても、韓国は経済的関係から中国の神経を逆撫でするような反応は控えてきた。しかし、これまでの尹大統領の主張や行動を見てくると、今後両国関係は冷え込む気配が強まってきた。

◆国賓待遇で招待された尹大統領
 その尹大統領は4月下旬、アメリカから国賓待遇で招待され、ホワイトハウスでバイデン大統領と会談した。毎度のことではあるが、両大統領は会談では核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮を非難し、核兵器を搭載可能なアメリカの戦略原子力潜水艦を韓国に派遣するなど対北朝鮮でいっそうけん制を強めていくことで一致した。そして、対北朝鮮では日本を加えた日米韓3ヶ国が連携する重要性も共有された。米韓の首脳会談で日本の重要性がここまで指摘されるのは極めて稀だが、筆者には今回の米韓会談が日米会談のように映った。

 そして、今回の米韓首脳会談で最も印象に残ったのが、台湾海峡の平和と安全について強い懸念が示されたことだ。両大統領は会談で台湾問題についても話し合い、台湾海峡の平和と安定の維持が地域の安全と繁栄に不可欠だと確認した。また、尹大統領は米メディアからのインタビューに、力による現状変更には反対だと名指しはしなかったものの中国への不満を示した。

 その後、尹大統領を歓迎する晩餐会が開催され、尹大統領がピアノの伴奏に合わせて1分ほど歌うなど晩餐会は和やかなムードで行われた。バイデン大統領が尹大統領を親友と呼ぶ姿も見られ、まるで小泉・ブッシュ、安倍・トランプ時代の日米関係のような光景がそこにはあった。

◆尹政権に不満を強める中国
 尹政権の対米重視、対米接近の姿勢は強く、中国は尹政権への不満を強めている。中国は米韓首脳会談で台湾情勢に懸念が示されたことにすぐ反発し、台湾をめぐる中国の一貫した立場を強調するとともに、「一つの中国」原則を厳格に守るよう韓国に求めた。

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 日中は尖閣諸島の領有権問題、そして台湾有事をめぐる緊張は在日米軍が関わる問題であり、両国は経済関係を重視しつつも安全保障をめぐって争ってきた。それと比べれば、中韓関係では経済を中心に近年は平穏な空気が漂い、中国側も韓国経済の対中依存を考慮すれば「韓国は物を言えないだろう」と判断していたかもしれない。しかし、その韓国は今日、中国が最も不満を強めるアメリカとの結束を加速させており、今後、尹政権の韓国と中国の関係は冷え込む可能性が極めて濃厚だ。米中対立のなか尹政権がどう舵を切って行くか、これは同じように米中対立に悩む日本にとっても一つの参考になるかもしれない。

 
   

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