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NY市警がロボット犬を再導入 遠隔操作で危険な現場に投入

NewSphere


 ニューヨーク市当局は4月11日、3台のハイテク監視装置を新たに導入することを発表した。このうちの1台は、2年半前に市警で運用されたことのある犬型ロボットである。導入開始当時、不気味であると批判の声があがった。

 新たに導入される装置には、盗難車を追跡するためのGPSを使った追跡システムや、円すい形をしたセキュリティロボットが加わる。市警本部長を務めるキーチャント・スウェル氏は「透明性かつ整合性をもって、私たちが奉仕する人々との連携を密に保ちながら運用していくつもりだ」と話している。エリック・アダムズ市長や市職員とともに、タイムズスクエアで開かれた記者会見に登場し、セキュリティロボットや「デジドッグ」と呼ばれる犬型ロボットを披露した。

 民主党の元警察官のアダムズ氏は「デジドッグは囲いから外へ出てきました。今では我々にとって必要な装備の一部です」と話す。

 ロボット型警察犬が、初めてニューヨーク市警に導入されたのは2020年。アダムズ氏の前任のビル・デブラシオ前市長によってリース契約が結ばれたものの、ディストピアのようで不気味だという批判の声があがり、市は契約を途中で打ち切った。

 アダムズ氏は、犬型ロボットに反対する圧力には屈しないと主張する。「市は、声高に反対を主張する数人の声を受け入れ、譲歩しました。私はそのようなやり方で運営するつもりはありません。市にとって最善であることを考えながら活動しています」と述べている。

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 重さ32キロで遠隔操作が可能なデジドックは、今夏以降、膠着状態にある人質事件などの危険な現場に配置される予定だという。アダムズ氏は「立てこもり犯や、建物の中に武装した人物がいるような場合、警官をその現場に派遣する代わりにデジドッグを配置します。このように優れた技術を使うことは賢い方法です」と話している。

 「スターチェイス」と呼ばれる追跡システムは、GPS機能付きのタグを盗難車に向けて発射し貼り付けることで、警官が車両の位置を追跡できるようにするものだ。当局によると、ニューヨーク市警はこのシステムの活用に向けて90日間にわたる試験的プログラムを行っているという。

 警察当局によると、アダムズ氏がロボット掃除機の「ルンバ」に例えた自律型セキュリティロボットは、地下鉄タイムズスクエア駅構内に配置され、今夏より7ヶ月間の試験的プログラムが実施される予定だという。数年前よりショッピングセンターなどで使用されているこのロボットは、まずは人間がパートナーとなり、ともに活動することになるという。

 このようなハイテク装置の必要性について、市民的自由の擁護者や警察改革支持者は疑問を投げかける。

 「警察改革を求めるコミュニティ連合(Communities United for Police Reform)」でプログラムディレクターを務めるイリアナ・メンデス・コニャーテ氏は「今回の発表により、ニューヨーク市警が膨大な予算を際限なく無駄遣いしている状況をアダムズ市長が容認している、という実例が改めて示されました」「ニューヨーク市警がロボット犬や高価なテック製品を購入している一方で、ニューヨーク市民は、市の機関における人員不足が理由で、政府からの食料費補助を受けることができません。さらに、弁護士に相談する権利が得られないまま立ち退きを強いられているニューヨーク市民もいます」と述べている。

 「監視技術監視プロジェクト(Surveillance Technology Oversight Project)」でエグゼクティブ・ディレクターを務めるアルバート・フォックス・カーン氏は「ニューヨーク市警は、質の悪いサイエンス・フィクションを恐ろしい監視体制に変えています。ニューヨークは、ロボコップの模倣品ではなく本当の安全を享受するべきです」と訴えている。

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