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ペロシ訪台時より強い意思を示した中国 台湾の狙い打ち消す

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 で「台湾情勢でペロシ劇場第2幕がやってきそうな様相だ」と述べたが、まさにその通りになった。米カリフォルニア州での蔡・マッカーシー会談を前に、米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は「蔡総統がアメリカに立ち寄ることは公式の訪問ではない。中国はこれを口実に台湾海峡周辺で攻撃的な活動をエスカレートさせてはならない」と中国に自制を呼びかけていた。これについて中国当局は「台湾海峡の安全を脅かす挑発行為であって対抗措置を取る」と強くけん制していた。

◆ペロシ劇場第1幕における中国
 昨年8月初め、当時のペロシ米下院議長が台湾を訪問したことにより、中国は台湾本土の南部、東部、北部海域などを包囲するかのような大規模な海上軍事演習を行い、大陸側からは複数のミサイルを発射するなど、これまでにない規模の軍事演習で台湾に圧力をかけた。中国軍機による中台中間線越え、台湾の防空識別圏への進入も相次ぎ、大陸に近い台湾離島へは次々に正体不明のドローン(無人機)が飛来した。

◆ペロシ劇場第2幕における中国
 今回の蔡・マッカーシー会談は、同じ米下院議長と蔡英文氏の会談ということで、それを比較する動きが見られる。中国当局は4月8日から3日間の日程で軍事演習を行うと発表したが、台湾国防部によると、9日は中国軍機のべ70機が台湾周辺を飛行し、うち35機が中台中間線を越えたと発表したが、これまでのところ、蔡・マッカーシー会談への対抗措置の規模は昨年8月と同規模との認識を示している。

 また、昨年8月のようなミサイル発射は報告されていない一方、中国海軍の空母「山東」やフリゲート艦など合わせて3隻が6日、台湾南部のバシー海峡を航行し、西太平洋に向かう姿が確認された。山東は2019年に就役した中国初の国産空母で、太平洋での航行が確認されたのは初めてとなった。

◆中国の意図、思惑
 上述のように、台湾国防部は前回と同じような規模の対抗措置としているが、筆者は今回の方がより強い中国の意図、思惑を想像する。今回の会談は台湾ではなくアメリカだったが、中国側を過剰に刺激したくないと考える台湾は事前にマッカーシー側に対し、カリフォルニアでの会談を打診したという。

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 しかし、ペロシ劇場第2幕における中国の反応は、その台湾側の狙いを打ち消すものとなった。筆者は前回の記事で予想される中国側の反応を、アメリカでの会談ということで昨年8月に比べてトーンを落とした「比例的な対抗措置」、アメリカだろうと台湾だろうと関係ないという昨年8月と「同レベルの対抗措置」、そしてそれを口実にさらなる圧力をかけようという「過剰な対抗措置」を紹介したが、これまでのところ2つ目に近いものとなっている。台湾側としては、アメリカでの会談ということで1つ目の比例的な対抗措置を想定していたのかもしれない。

 今回の対抗措置を見て、筆者は中国のアメリカへの強い意思を感じた。中国空母が西太平洋に向かったことは、西太平洋での軍事的覇権を長年維持してきたアメリカへの挑戦と捉えられ、中国軍が第一列島線を越え、第二列島線でのアメリカとの競争を本格化させる意図が想像できる。このような意味では、ペロシ劇場第2幕において中国の方が以前より強い意思を示したとも言えよう。

 
   

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