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中国で拘束される日本人、今後さらに増えるかもしれない理由

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 3月末までに、中国・北京市で50代の日本人男性がスパイ行為などを取り締まる国家安全当局に拘束されたことが明らかとなった。拘束されたのは大手製薬会社のアステラス製薬に勤務する男性で、中国での駐在歴が20年もあり、3月に日本へ帰国予定だったという。拘束されたのはまさに帰国直前だったとされる。中国外務省はこの男性に対して取り調べを行っていることを認めたが、中国の刑法と反スパイ法に違反した疑いがあるということ以外、なぜ拘束したのかなど具体的な説明は一切していない。

◆近年相次ぐ邦人の不当拘束
 今回の件は断続的に続く拘束の一例に過ぎない。2014年に中国で反スパイ法が施行されて以降、今回のケースを含み反スパイ法などに違反した容疑で拘束された日本人は17人に上る。2019年9月には中国近現代史の研究者が北京市内のホテルで拘束され、2022年10月にはスパイ容疑で懲役6年の判決を受け刑期を終えた男性が帰国した。この男性は当時判決で「北朝鮮に関する中国政府の機密情報を日本政府に提供した」などとまったく覚えのないことを言い渡され、逮捕前に7ヶ月にもわたり24時間監視のもと取り調べを受ける「居住監視」という状態に置かれたと明らかにしている

◆国内での監視の目を強める習政権
 習政権はこの10年あまりで反スパイ法や国家安全法、香港国家安全維持法やなど国内で反政権的な言動を抑え込む法律を次々に施行している。昨年末には、中国国内でのスパイ活動の摘発強化を目的とした反スパイ法の改正案が発表され、同案ではスパイ行為の範囲が現行法より大幅に拡大され、中国国家安全当局の権限やスパイ行為による罰則が強化されることになっており、今年の夏にも可決され施行される見込みだ。これまで中国は共産党支配だったが、今後は党というより人(習近平)による支配が顕著になり、その分監視の目がさらに強まる恐れがある。

◆人による支配は邦人拘束に拍車をかけるか
 今後の日中関係の行方も明るくない。日中双方とも経済に悪影響が及ばないよう外交努力に徹するだろうが、米中関係の改善は厳しく、まさに今台湾問題で当事者間の亀裂が深まっており、それによって日中関係も冷え込んでいく可能性が高い。こういった地政学的変化により、中国当局が国内にいる日本人への監視の目を強める可能性がある。当然ながら、拘束されるケースがドミノ現象のように発生するわけではないが、政治的に日本はアメリカの同盟国であり、台湾有事が発生すれば中国とは対立することになり、中国当局が日本への揺さぶりの手段として日本人を拘束する可能性も排除できない。政治的理由による拘束で相手国をけん制することはあってはならないが、スパイの定義や使用範囲も明確でない段階では、我々は法の恣意的乱用を可能性から排除することはできない。

 
   

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