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アメリカの「アサルト・ウェポン」禁止法の行方は 年々増加する銃乱射事件

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 アメリカで銃犯罪が止まらない。銃暴力統計サイト『ガン・バイオレンス・アーカイブ』によると、4月19日現在、今年だけですでに165件の銃乱射事件が発生。自殺も含めた全体で1万2596人、殺人事件だけで5402人が死亡しており、すでに2018年全体の死者数1万4943人に迫る勢いだ。

◆南部保守州で多発する銃乱射事件
 なかでも特に銃犯罪の発生件数が多いのが、銃購入や所持に関する法律が緩い南部の保守州だ。最近では4月10日、南部ケンタッキー州ルイビルで銃乱射により5人が死亡した事件や、4月9日に南部フロリダ州オーランドで発生し3人が死亡した事件、そして3月27日と29日に南部テネシー州ナッシュビルとメンフィスで発生し、それぞれ6人(容疑者を含むと7人)と2人が死亡した事件が記憶に新しい。そして多くの事件で、大量殺人を容易にする「アサルト・ウェポン(攻撃用銃器)」が使用されているのが特徴だ。

 アメリカではいつでもアサルト・ウェポンが合法だったわけではない。建国時はこのような高性能銃は存在しておらず、建国の父たちもまさか現在のような状況を想像していなかったに違いない。

 米公共ラジオ(NPR)によると、近年ではビル・クリントン元大統領時代の1994年に、カリフォルニア州選出のダイアン・フェインスタイン上院議員が提案した軍隊式アサルト・ウェポン禁止の法律が施行された。元サンフランシスコ市長で、当時まだ上院議員として1期目だったフェインスタイン上院議員は、同州ストックトンの小学校で1989年に発生し、アジア系移民の子供が多数死傷した銃乱射事件に強い影響を受けていたという。

 しかしこの法律はその10年後、ブッシュ(子)大統領時代に期限が切れ無効となったまま復活することはなく、以来アサルト・ウェポンが再び合法化した。この法律が今も有効であれば、度重なる銃乱射事件でアサルト・ウェポンが使われることもなく、救われた命も多くあっただろう。

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◆民主党州ではアサルト・ウェポン禁止の動き
 連邦規模では合法であるアサルト・ウェポンだが、決してアメリカ全州で合法というわけではない。現在はハワイやカリフォルニア、イリノイ、コネチカットなどの9州で使用や販売が禁止されている、または大幅に制限されているほか、米政治専門紙ヒルによると、4月10日には新たに西部ワシントン州で60種のアサルト・ウェポンを禁止する法案が上院で可決された。州知事が署名後すぐに施行される予定という。

 アメリカ南部や中西部の保守州では全米ライフル協会(NRA)の政治的影響力が強く、銃乱射事件多発よりも銃所持の権利保護を重要視しているため、連邦政府規模での法律が成立しない限りアサルト・ウェポンの規制が行われることはないだろう。テネシー州に至っては、銃規制強化を議会で激しく求めた民主党の州下院議員2人が、共和党過半数の州議会から除名されるという騒ぎまで起きた。しかし2人とも後にそれぞれの地元議会による議決を経て、暫定的に州議会に復帰した。

 多発する銃乱射事件を受け、バイデン大統領は3月、このアサルト・ウェポン禁止法を復活させることを呼びかけた。同法を復活させる法案はすでに上下院に提出されており、民主党が過半数を占める上院では通過すると思われるが、現在は共和党が過半数を占める下院では、たとえ一部でも共和党のサポートがなければ通過は困難だろう。時代の流れは確実に銃規制の方向へ向かっているものの、一部の保守派の政治思想がアメリカをより危険な国にしている。

 
   

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