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深刻なベネズエラの水事情 貧しい地域のために水を引く人も

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 同氏は、水の価格を200リットル当たり1.5ドルと提示しているものの、近隣住民が支払えるだけの金額で了承している。アレパと呼ばれる薄焼きパンを代わりに受け取ることもあれば、無料で水を提供することもある。「こうすることで人々の心が安らぎます」と言う。

 非営利組織「ベネズエラの公共サービス監視団体」が12月に7683人を対象に行った調査によると、日常的に水道を使用できる環境にある人はベネズエラ全体の約27%に過ぎない。調査対象者のうち9.4%が月に1度だけ水道が使えると答え、これまでに水道を使ったことがないと回答した人は5%であった。

 インフラ不足への対応は、ベネズエラの長期化する危機の緩和に取り組む国際人道支援のなかでも重点課題であるとされ、飲料水をめぐるプロジェクトが特別に策定されている。

 政治、社会、経済に起因する複雑な危機的状況を反映して、これまでに700万人以上がベネズエラから脱出した。一方で国内では不平等がはびこり絶望的な様相を呈している。

 6人で暮らすモラオ氏(66)は、寿司レストランの厨房で働く息子の月収180ドルで一家の生計を立てている。1週間で必要な水の量は通常1400リットル入りのプラスチック製タンク1本分程度だという。

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 モラオ氏は、シンクの蛇口から水が流れてきた時のことを思い出すと同時に、給水サービスを復旧させると公言した政治家たちの誓約をすべて覚えている。実現される見込みについてはまるで気にしていない。

 同氏は「どこに水がありますか。今年もまた、水をめぐる対策を約束するつもりなのでしょうね。いったいどうすれば私たちは希望が持てるのでしょう。嘘偽りにすぎないのです」と話す。

By REGINA GARCIA CANO Associated Press
Translated by Mana Ishizuki

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2023年4月13日

提供元: NewSphere

 
   

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