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ニガミ17才、初の全国ツアー開催!岩下優介、平沢あくびにとってのライブとは[前編]

DI:GA ONLINE

ニガミ17才が、『Hello BUTCHER GIRL』と銘打って、5月12日(金)福岡CBから7月7日(金)渋谷CLUB QUATTROまで、7ヵ所を回る全国ツアーに出る。東名阪ワンマンや対バンツアーの経験はあるが、ワンマンでこれだけの本数を回るのは、実は初めて。音源のリリースに紐付いていないツアーを、ニガミ17才が行うのも、初めてである。
ようやくコロナ禍が収まってきたこのタイミングだから、というだけではなく、いろんな意味で節目であり、新しいスタートであるこのツアーについて、ボーカルの岩下優介とシンセサイザーの平沢あくびに訊いた。
そしたら、いかに節目でありいかに新しいスタートであるか、についてはもちろん、ニガミ17才のライブのやりかたについてや、岩下優介と平沢あくびのそれぞれにとってライブとは何か、というような範囲にまで及ぶいい話になったので、前後編でお届けします。まず前編をどうぞ。

──ワンマンの全国ツアーとしては、実は今回が初なんですよね。
平沢あくび(Syn)そうです。
──なんで今までやってなかったのか、の方が、わからないんですが(笑)。
岩下優介(Vo)そうっすね。なんでやろう?
平沢東名阪のワンマン企画はやったんですけど。そのあとに、コロナ禍に入って──。
岩下そうだ、ライブハウスを盛り上げようツアーみたいなのを、2マンで、あえてちっちゃいハコでやったんですよ。その途中でコロナになって、ツアーも飛んじゃって、ドラマーもがんがん代わっていくし。
平沢だから今、サポートドラムが谷(朋彦)くんになって、コロナもちょっと落ち着いて、やっと安定したというか。谷くん、ブッキングとかの窓口もやってくれてるんですけど、「ツアーやりましょうよ」って言ってくれて、「じゃあやろうか」みたいな流れで…。
岩さんは、リリースしないと回りたくない、って最初は言ってたんですけど、だんだん世の中的にも積極的にライブができる状況になってきて、しないのももったいないな、って。で、ワンマンにしたのは、単純に、対バンを考えるのがめんどくさいなっていう。(笑)
──前から訊いてみたかったんですが、ニガミ17才を始めた時って、ライブというものはどんなふうに設定していたんですか? というのは、そもそも音源が、ライブのことを考えて作られてないじゃないですか。
平沢はははは。
岩下そう訊かれると、なんだろうな?
平沢もともとは、ライブをやるきっかけで、正式にバンドが動き出したので。ライブのことは、最初から考えていたとは思うんですけど……仲のいい友人の、お誕生日会ライブみたいなのがあって。そこにシークレットで出させてもらったんですけど、それがきっかけで、じゃあ本格的にこのバンドをやりましょうか、という流れになったので。ですよね?
岩下うん。だから、ライブが軸かもしれないですよね、始まりとしては。で、凝り性なんで、それぞれがそれぞれで。こだわっていくと、「これライブでどうやんの?」みたいな音源が上がってくる、っていう感じですかね。
平沢ライブはもともと、おカネとか全然ない時代から、どんなにハコが小さかろうが……嘘つきバービーの頃からのPAさんがいらっしゃって、私はそのPAさんの音に惚れて嘘つきバービーのファンになった、っていうのもあったので。どんなに小さいハコだろうが、赤字になろうが、PAさんは自分たちで入れようって決めて。照明さんも、視覚的なものはいちばん重要だから、赤字になってでもこだわってやっていこう、っていう。最初の頃からみんなでそう決めてましたね。
──音源制作と演奏以外のことも、自分たちで考えて実行するのが好き?
岩下そうですね。
平沢私が照明さんに「もっとこういう感じにしたい」とか、岩さんがPAさんに「もっとこういうふうな音の出し方にしたい」とか、そういう話し合いを……グループLINEとかでもですけど、移動時間も、合間合間で常に話し合うっていう状況が多いですかね。
岩下好きなので、演出とか。ステージの後ろにマネキンを飾ろうとか。
平沢今、黄色いキリンのビールケースをお立ち台にしてるんですけど。最初は「丸椅子がいい、それじゃないとイヤだ」ってなって、北海道だろうがどこだろうが、丸椅子を持ち込んで。で、今度は「ビールケースがいい」ってなって、どんなにクルマがちっちゃかろうが、ビールケースを積んで行かないといけないんですけど。
岩下あれがね、すごいかさばるんですよ。
──機材をあきらめてでも持って行きたい?
岩下そう、ギターアンプ、持ち込んでませんからね(笑)。でも、キリンのビールケースじゃなきゃダメなんですよね。
──さっき岩下さんもおっしゃいましたが、音源が、「これ、ライブでどうやんの?」ってものになるのは──。
岩下まあ基本的に、ライブのことを考えて音源を作らないので、音源は音源としてどうかっこよくなるかな、っていうことを入れ込み続けると、「これライブでどうやんの?」みたいな曲ができあがる、っていう感じで。それをライブでやる時は、打ち込みは極力減らしたくて。最近はちょこっと同期(バックトラック)も使うようになったんですけど、最初の頃は、音を全部カットアップして、サンプラーに入れて、あくびがパッドを押して、同期っぽくする、みたいな意味がわからんことをしてました。それで人力のグルーヴが出るんじゃないか、と思ってやってたんですけど。
平沢だから、ギターの音とかドラムの音も、私がパッドで出したり。ミスったら、私がミスっても岩さんがミスったと思われるし。
岩下で、あくびの声のサンプラーを俺が出してたりするし。だから、俺が間違えたら、あくびが歌をミスったと思われる。
平沢お客さんが「あっ!」って私のことを見るんですけど、「私ミスってないよ!」って。
──「全部バックトラックでいいじゃないか」にも、「全部バンドで生でいいじゃないか」にもならないんですね。
岩下ああ、いや、やっぱりブツ切りみたいなのが好きなんで──。
──各楽器の音、サスティンを切ってほぼアタックだけ残してる場合が多いですよね。
岩下そうそう。そういう表現って、生だとできないじゃないですか。
──そういう音を作ってバックトラックに入れるんじゃなくて、サンプラーに入れて、いちいちパッドを叩いて出したいというのは?
岩下ああ……なんなんでしょうね? でも、トラックを作って流すだけだったら、それ、ライブかねえ?っていう気持ちがあって。
──バックトラックありで生演奏するバンド、多いけど、その方法で自分がやるのはイヤ?
岩下うーん、当時は特にイヤでしたね。「じゃあカラオケでいいやん」みたいな。「それ、トラック出す意味ある?」みたいなグルーヴ感だったんで。
平沢私も、「バックトラックで流したらいいじゃん」って最初は思ってて。でも、人力のグルーヴっていうものを大事にしたい、私がそのタイミングで押すっていうことに意味がある、それが演奏だ、みたいな、岩さんの中の正解があって。そこは……私、バンドはニガミ17才が初めてなんですけど、「すごいおもしろいな、その考え方」と思って。もちろんその人その人で正解は違うんですけど、私にとっては岩さんが正解なので。
岩下で、最近はちょっとバックトラックを使ってるのは、そのトラックのお客さんのきこえ方を、演奏によってどう変えさせるか、っていう。トラックすらモタってきこえる演奏もあったりするじゃないですか?
──ああ、ありますね。
岩下そういうこともできるんだな、って最近思うようになって。トラックもちょこちょこ使ってます。
──そういう、ほかのバンドならしなくていいことしかしてないのは──。
岩下・平沢はははは!
──そういう演奏方法でやっていると、いちばん大変なの、ドラマーじゃないですか。
岩下まあねえ。今のドラマーの谷は、全然普通にやってくれていますけど。でも、そうですね、やらなくていいことをやるのが好きな世代なのかもしれないですね。だって、今、電子書籍とかあるけど、なんか、紙で見たいじゃないですか? 俺の世代なのか、俺なのか──。
平沢俺だから、ですね(笑)。
岩下僕、サブスク系の動画配信サービス、全部入ってますけど、ブルーレイ、買うんですよ。買って、パッケージを開けて、っていうひと手間がたまらなく好きなので。それと一緒なんじゃないですかね。ほんとだったらトラックでやればいいところを、敢えてひと手間加えるのがいいだろうな、って思ってるのかもしんないです、僕自身。そういう方をお客さんは聴きたいだろうなって。やっぱり人が演奏しているし……ボーカルのレコーディングは、めちゃめちゃ音程直しますけどね。
平沢はははは!
岩下それはまたね、別の話で。

>>後編に続く[プレゼント発表!]

 
   

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